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韓国の歴史をものすごくわかりやすく書いてみた
- 1 名前:九尾狐 ◆85KeWZMVkQ 投稿日:2007/12/05(水) 11:19:26 ID:oOlcPZL.
- 韓国と日本の歴史をなるべく口語調で、かつ会話形式も含めながら
小学生にもわかるように書くのがルールです。
ソースをベタッと転載するのではなく、おもしろおかしく検証してみましょう。
- 301 名前:や 投稿日:2008/07/09(水) 13:26:02 ID:0js1TgZ6
- (続き)
李 「条約文には朝鮮が中国の属邦であるとの文字は載せなかったが、米国公使と本大臣の間では
互いに照会文を交わしてその事を書いているアル」
伊藤 「はあ? 照会文に書いて何の効果があるのか。照会文は約束の効果はない。まさに約束の
効果があるのは条約文のみである」
李 「通常の照会文ではないアル! まさに条約の一端に属するものアル!」
伊藤「ほう、それはよいw 両国の間で条約を有効なものとするには、各国人民の上にも及ばせる
ように必ず国中に布告すべきものであることは閣下もご存知であろう。しかし閣下の言われる照会
文のことは朝鮮でも米国でも布告されたのを聞いたことは無いがwww」
李 「ムカッ!! もうよいアル!! 談判の要件に移るアル!」
井上馨外務卿は前もって米国政府に対して朝鮮属邦のことを条約文に載せないように進言してい
たらしい。
しかしまあ伊藤のこの論理は、李鴻章をやり込めることには有効でも、中朝条約には朝鮮が属国
であることが書いてあるからねえ。
朝鮮が独立国であったかなかったか。日欧米各国には独立国の体面を装いながら、中国に対して
は属国であることを条約として結ぶ。やはり井上馨が金玉均に言ったように、「貴国は永年支那に
対して属国であった。それが日朝条約によって独立の萌芽を発し、今は米国との条約によってより
独立の傾向にある」ということだろう。
- 302 名前:や 投稿日:2008/07/09(水) 13:43:55 ID:0js1TgZ6
- (続き)
とにかく、このようにして伊藤博文はさまざまな観点から「派兵は必要ない!」と説き、李鴻章
は朝鮮が属国であることを理由に「派兵は必要アル!」と言い続け、結局議論は全く妥結することな
くこの日も終了。
翌日、伊藤は井上外務卿に打電。
「交渉は危機に瀕した。李鴻章は撤兵のことは一時撤兵のみ承諾したが、恒久的とすることは拒否
し、宗主国として派兵の権利があることを主張した。今後妥協点がないなら交渉は決裂するだろう」
などと。
井上外務卿「・・・・一時撤兵かぁ。李鴻章も先の読めない男だのう・・・・止むを得んぉ。我が
国としては粛々と陸海軍の増強するほかないぉ」
日清両国が将来の衝突を避けるには両国が朝鮮からは恒久的に撤兵するということでなければな
らなかった。朝鮮で再び乱などが起きて清国が派兵した場合、またも日本人居留民や公使館にどの
ような攻撃が向けられるか計りがたいことである。よって日本としては充分に保護できる兵を送ら
ねばならなくなる。そうなれば最早その衝突は避けられないだろう。
明治17年の事変によって、当時日本人とりわけ日本兵の清兵に対する憎悪は極めて強いものと
なった。しかもこの後長崎でその火に油を注ぐような大事件が起きる。
伊藤は止むを得ず、日本もまた朝鮮に派兵する権利があることを清国側に要求することとし、そ
のように条約草案を書き換えた。もちろん李鴻章は初めから日本にもその権利があることは認めて
いることであったが。
伊藤「やれやれ。撤兵議論も無駄だったか・・・・後は清将責罰と居留民被害のことを何としても
認めさせねばならんが・・・」
(つづく)
- 303 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/07/22(火) 09:21:35 ID:BejobB5g
- 79 名前:マンセー名無しさん[] 投稿日:2008/07/22(火) 00:35:15 ID:Sd/HXysv
併合前の日朝(続き)
さて、井上馨外務卿が伊藤博文大使に与えた調令では、撤兵のことのみならず、国王護衛の日本兵への
攻撃を清将の処罰に求め、また居留民への暴虐の責任を問い、それを照会文中に明記させるとの要求を
通すことにあった。
しかし、李鴻章はこれを議題に上げることすら難色を示し、日清両兵の衝突については清将のみならず
竹添公使にも処罰あることを以って平等の処置と主張し、居留民被害のことはそもそもそのような事件は
なかったと言い張った。
80 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 00:36:38 ID:Sd/HXysv
(続き)
で、談判第6回目は4月15日。
恒久撤兵のことを諦めた伊藤は談判開始早々、「将来朝鮮で変乱があって一国或いは両国が派兵を要する
場合は日清相互に通知して派兵し、乱が定まった後はただちに撤兵すること」の条文を追加した条約草案を提出。
よって李鴻章もこれには直ぐに承諾。後は字句をいくらか変更する話を経て撤兵のことは定まった。
伊藤 「そもそもこの趣旨は、日清両国が朝鮮に派兵するのは最も重大な事があった場合に限るのであって、
瑣末な事件では出兵しないことを互いに約束するにある」
李 「実にそうアルよ。例えば露国が朝鮮を侵略しようとする時やこれに等しい重大事件の時は派兵するアル。
そしてその時は貴国に直ぐ通報するアルよ」
李鴻章、内心、自分の意見が通ったからもうご機嫌w。
伊藤 「よろしい。閣下が今述べられたことは永く記憶しよう」
李 「本大臣は閣下の意見に副うために今日まで非常な譲歩をしたアルね。我が政府がこれを批准するかどうか
心配するぐらいアルよ。もともと呉氏の草案では、我が国にはいつでも派兵できる権利があり、日本はただ朝鮮とは
条約上のことがあるだけとある。これは日本は派兵の必要はないとの意味アルね。それで呉氏を説得して
この非常なる譲歩を同意させたアルよ。この苦心努力は閣下の想像外にアルよ」
- 304 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/07/22(火) 09:25:23 ID:BejobB5g
- 81 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 00:37:31 ID:Sd/HXysv
(続き)
思い通りになった時ほど、そういう素振りを見せずに、いかに自分が苦労して譲歩したかを強調するのが
重要らしいw しかし何だか営業マンが契約後に安っぽい挨拶をしているみたいだぞw
もちろん伊藤はそんな話は無視し、批准のこと、その期日のことなどを事務的に話を進めた。
伊藤 「で、条約批准の期日は互いに事前に通知することがいる」
李 「我が皇帝陛下に上奏する時には、北京では重職の者を召集して会議するのが通例アル。会議が
事無く進んで批准の通知に至るまでにはかなりの日数を要するアルよ」
伊藤 「貴政府で会議が揉めるのは貴政府の内事であって、本大臣には関係ないことである。よって
ここで期日を定めて約束せねばならない」
李 「それなら2ヶ月以内と約束するアル」
伊藤 「我が国もそうしよう」
李 「もし他国が朝鮮を侵略したときは、貴我両国で連携して防ぐ方法を講じねばならないアル」
伊藤 「朝鮮が今日あることを永く維持するのを希望して止まない」
李 「もし貴我両国で密約を結ぶなら露国は朝鮮に手を出さないに違いないアル。かつて露国公使は、
露国は少しも朝鮮に何かする気はない。まだシベリア地方ですることが終わってないからである、と言ったアル。
しかし英仏独の三公使は、露国は朝鮮を侵略する意を強く持っている、と言ったアル。
閣下はどちらを信じられるアルか」
82 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 00:44:22 ID:Sd/HXysv
(続き)
伊藤 「おそらく英仏独三公使は公然たる意見として述べられたのではなかろう」
李 「もちろんこれは閑談に過ぎない。公然たる意見ではない」
伊藤 「露国公使の言うことを信ずると言わざるを得ない。国と国との交際で互いに疑えば終には
事変をもたらし容易ならない事態に陥ることがある。よってその実績が顕れない間は露国に害心が
あるとは明言することは出来ない」
李 「朝鮮は我が国に接する国である。朝鮮のことで警戒することを疎かには出来ないアル」
伊藤 「国土防衛のためには当然の警戒ではあるだろう」
李 「露国はウラジオストックに海軍を置いているが、ここは氷結する地アル。よって露国が東洋に
良港を求めるのは急務であって、或いは数年内には必ず東洋で大事を起こすと疑うアルよ。もし露国が
朝鮮の地に良港を得て海軍をそこに置くなら、貴我両国への影響は軽いものではないアル。これに
ついて閣下の御教示を求めるアル」
伊藤 「その事についての流言は大いにある。しかし本大臣は確たる証拠を得ていない」
これは伊藤だけでなく、当時明治政府の人間には、確たる証拠なく交際相手を疑うことを潔しとせず、
という考え方の傾向が感じられる。つまりは疑心は暗鬼を生じ、終には深刻な事態を招きかねない、
という考え方による。一方、中国人は相手を端から疑い、ひそかに刀を研ぎながら交際するものらしい。
そして場合によってはその刀を見せる時がある。
- 305 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/07/22(火) 09:29:47 ID:BejobB5g
- 83 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 00:45:42 ID:Sd/HXysv
(続き)
李鴻章は日本が朝鮮に開かせた元山津について話し、この港を他に奪われないように伊藤に忠告した。
伊藤 「この事は本件とは関係ないので話はやめよう。さて撤兵のことは定まったが、他の2件のことは
閣下にはどうされるつもりか」
李 「その2件については、この上議論をしないのがよいアル」
つまり、清将責罰、居留民殺害の件であるが、以下、伊藤と李の間で、数日来のこの議論が全く同じ
論調で繰り返された。李鴻章も頑なだが、伊藤博文もまさに執拗なまでに追求する。
そして伊藤の厳しい追及に、遂に居留民殺害の件で李鴻章は、
李 「・・・・・事実を調査して証拠を得なければならないアル! もしその後に清兵の中に大罪を
犯した者があるとしたら必ず刑に処するアル! 必ず公平に処して容赦しないアル!!」
伊藤 「その意を了解した。それでは閣下は今言ったこと文書にして本大臣に与えられようか」
李 「もとより妨げはないアル! 公文を提出してその中に、この件の調査を遂げた後は我が兵の中に
犯人がいたなら必ず軍律に従って処分するとの意を表明するアル!」
84 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 00:47:57 ID:Sd/HXysv
(続き)
これで居留民殺害の件は解決に向けての公文を得ることで一応落着。次に清将の責任を問うて処罰する件。
しかしこの事では李鴻章は竹添公使の処罰も求めて譲らなかった。
伊藤 「貴国将官の処罰の件については既に互いに議論をし尽くしたが、閣下がこちらの請求を容れないなら
協議は終わらないことになろう」
李 「双方で譲らぬ理由がある以上、妥結する望みはないアル!」
しかし伊藤は事件詳細の経緯を述べながら数日来の議論を繰り返し、やがて朝鮮で調査をしたという
呉大澂大臣に対する追及は鋭く、ほとんど取調べのような様相を呈した。
たまらず、陪席の続昌大臣が口を挟む。
続昌 「第一回目の会議の時に閣下は、両国の和好を重んじて善後の策を図ると述べられたアル。
その閣下の将来を深く憂慮される姿に本大臣は末席にあって閣下の高論と共に尊敬の念を抱くこと切アル。
ただ、ここで既に済んだことについては、閣下には瑣末の事に拘られずに大局を考慮されることを願うアル。
済んだ事よりも将来のことを協議されたい。先日来、井上伯も朝鮮でやはり将来の方を重んじられた。
閣下にも井上伯同様にされることを願うアル」
伊藤 「口を慎まれよ! これらのことは陪席の閣下らが口を挟むことではない! 李中堂閣下の言なら
心を開いて静かに聴こう。さあ、呉大臣に何度も尋ねる! 最初に日本将官が朝鮮兵を指揮して
清兵に発砲させたというなら、その証拠を出せ!」
- 306 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/07/22(火) 09:33:30 ID:BejobB5g
- 85 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 00:49:49 ID:Sd/HXysv
(続き)
李 「本大臣に代わって一言申したのである。閣下には少しく寛容に聞かれたいアル。この件は既往に
属することなので、双方のためを考えるなら問題とせずに、棄却する方がよいアル。たとえ棄却したために
閣下に責任が生じても、閣下は国家を担う人であり、それに堪えられると信じるアル」
伊藤 「かく議論して妥結に至らないとは、本大臣はまことに残念に堪えない。この件は我が国にとって
重大事件である。このまま棄却することは出来ない。どのように力を尽くしても協議を重ねて両国間の
和好を保つ道を講じねばならない」
と、ここで伊藤は最後の手段として、第三国に依頼して裁定をしてもらうことを提案した。つまりは奥の手である。
伊藤「本大臣は止むを得ずこれを他国の仲裁に託し、双方でその裁判に服すべき外ないと信じる」
これには李鴻章も面食らい、
李 「はあ? 第三国に頼むアルか? つまりは仲裁する者が再び事件を調査することになるアル。
そして双方の証拠の矛盾を明らかにするなどせねばならないアル。はたして事実の調査が満足に出来ようか。
本大臣は出来ないことを恐れるアルよ」
伊藤 「仲裁は容易な事ではない。しかし他に道があるか。もし別の道があるを閣下が知るなら教えを請おう。
惜しむなかれ」
李 「仲裁はヨーロッパの一国に依頼するアルか?」
86 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 00:51:05 ID:Sd/HXysv
(続き)
伊藤 「国と国との問題なので、仲裁者も一国のトップでなければならない。東洋諸国で出来る者はいない。
ヨーロッパ諸国では公平に欠くおそれがあるかもしれない。よってこの事を依頼するのは米国合衆国の
大統領あるのみ」
李 「それは無理あるよ。米国の大統領が自ら朝鮮に行って調査は出来ないアル」
伊藤 「そんなことは当たり前である。大統領は双方が提供する証拠に基き審理を経て裁決を下すのみ」
李 「欧州外交の歴史を読むと、仲裁で満足な判決があったのは多くないアルよ。それに米国などに
頼むような重要事件ではないアルよ。貴我両国の面目にかかわるアルよ。まあ同意すべきかもしれない
けれども、こんな大事でないことで仲裁を仰ぐのは恥ずかしいアルよ。この件は両国の一時の行き違いに
過ぎないアルよ」
李鴻章、大いに尻込みw
伊藤 「他に方法があるなら、両国間で妥結することはもとより本大臣が最も願うことである」
李 「両国兵の衝突は双方の行き違いによるアル。なるべく込み入った事を論じることなく妥結するのがよいアル」
伊藤 「居留民被害のことは既に閣下の説明を承諾した。しかしこの件については閣下の確かな返答を望む。
閣下が他国に仲裁を依頼するのを良しとしないなら、どうにか妥結する方法を示すことが閣下の義務と信じるが」
- 307 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/07/22(火) 09:36:23 ID:BejobB5g
- 87 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 00:52:34 ID:Sd/HXysv
(続き)
李 「閣下が竹添公使を罰することを約束するなら、本大臣も我が将官を罰することを約束するアル」
伊藤 「本官は決して厳罰を求めているわけではない。貴国の法律に照らしての処分を求めている」
李 「閣下が将官の処罰を求めるなら本大臣も竹添公使の処罰を求めざるを得ない。だからこそこの件は
棄却したほうがよいと言うアル」
伊藤 「重大な件であり棄却は出来ない。それで妥結する望みがないので他国の仲裁を望んだのである。
もとより仲裁者の裁定の結果がどのようなものであろうと我が方はそれを受け入れる」
李 「この事件は我が政府と我が委員、また本大臣も朝鮮人も、皆が我が方が正しいと見ている。
よって他人の仲裁は必要ないアル」
伊藤 「こちらはこちらが正しいと思い、そちらはそちらが正しいと思う。それならば第三者の仲裁に依ってしか
裁くことは出来まい。我が皇帝陛下はこの案件のことを本大臣に託された。よって本大臣が仲裁者の前で
自ら理があることを話すことを満足されることは確かである」
李 「本大臣はこの件を他国の仲裁に依頼する権はもたないアル」
伊藤 「それならば閣下はこの件をどのように妥結されるのか!」
李 「閣下は我が提出の証拠を悉く取るに足りないと拒否したアル。どうしてこの件の協議妥結ができようか」
伊藤 「だから仲裁の道しかないと言っている!」
88 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 00:55:08 ID:Sd/HXysv
(続き)
李 「この件を仲裁する他国の首領が千里の外にあってどうしてこの事実を調査して裁定できようか」
伊藤 「この件よりもまだ複雑困難な事件であっても適当なる裁定を下した例は少なくない」
榎本公使 「先年、横浜に来たペルー商船の中に清国人の奴隷がいて、ひどい酷使を受けているのを
我が地方官に訴え出たことがある。それで地方官は直ぐにそれらを解放させた。後にペルー国と
我が国との間で紛争となったが、協議妥結しないことを察して、これを露国皇帝陛下に仲裁を依頼した。
露帝は双方の言い分を詳細に考査して公平な裁定を下したことがある。知ってるだろ?」
李 「この件は他国の仲裁を仰いでも双方満足することはないアルよ」
伊藤 「仲裁を依頼した以上、判決でこちらが悪いとされても、我が国は甘受する。普通の裁判に
於ても原告被告双方が満足するものなどないの当たり前である」
その後、呉大澂と李鴻章が口をそろえて仲裁に反対し、そもそもこちらの朝鮮国王の書簡などの
証拠を認めないのが悪い、などと愚痴ともつかない言葉を並べ立てた。
伊藤 「だから!それらを証拠として仲裁者に出せばよいではないか!」
李 「本大臣は仲裁を依頼する権がないアル!」
伊藤 「それならば仲裁を依頼する全権を有するよう、よろしく貴国皇帝陛下に伺いを出せばよい。
本大臣は今月20日まで滞在するだろう」
- 308 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/07/22(火) 09:38:49 ID:BejobB5g
- 89 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 01:05:19 ID:Sd/HXysv
(続き)
李 「我が皇帝陛下は本大臣に対して、特に諭され、必ず我が国の将官に罪が帰することがないよう命じられた!
それに違うことは出来ないアル!」
伊藤 「それなら閣下は何もかも承知されないというのか!」
李 「はあーっ、実に本大臣は困難な地位にあるアル」
伊藤 「地位が困難なのは本大臣も違わない」
李 「今回のことは両国にとって意外な出来事であって、実にその不幸を嘆かねばらないアルよ」
伊藤 「本大臣も全く同感である。しかし事が起きた以上は終局することに力を尽くさざるを得ない」
李 「双方で譲らないならどうしてそれができようか」
伊藤 「だから仲裁以外によい方法が思い浮かぶなら言おう。しかし不幸にもこの方法しかない!」
李 「本大臣は他国の仲裁を求めないアル。なぜなら我が皇帝陛下は我が国の将官が正しいとされて
いるからである」
伊藤 「我が皇帝陛下も同じである。すなわち両国皇帝陛下はそれぞれで正しいとされてある」
李 「はあーっ、実に困難である。ところで、すでに整った件は調印すればよいアルか」
91 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 01:08:50 ID:Sd/HXysv
(続き)
伊藤 「もちろん」
李 「この件以外に他に要求はあるアルか?」
伊藤 「他は既に妥結した。残るはこの件のみ」
そして李鴻章は終に意を翻す。
李 「我が将官は全員が本大臣に隷属しており、皇帝陛下の勅命を必要としないアル。よって本大臣が
将官の行為を譴責するということではどうか。これでもまだ閣下の意にかなわないか」
伊藤 「閣下が直接に譴責されると言われるか! それならば閣下は公然たる公文を以って照会が
出来られるか!」
李 「然り。閣下に公然たる照会文を送り、我が将官を譴責することを約束しよう。これは閣下に
対して友情を尽くして尊敬を表するからアル」
耳を疑うようなことなので伊藤は再び尋ねた。
伊藤 「それならば公然と照会文を出されるか!」
李 「然り。閣下の望みに応じるアル。そもそも本大臣が仲裁を拒むのは、この件で我が方が間違っていると
思うからではないアル。貴国と妥結することを望むからアル」
- 309 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/07/22(火) 09:43:08 ID:BejobB5g
- 92 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 01:11:03 ID:Sd/HXysv
(続き)
米国の仲裁となると、清国将兵の方に非があるとの裁定が出る可能性は極めて大であった。
なにせ当時在朝鮮米国公使フートは、袁世凱が兵を率いて王宮に行くと話した時に、「それでは大事と
なるかもしれないから兵を率いるのはよくない」と忠告をしていたのを袁世凱は無視したのであるから。
それを知っている李鴻章としてはここで譲歩するしか道はない。
伊藤 「貴国将官を譴責するのにどのような方法をするのか。それを聞きたい」
李 「公文書に、我が将兵が細心の注意を払わなかったという一文を載せるアル」
伊藤 「閣下はその将兵を朝鮮から召還されようか」
李 「袁世凱もその1人であるが、既に譴責して免職したアル。閣下はこのことを貴政府に報告されたらよいアル。
ここのところ李鴻章が言っているのが本当かどうかはよく分からない。大いに怪しい。この後五ヵ月後には
袁世凱が大院君を伴って朝鮮に帰任することになるのだから。
ま、そのようなことは分かるべくもない伊藤は、ないことにされようとしていた居留民暴虐事件を、
調査して犯罪の清兵を罰するとの公文を得、また竹添公使にこそ非があると言い通していたのを、
日本兵を攻撃した清将の行為を李鴻章が自ら厳しく咎めることをこれまた公文に書くというのだから、
伊藤としてはそれで妥結さぜるを得ない。中国政府が、それらの譴責するだの調査して罰するだのを
決して実行することはないとしても。
93 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 01:13:38 ID:Sd/HXysv
(続き)
教訓
中国は虚言を弄しても有利な条約を作る時がある。
もっとも、朝鮮は条約を守らない時がある、だが。
これによって天津談判は終結した。
で、天津条約の要点をまとめると、
・ 日中両国は4ヶ月以内に撤兵する。よって両国で事件となることを避ける。
・ 両国は、朝鮮国王に勧めて兵を教練して自ら治安を守らせるようにする。
・ もし将来に重大の事件があって日中両国が派兵する時は、先に互いに通知する。事件平定の後は
直ちに撤兵する。
照会 李鴻章から伊藤博文へ
・ 朝鮮での事件における中日の兵の争闘は、中国の兵が止むを得ずして争闘したのであるが、
細心に事を進めなかったからであり、本大臣はまさに戒飭すべし。また日本人居留民本多収之輔の
妻らの供述にある、中国兵が家に入って掠奪殺人をしたとのことについては中国はまだ証拠を持たない。
よって調査してもし中国兵が日本人民を掠奪殺害した証拠があれば、軍法に照らして処罰するべし。
このためこの一文を以って貴大使に照会して確認する。
しかし、照会文とは、米朝条約のことで照会文に朝鮮が属国であることを書いていると李鴻章が話した時に、
伊藤は、「照会文は約束の効果はない。まさに約束の効果があるのは条約文のみである」と言った
それであることは、まことに皮肉なことであった。
- 310 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/07/22(火) 09:45:59 ID:BejobB5g
- 94 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 01:16:48 ID:Sd/HXysv
(続き)
しかしこれ以上を求めるのは到底無理でしょう。賠償問題にまで到達できなかったが、よくもまあ
李鴻章に対してこれだけ認めさせたものである。
もっとも、朝鮮からの恒久撤兵の要求は通らず、再度の派兵を認めたという点において、ついに
ここに日清戦争の端は開かれたり、と言える。
4月18日調印終わり、19日に伊藤大使一行は帰国の途に就いた。
ところが日本ではその19日に、とんでもない記事を書いた新聞の号外が東京で撒き散らされた。
東京日日新聞「17日、天津からの電報によれば、清国政府は我が方の要求に応じた。明日調印
されるだろう。18日、天津からの電報によれば、明日大使一行は帰国の途に就くだろう。聞くところによれば、
『日清両国は4ヶ月以内に撤兵する』『京城の変での清将校を李鴻章が厳責する』
『暴動の際に日本人が蒙った損害を償う。額はまだ未詳』の三ヶ条なり」
外務省官吏「おうい、この号外記事違うんじゃないの」
外務省検閲官「ああ、これね。特に、清国が賠償に応じた、なんて出鱈目書いてるやつでしょ」
官吏 「やっぱりそうだろう」
検閲官「ん? 昨日検閲して新聞社に訂正を命じていたはずだけど・・・・これどうして手に入れたの?」
官吏 「さっき外で配ってるやつ持ってきたのさ」
検閲官「ええーっ!! 配ってるって!! 大変だあ!!」
東京日日新聞は訂正命令に従わずそのまま東京中に撒き散らしたらしい。
95 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 01:18:58 ID:Sd/HXysv
(続き)
李鴻章も呉大澂も新聞は出鱈目を書くと憤慨し、また日本の新聞もひどい言ったのを、榎本武揚が
「中国ほどじゃないよ」と言い返したばかりである。
榎本武揚「そんなことがあったの? 日本の新聞もひどいもんだなあ」
公使館員 「北京政府が賠償に応じたと皆を思いっきり喜ばせておいて、一気に落胆させたような
もんですからねえ。おかげで賠償が取れなかったのは伊藤大使の不手際だと責める者が出てくる始末で」
榎本武揚「新聞条例で検閲に掛からなかったのかい?」
公使館員 「なんでも編集人は、訂正のことを命じられた時は印刷が済んでいて、それを配達係りが勝手に
配っちゃったと言い訳しているらしいですよ」
榎本武揚「だいたい何という新聞社だよそれ」
公使館員「東京日日新聞です」
なせがここで筆者「それ、明治5年発刊で、後々毎日新聞と称するようになります」
榎本武揚「あそう。君のいる時代もあるのこれ」
なぜか筆者「ええ、日本の4大新聞の一つと言われるようになります」
榎本武揚「へー、こんなのがねえ。日本の新聞を代表するねえ。どんな評判なの?」
なぜか筆者「えーえーそれがそのー、変態新聞などと言われるようになりまして・・・」
榎本武揚「何それ? どういう意味?」
名瀬が筆者「そのー、閣下らの時代の人にはちょっと想像できないことでしてー(汗)」
榎本武揚「ふーん。ま、しっかり頼むよ。日本の将来を。こちらはこの時代で全力を尽くして頑張るからさ」
なぜか筆者「・・・・・(これに応える言葉を知らず)」
(つづく)
- 311 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/08/09(土) 07:35:51 ID:AzBHk8yM
- 103 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/08/02(土) 23:09:31 ID:AauWJmEA
併合前の日朝(続き)
さて、伊藤は帰国して復命し、これで事変処理のことは終結した。しかし当然国民はこれでは納まらず
清国への憎しみを増し、支那党の朝鮮人をいよいよ侮蔑するに至った。
一方、日本に逃げてきた金玉均らは維新の志士と見做されて援助を願い出る者が続出した。
もっとも中には、もう支那・朝鮮とは関わらない方がよい、と説く者もいた。
朝鮮人「ふう、宗主国さ・・清国との談判は終わったニカ。長かったニダ。ウリの出番がなくて
退屈だったニダ。イルボンは反省するニダ」
日本人「・・・もう、おはんらとは遊んじゃらん」
実際、事変に関する一連の出来事での朝鮮の対応は実に陰険なものに映り、日本政府も
朝鮮に対して大なる不快感を抱いた。
井上 「はぁーっ 朝鮮国王はそんな公文を清国に提出していたのか」
伊藤 「まるで日本が朴金ら乱党と示し合わせて国王を拘束していたかのようなもの言いじゃった」
西郷従「すでに井上さんが事変の黒幕だったっちゅう噂が立っとりもすぞw」
井上「何じゃいそりゃ。しかし明治15年のあん時に国王が求めた護衛の用兵の約束は何じゃったのかのう」
104 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/08/02(土) 23:10:44 ID:AauWJmEA
(続き)
伊藤 「高宗の舌は何枚あるか分からん」
井上 「あれは弱虫じゃー。優柔不断すぐるお。今度初めて会うたがあの年であれじゃのう」
大山陸軍卿「もう、兵は貸さん。朝鮮人に利用されるのはもうまっぴらでごんす」
井上 「しかし護衛を頼まれたら条約国の友誼上しかたないお。しかし国王との約束ということは
もう破棄するお」
伊藤 「3月に福沢諭吉が新聞で『亜細亜東方の悪友とは謝絶する』と言うたらしいが、
俺もそういう気分じゃ」
井上 「それが出来りゃあこんな楽なことはないお。もう朝鮮を独立国にするとかどうでもいい気分だお」
山縣 「そういうわけにはいかんっちゃ。日本は朝鮮とは独立国として条約を結んだんじゃから。
条約上の義というものがあるっちゃ。それに今度のことで英国が朝鮮の巨文島を
占拠しやがったからロシアが対抗して別の島を占拠するとか言っとる」
井上 「朝鮮政府は既に3月にはロシア政府に接近しとったらしい」
伊藤 「英国が動いたのはそれがあったからだろう」
- 312 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/08/09(土) 07:38:52 ID:AzBHk8yM
- 105 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/08/02(土) 23:11:56 ID:AauWJmEA
(続き)
三條太政大臣 「いずれにしろ、朝鮮のことはある程度清国に任せるしかないでごじゃる。
露国の進出を防ぐためにも清国にいくらかは朝鮮の内政に干渉させるよう、こちらから
働きかけをすることがいるでおじゃるよ」
とまあそういうことで、日本は朝鮮に求められない限りは支援することはなるべく止め、
専ら清国の指導に任せることとしたが、その後、朝鮮が露国と秘密協定を結んだとの情報が入り、
俄かに色めきたった。
かつて清国は、朝鮮の主敵は露国であり、朝鮮は中米日と連携してこれに当たるべし、
という朝鮮策略なるものを示したと言われているが、そんなもの朝鮮人の頭には端からない。
何しろ事変後に、
朝鮮大臣 「このまま清日の兵がいたらまた衝突するに違いないニダ!」
大臣 「何とか、するニダ!」
大臣 「ピコーン☆! そうニダ! そん時はロシアに保護を依頼するニダ!」
大臣たち「ニダ!!それがいいニダ! これを決議するニダ!」
というような連中なのだから。
106 名前:マンセー名無しさん[] 投稿日:2008/08/02(土) 23:13:04 ID:AauWJmEA
(続き)
井上 「やれやれ、自ら奴隷のくびきを求めに行ったか。何と阿呆な連中じゃのー」
三條太政大臣「これは容易ならんことですぞ。朝鮮がロシアを引き込むようなことがあったら、
露国の脅威だけでなく、西欧諸外国も次々と干渉してきて終にはこの極東地域が戦乱の地とも
なりかねないでおじゃるぞ」
井上 「清国政府に強く注意せねばならんところです。直ぐに在日清国公使と会談しましょう」
で6月15日、、井上馨外務卿が在日清国公使徐承祖と会談した。
(つづく)
- 313 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/08/23(土) 14:45:00 ID:SS5a88ao
- 112 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/08/09(土) 23:48:22 ID:wegzIOJH
併合前の日朝(続き)
ところで、4月にちょっとした事件が朝鮮で起きている。で、そちらを先に。
舞台は朝鮮京城の南山にある日本護衛兵営。4月18日早朝、兵営入り口で歩哨に立つ
田川徳二郎二等兵(当時23才)は、あたりが漸く明け白む頃、兵営の周囲を見回って裏に出た。
すると誰もいないはずの歩哨小屋の中に人が潜んでいるのを認めた。
田川 「誰か!?」
眼を凝らしてみると1人の屈強な体格の支那人が佇んでいる。
田川 「そこで何をしている!」
田川二等兵は、そこを出て行くようにと手まねで示した。
しかし、支那人はそれをまるで無視して動こうとしない。
田川 「ふざけた奴だ!」
当時、朝鮮における支那人支那兵の、日本人に対する態度には倣岸なものがあった。
時に大国意識を露わにして日本人を見下げることがあった。
田川 「ほら、ここに居てはならん。出て行かないか!」
しかし言葉は通じない。田川は警告の声を上げて他の歩哨兵に知らせた。
113 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/08/09(土) 23:49:07 ID:wegzIOJH
(続き)
で、男の腕を取って引き出そうとした。
しかしその支那人は腕を掴まれた途端、猛烈に怒りだし、田川二等兵の軍帽ごと髪をつかみ、
胸倉をつかんで怒鳴った。
田川も男の腕を抱え込んで胸倉をつかみ返し揉み合いとなる。しかし支那人は自分より
屈強であり押し倒されそうになる。その時、警告の声を聞いてもう1人の歩哨兵が駆けつけた。
歩哨兵「どうした!!なんだこいつは!」
歩哨兵は田川に助勢し、共に歩哨小屋から支那人を外に突き落とした。しかし支那人は
それで逃げるどころか、ますます怒って田川二等兵に拳で殴りかかろうとした。田川は威嚇のために
銃剣を抜いた。しかし支那人はそれでも向かってくるので銃剣を突き出した。
支那人はすばやく身を翻した。しかし確かに手ごたえがあり、支那人は腰のあたりを手で
押さえながら、ついに走り去った。
その後、男は、袁世凱に代わって赴任した清国駐在官陳樹棠の従者である孫田という者であることが
判明した。しかしなぜ日本兵営内に潜んでいたかは不明。密偵だったのかも。
日本公使館員「・・・というわけでして、どうやらこの男は負傷した模様です」」
近藤代理公使「うーむ、それはいかん。直ぐに医官をやったがよい」
- 314 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/08/23(土) 14:47:34 ID:SS5a88ao
- 114 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/08/09(土) 23:50:10 ID:wegzIOJH
(続き)
よって日本軍医が赴き治療に当たったが、そのかいなく同夜ついに死亡した。
当然、清国政府はこれを問題とした。孫田が死ぬ前に話したという供述書も提出したが、
それには、知り合いの朝鮮人の家から帰る途中に日本兵から襲われて刺された、とあった。
日本政府は軍部に命じて調査を開始させ、その後軍部は6月になって銃剣で刺した陸軍
二等歩兵田川徳二郎を軍法会議に起訴した。
日本側は清国側に配慮し、一切の調書と裁判記録をわざわざ漢訳して提出。
熊本鎮台歩兵少佐ら4人が審判に当たった。
判士長 「判決を申し渡す。被告二等歩兵田川徳二郎は有罪」
傍聴席 「なんでだよー! 正当防衛じゃんか」
傍聴席 「当然アル!」
傍聴席 「死刑ニカ?」
判士長 「静粛に! 被害者孫田はなんら武器を所持しておらず、また被告は歩哨でありながら
銃剣を使用するのは適当でなく、正当防衛には当たらない。よって殺人罪に相当する。
計画性はなく、故意でもなく、過失とも認められない。殴闘による致死に当たり、重懲役が適当であるが、
当時の状況に情状酌量すべきものがあるので減刑し、刑法第67条に照らして軽懲役6年に処す。以上」
115 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/08/09(土) 23:52:33 ID:wegzIOJH
(続き)
陳樹棠 「アイヤー。人の命を奪っておいて懲役6年はないアルよ! 我が国では人を殺せば命で償うアル!」
近藤代理「・・・・(お前が言うなよ!)」
公使館員「・・・・(お前が言うな!)」
朝鮮人 「・・・・(ニダ!)」
陳樹棠は抗議したが、近藤代理公使は、
「条約に基づき国内法に照らした処罰である。死に至った孫田氏も不幸であったが、任務に忠実で
あったからこそこのような罰を受けるに至った被告もまた気の毒なことと思う」
と答えた。
公使館員 「大勢の日本人を殺しておきながら謝罪もしない支那人が何言ってやがる!」
朝鮮人 「イルボンは公正ニダよ」
李鴻章も判決を見て小事として扱い、それ以上は問題にしなかった。
事変の時に清兵が日本人を殺害したことに対する清国政府の態度と、今度の日本政府の
あまりに違う対応は、当時の日清両国の姿を象徴する出来事であった。
- 315 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/08/23(土) 14:50:47 ID:SS5a88ao
- 116 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/08/09(土) 23:55:03 ID:wegzIOJH
(続き)
さて、花房公使時代から代理公使といえば近藤真鋤。書記官時代から朝鮮政府の者もよく親しんだ。
とりわけ、金宏集、金允植、魚允中の三履と言われる人は。
「履」とは、雨天の日に泥道を歩く時にはく木製の履物のこと。雨天の時には必要だが、
晴天となって道が乾けば必要なくなり、必要だった時のことは一切忘れられて顧みなくなるもの。
それを三人に例えてそう言われたのである。事変処理などの重要な公務に奔走したのは主にこの3人だが、
それが済めば政府内では隅っこに追いやられる人たちであった。
彼等は明らかな支那党でもなく、また日本党でもなかった。敢て言えば朝鮮党。
そして井上馨外務卿が期待したのがこの3人だった。日本国民の間では日本に亡命した
金玉均や朴泳孝が人気だったけれども。
公使館員「公使、金允植氏が来てますけど」
近藤公使「あ、待ってたよ。直ぐに会おう」
金允植 「近藤さん、来たニダ」
近藤「早速尋ねたいことがある」
金 「露国のことニカ?」
近藤「それそれ、いったいどうなってんの」
金 「はぁー、困ったことニダ。王様はすでに金繻ウという者を密使として露国に派遣されたニダ」
117 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/08/09(土) 23:56:48 ID:wegzIOJH
(続き)
近藤「そのことはすでに知っているよ。ウラジオストックの地方官と会談して返事の密書を
既に得ているとか」
金 「くれぐれもウリが言ったことは内密に願うニダ。その密書を直接には読んでないが、
調べたところ、露国政府が言うには、『日清天津条約に、両国が朝鮮から撤兵し、また
将来朝鮮に事があった時に日清両国が派兵する時は互いに先ず通知をする、とあるなら、
我が露国も日清と同じく貴国と隣国なので日清と同様の権利を有する。日清条約が批准した後は
我が国からも早速日清両政府にそのことを申し入れる』などと書いてあったらしいニダ」
近藤「 !! 金繻ウという者を密使として露国に派遣したのは朝鮮政府の意向かね」
金 「そうではないニダ。王様の独断ニダ。このことは誰にも知らされていないニダ。」
近藤「王様の独断ねえ・・・。失礼ながら王様はそういう政治が出来る人だろうか。おそらくは王妃、
つまりは閔族の意向じゃないの?」
金 「そ、そこまではウリは言えないニダ。とにかくウリたちも全く知らなかったニダ」
近藤「でも、天津条約が決まる前には、政府では露国の保護を求めることを決議していたじゃん」
金 「そ、それは天津条約前には日清両国の兵が争闘するおそれがあったからニダ。もう
その心配はなくなったニダ」
- 316 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/08/23(土) 14:52:48 ID:SS5a88ao
- 118 名前:マンセー名無しさん[] 投稿日:2008/08/10(日) 00:08:36 ID:xSMrBSvr
(続き)
近藤「だったらいよいよ今更密使を送る必要ないでしょ。その露国の返事は容易ならんことだよ。
ついには朝鮮だけではなく東アジアが戦乱の地となるかもしれない重大事だよ!」
金 「ウリもよくよく考えたらこれは一大事と思って貴殿に打ち明けたニダ(汗)」
国王側としては、かつて日本政府に国王護衛の依頼をした時ぐらいの気分で密使を送ったところが、
露国政府が日清両国に公然と天津条約と同等の権利を主張することになるかもしれない事態にまで
なるとは思いもよらないことだったらしい。
朝鮮人、ロシアをなめすぎw
で、近藤代理公使がそれらの報告を日本に送り、それを井上外務卿が読んだのは、在日
清国公使と会談する前日であった。
6月15日、井上は清国公使徐承祖を官邸に招いた。この人は少々鈍くて茫洋とした人柄。
井上 「昨日朝鮮から報告があったが、まったく朝鮮国は君臣共にその政治は小児のする類であるお!
この報告を見られよ!」
井上はもう半ば怒りモードw
(つづく)
- 317 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/09/01(月) 10:31:54 ID:feDcMgBI
- 125 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/01(月) 01:18:55 ID:xOUmgtLX
併合前の日朝
徐 「この前、来日したモルレンドルフからも密使のことは聞いたアル。それで李中堂にも報告したアル」
井上 「今アジアは英国と露国の覇権争いで緊張状態にあるお。それを朝鮮の外交のまずさから
混乱を惹き起こすなら、日清両国にとっても重大な障害となるお」
徐 「まことに憂慮するアル。なにしろ朝鮮の一番憂うべきことは、まず人材がいないことアル。
その上財源もないアル」
井上 「王宮修復の費用わずか4万円ばかりの金がなくて、またも売官をして集めたと聞く。
かえって屑を増やすばっかりだお」
徐 「呉大澂氏が京城に大学校を設置することを提案したアルが・・・・」
井上 「とにかく、我が国は好んで朝鮮に干渉するわけではないが、いくらかは朝鮮国王の政治を
拘束するなどして外交上に妄動がないようにせねばならんと思うお」
徐 「その通りあるが、朝鮮は国王の独裁ではないアル。王を責めるよりも我が国から有用な人物を選んで
朝鮮国に派遣し、君臣に懇々と説得して自ら改めさせるのがよいアル」
126 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/01(月) 01:20:31 ID:xOUmgtLX
(続き)
井上 「平時ならそれもよかろう。しかし今の情勢からはそれも効果はないお。訳の分からん内官どもが
国王そばにあって好きなように事を進めたり人を讒言したりしている。金宏集はそれで冷遇されて
遠ざけられ、魚允中は位を剥奪されて庶民として放逐され、かろうじて金允植が止まっているが、
これも風前の灯だお。人あって無きに等しく、聞く耳持たぬ者ばかりだお」
徐 「それでも国王は分別ある人と聞くアルが」
井上 「今度実際にあってよく分かったお。今年34、5才の年齢でありながら、あのように
優柔不断であっては、善悪の分別は出来ても決断して進めることはできまい。またどうせ内官どもに
誤らせられるだけだお」
徐 「困ったことアル」
井上 「我が国は海洋の国であり他国と陸続きではないが、貴国は広大な線で露国と隣接している。
インドを手に入れた英国はインド以東の海上の権をますます拡張し、遂に巨文島に軍艦をつなぎ、
一方、露国は南進せんと画策し、元山か釜山に進出する意があるらしい今、遥か欧州にまで連なる
広大な陸続きの土地を有する貴国がこのまま何事も無いとお思いか?」
徐 「い、言われてみれば、まことに汗することアル」
- 318 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/09/01(月) 10:39:27 ID:feDcMgBI
- 127 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/01(月) 01:21:55 ID:xOUmgtLX
(続き)
井上 「西洋人の説く万国公法は頼りとするべきではない。西洋人は利を見て義を忘れ、
競って人の物を取るお。その時にこちらから公法を論じても西洋国はただ答えるに腕力を
以ってする。我が国は実にこれに困ったお。よって、朝鮮に対するのも細心の注意が要る。
朝鮮のためになり代わって事を進めるようなことがあっては、予想外の面倒を負担するおそれがあるお。
これらのことは李中堂閣下によくよく説明されて、必ず朝鮮政府に賢明で有能な人選をさせ、
外交のことは一々李中堂閣下に尋ねさせて決裁を請うようにさせることがいるお」
徐 「この近藤氏からの報告書は持ち帰ってよいアルか」
井上 「お持ちになったらよいお」
徐 「漢文に訳して、閣下の御談話の趣旨を添えて李中堂に報告し、返事あり次第速やかに
お知らせするアル。東洋のためにお考えの深きを始めて承ったアル。感服の至りアル。自分は
閣下に師事致したいので今後も万端ご教示を願うアル」
天津条約締結以後、日本政府は朝鮮への方針を若干変更し、専ら直接の援助や助言は控え、
それらのことを清国に肩代わりさせる政策を執った。
この会談の後、井上は北京駐在の榎本公使に指示して同様の意見を李鴻章に説かせた。
128 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/01(月) 01:29:18 ID:xOUmgtLX
(続き)
井上 「(書簡) そんなわけで、巨文島占拠は英露の対立から生じた問題だが、英国は
一時占拠するだけだと言っている。しかし、その一時という言葉が曲者で、実はテンポラリー
オキュペーション(temporary occupation)とは99年間までを指すらしい。英国と朝鮮間の問題であるが、
我が国にも清国にも重大な影響があることを李中堂に説明されたい。
我が国から英国に働きかけるのは今は得策ではない。ここは清国から直接英国に折衝させるのが
よいだろう。いずれは機会を見て我が政府からも英国政府に対して公然となく巨文島からの退去を
促す積りである」
井上はこう述べて、李鴻章に対する提案8ヵ条を送付した。
1 朝鮮に対する政策は最も内密にして、これを李鴻章氏と本官とで協議し、李鴻章氏が施行すること。
2 朝鮮国王に今のような政務をさせず、内官の特権を剥奪して国王の政務から離すこと。
3 国内で第一の人物を選んで政務を委任させ、この進退にも国王は必ず李鴻章氏の承諾を得るように
させること。
4 その人物は、金宏集、金允植、魚允中のような人であること。
5 出来るだけ速やかにモルレンドルフ氏を退け、米国人に代わらせること。
6 駐在の陳樹棠は篤学の人であるが力量が足りない。他の有力者と代わらせるべきである。
- 319 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/09/01(月) 10:44:22 ID:feDcMgBI
- 129 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/01(月) 01:32:12 ID:xOUmgtLX
(続き)
7 その後任の駐在官と米国人は李鴻章氏が充分に訓令を与え、その後に日本に送って本官に
面会させること。
8 後任の駐在官は京城駐在の我が国の公使と深く交わり、諸事協議して事を進めること。
以上は、全くアジア州全体への侵略を防がんとする一点から出たことであって、朝鮮内政に
干渉することを主とするものではない。以上。
榎本 「(書簡)いっそのこと、朝鮮を日清合同の保護下に置いてはどうですか?」
井上 「(書簡)我が国は朝鮮を独立国と認めているお。しかし清国は属邦としているお。
これを両国で公然と保護するとなれば、各国は清国の属国主義を賛成することになるかも
しれないお。それでは我が国の方針が不利となるから出来ないことだお」
実は朝鮮国王に露国と親密になるように勧めたのはモルレンドルフであった。もともとは
清国政府から推薦を受けて朝鮮政府の顧問官として雇われた人であったが、度重なる清国の干渉に
嫌気がさし、むしろ露国に依頼するよう国王に勧めたらしい。実は露国はこの頃まだ、辺境且つ
貧国の朝鮮を併呑することは負担にこそなれ、殆ど利益は無いと見ていた。よって、当時の
露国政府の方針は、朝鮮は独立国且つ中立の立場であればよい、という考えであった。
モルレンドルフの進言はそのことも影響していよう。
もっとも井上は、雇い外国人という者は、所詮、義よりも利を選ぶものである、と言ったが。w
130 名前:マンセー名無しさん[] 投稿日:2008/09/01(月) 01:38:49 ID:xOUmgtLX
(続き)
しかし、この提案8ヵ条。朝鮮に対する政策の提案なのだが、ほとんどその宗主国である清国を
指導するかの如き文言だらけである。まあ、明治の日本というのは、中国に対してこんな直球を
投げることをする政府を擁していたのだと。
(つづく)
- 320 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/09/20(土) 12:30:10 ID:OXKXV5Lc
- 151 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/20(土) 00:09:07 ID:HY+nVnwe
明治18年(1885)7月、北京駐在榎本武揚全権公使は、天津の総督衙門に於いて露韓密約の件で
李鴻章と会談した。もう一つの日清会談と言ってもよい重要な意味を含むものであった。
李鴻章は当時の中国を代表する人物である。一方、榎本武揚は生粋の江戸っ子。李鴻章に
もの言うのにも遠慮会釈ない人であった。
榎本「露韓密約に関する近藤氏の報告はすでにご存知であろう」
李 「うむ。承知しているアル。こちらも調べて分かっていることは、露韓密約のために朝鮮が恐らく
人を露国に派遣しただろう、ということぐらいアル」
榎本「朝鮮駐在の露国公使代理の書記官が言うのに、英国が巨文島から撤退した後は露国は
その10倍の領土を占拠するだろう、と大言したらしい」
李 「そのことは知っているアルよ。そのうえ露国は、日朝両兵が撤退したからこれからは露国が
朝鮮兵訓練の教官を出すと言ったらしいアルね。だからこれを朝鮮政府に問いただしたところ、
韓王と大臣たちは、そのような依頼をしたことはない、と弁解してモルレンドルフを免職したアル」
榎本「ほう。それほんと?」
152 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/20(土) 00:09:46 ID:HY+nVnwe
(続き)
李 「(得意げに)確実アルね。厳しく問いただしたからアルね」
榎本「露韓密約は6ヵ条からなると聞く。李中堂は知っておられよう」
李 「予も6ヵ条と聞いたアルね」
榎本「その内容はご存じか?」
李 「知っているアルよ。第一に、もし金玉均がウラジオストックに来たら、露政府はこれを捕まえて
朝鮮政府に渡すこと。第二に、朝鮮が日本に支払う賠償金13万円を、露政府が日本政府に勧告して
支払いを求めないようにさせること。第三に、他国が朝鮮を侵略しようとしたら露国は朝鮮に派兵して
保護すること」
榎本「うん、こちらが知っているものと合ってる」
李 「朝鮮政府は既に日本政府に賠償金支払いは済んだアルか?」
榎本「いくらかは払ったが、あの通り貧乏国だからまだ完済したとは聞いてない」
李 「(ニヤニヤ)必ず全額を催促して払わせるがよいアルよ。でないと露政府は、我政府の尽力によって
日本政府は支払いを催促しなかった、と朝鮮政府に己の力を誇示しようとして、そんなことを
言い出すだろうアルね」
- 321 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/09/20(土) 12:33:58 ID:OXKXV5Lc
- 153 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/20(土) 00:10:24 ID:HY+nVnwe
(続き)
榎本「ハハハ、朝鮮政府の奴らが、そんなはったり一つで露国になびく姿が眼に見えるような」
李 「国の外交とはそんなものアル。この第三の他国も日本のことを言っているアルよ」
榎本「おいおい日本かよ。中国じゃないのw」
李 「第四に、露国政府は京城に正式に公使を駐在させる。第五に朝鮮周辺の海上は露国海軍が
防衛活動する。第六に、陸路での通商を開く。以上アル」
榎本「だいたい日本政府が把握しているのと同じだね。けど一つだけ、朝鮮政府は露国の士官を雇って
朝鮮兵を教練する、というのが抜けてる」
李 「その話はすでにしたが、密約の中にあるとは今度の朝鮮からの情報にはなかったアルね」
榎本「井上外務卿と他と2ヶ所からの情報があった」
李 「承知したアル。ところで、どう思うアルか? 朝鮮国王には、この密約は全権の委任も無い使節が
結んだものであり、また批准も無いので、露国が実施するように迫っても直ぐに破棄するべきである、
と言っといたアルが、露国が威圧してでも実施を朝鮮王に迫ることがあろうか?」
154 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/20(土) 00:18:48 ID:HY+nVnwe
(続き)
榎本「それがないとは保障できない。使節に全権なく批准もなかったとしても、全く国王が派遣した者で
あることが確かなら、これを理由に迫ることもないとは言えない」
李 「もし露国がこれをするなら我が政府は厳重に抗議するつもりアル!」
榎本「ただ露政府がそれをすれば国による脅迫となる。これは万国公法にも反することになるので、
まさかそこまではしないと思うが」
朝鮮が露国との間で各国と同様の条約を結んだのは明治17年(1884)7月であった。しかし今度の
露韓密約は、露国が軍事的に朝鮮を保護する、つまりは新たな宗主国となることを示唆するかのような
内容をもつものであっただけに、当然、日清両政府はこれを警戒した。
李 「朝鮮を露国の保護下に置くようなことは、朝鮮にとっても不幸になるだけでなく、
我が中国と貴国にとっても不利益となるのは甚大アル!」
榎本「その通り」
李 「ただ貴国は朝鮮を独立国と認めているから、貴国が抗議しても露国は耳を貸さないだろうアルね。
これに反して中国が朝鮮の宗主国たるは天下の共に知るところアル。朝鮮は条約を他国と結んだ時は
必ず我が国に条約文を送って奏問している。しかし今度の密約はそれがなかったアルし、まさに中国は
これを無効のものと見做すと。この中国の抗議には露国は耳を貸さないわけには行かないアルよ」
- 322 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/09/20(土) 12:37:29 ID:OXKXV5Lc
- 155 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/20(土) 00:20:00 ID:HY+nVnwe
(続き)
榎本「だろうね。けど、抗議の論拠を出すのに宗主国の権利を言うなら、おそらく議論がややこしく
なるんじゃないの? なぜなら露国政府は必ず言うはずだよ。朝鮮は独立国であるから
我が皇帝陛下は対等に条約を結んだと。朝鮮政府が中国に条約文を送ろうが送るまいが、
独立自主の国の勝手である、我が国と朝鮮との間の資格のことで、宗主国を自認しても
中国に口を挟む権利はない、とね」
李 「ウーーーン」
榎本「だからそれよりも、朝鮮は隣接した緊要の地であり中国の利害に関するので黙って
許すわけにはいかない、と言う方がよくないか?」
李 「(黙)・・・・・・そういうことならば、日本もまた露国に抗議する権利があるアルね」
榎本「いや日本政府がするかどうか知らんが、やっぱり朝鮮と貴国との関係は、我が国とは違って
重いものがあるのは世間も知るところなんだから、中国がまず主立って抗議せねばならんと思うよ」
李鴻章は黙っていた。日本を列強国からの盾や外援として利用するのが李鴻章の戦略であったし。
榎本「巨文島の件はどうするの?」
156 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/20(土) 00:22:38 ID:HY+nVnwe
(続き)
李 「予は英国領事に退去を要請したアル。しかし英国領事が言うのに、英露両政府で妥結するなら
退去となろうと。それで予が、露国も対抗して英国のように朝鮮のある場所を占拠したらどうするのか、
と言うと、英国領事は、それは英国が関係するところではない、と答えたアルね」
榎本「ほんとに退去すると思う?」
李 「また口実を設けて退去しないだろうアル」
榎本「俺もそう思う。巨文島から海底電線も設置したらしいから」
李 「上海まで電線を敷いたらしいアル。このことで露国公使は貴殿に何か言ったアルか」
榎本「閣下にだけは打ち明けよう。露国公使が言うのに、巨文島占拠では前もって清政府が英国に
許可を出したに違いないと。それで俺が、そんな許可なんぞ出す理由がないじゃん、と言うと、
それなら英国が勝手にしたのだろう、と。で、その口ぶりでは、露国もまた占拠しようとかいう感じでは
なかった。けど、公使館内職員の意見にはそれがあった。
英国の行動は露国の利益に影響するから露国もどこかを占拠してから英国と折衝するべきと。
これ、難問だよ」
李 「まったくそうアル! どうすればいいか、意見を聞きたいアル」
- 323 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/09/20(土) 12:40:48 ID:OXKXV5Lc
- 157 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/20(土) 00:28:51 ID:HY+nVnwe
(続き)
榎本「腕力というか実力というか、それがあれは難しくないが、しかし実力がない以上は、外交の手順を
踏むほかはなかろう。まず朝鮮国王から英露両政府に対して抗議書を送らせねばならない。
それでも退去しないなら、各国に訴えて同情を求めるしかない」
李 「朝鮮政府はすでに各国領事に書を送って、そのことをし始めているアル」
榎本「それは知ってるけど、その書簡って、言葉遣いも体裁も外交上の文書となってないしろものだよ。
それに巨文島のことだけに止まっている。露国が英国の行動に倣うなら、更に重大な事態となる、
という印象を読む相手に持たせるような文書でなくっちゃ」
李 「予の所見では、それでも米国もビスマルクも英国に向って異議を唱えることはないということアル。
もはや貴国と中国あるのみ」
榎本「まあこの事を話すのは他の機会に譲って。だいたいね、朝鮮の内政が問題なのよ。
今のように朝鮮政府内で有能な人材が排除されて内官どもが好きなようにやってるのを許していたら、
必ずその内に内乱が起きて、次には外患が起るだろうよ。朝鮮の内政に干渉するわけではないけど、
これは日清両国の利益にも関係することだあね」
李 「予もそれを思わないではないアルが、中国は昔から朝鮮の内政は不問に付しているアル。
今、中国から、賢人を用いて小人を遠ざけるべし、と命じても、とても今の朝鮮王のような軟弱と
暗愚さなら、結局は周囲に籠絡されて、表では我が言を容れても、裏では決して実行しないだろうアル」
158 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/20(土) 00:30:10 ID:HY+nVnwe
(続き)
李鴻章さすがによく高宗のことを分かっているw。実は明治17年の朝鮮事変すなわち朴金の乱で
国王が朴金らに乗せられて積極的に行動を共にしたことも李鴻章はよく承知していたらしい。
榎本「そういや、大院君を朝鮮に帰すかもしれないと聞いたけど」
李 「朝鮮からそれを願い出ているアル」
榎本「大院君が帰るなら、また朝鮮では紛擾が再燃すると思われないのか」
李 「不快を抱く者もあろうアル。しかしこの人が朝鮮にいたなら、露国に密使を送るようなことは決して
許さなかったろうアル。それよりも、朝鮮に紛擾を再燃させるのは貴国にいる金玉均のような者たちアル。
人心を撹乱するために朝鮮に書を送って流布させているアル」
榎本「ふふふ、まあねえ」
李 「日本政府はなにゆえ金玉均らを朝鮮政府に引き渡さないのか」
榎本「いや、日朝間では犯罪者引渡し協定がないのよ。それに国事犯は文明各国では互いに
引き渡さないことになってるし。これ独立国の権利ね」
李 「朝鮮に引き渡したくないなら中国に渡されたいアル。中国は決してこれを刑にかけず、
ただ幽閉しておくだけアルから」
いやそれって刑の一種だからw
- 324 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/09/20(土) 12:42:46 ID:OXKXV5Lc
- 159 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/20(土) 00:31:23 ID:HY+nVnwe
(続き)
榎本「我が国にいる朝鮮人を貴国に引き渡すいわれはないよ」
李 「それならば、貴国で幽閉して乱の兆候のないように処置されたいアル」
榎本「いやいや、貴国では大臣の判断でそれが出来ようが、我が国に於いてはたとえ皇帝陛下であっても、
無罪の者を幽閉することなど出来ないの」
これ、後の大津事件に於いても適用された考え方。
李 「彼は治安を妨げる者ではないアルか」
榎本「間接的にはそうなんだが、直接に罪名を下すことは出来ないよ。まして捕えて幽閉するなど」
しかし後に大阪事件が起きるなど、治安上問題ありとして国外退去を命ずることになる。
榎本「我が政府は金玉均らが逃れてきて我が国にいるのを許しているが、決して保護しているわけでは
ないよ。朴泳孝らは米国に行ったし、金玉均は今は京都近くにいるが、彼が復活を図っているというのは
閣下の思い過ごしと思うが」
李 「朝鮮人は上下挙げて暗愚アル。金玉均の流言を信じて動揺するのは明らかアル!」
160 名前:マンセー名無しさん[] 投稿日:2008/09/20(土) 00:35:51 ID:HY+nVnwe
(続き)
榎本「やれやれ、それほど閣下が心配するなら、ま、とにかく外務卿にはそれ相当の善処をするように
要請しておこう」
李 「なにぶん頼みいるアル」
榎本「そろそろ時間だが」
李 「明日は答礼にこちらから貴領事館に赴くアル。今日は支那料理を供したい。原敬領事もお伴あるなら
幸甚アル」
榎本「承知した」
朝鮮料理は嫌だけど、支那料理はいいよなあ(筆者独言)
さて翌日は、会談の核心である井上外務卿の朝鮮指導提案について。
(つづく)
- 325 名前:や 投稿日:2008/10/01(水) 23:56:19 ID:SVIWm5ZE
- 併合前の日朝
さて翌日、再び天津総督衙門に於いて榎本武揚と李鴻章は会談を開いた。
榎本「朝鮮京城に居る露国書記官のスベーヤってえ者が、朝鮮政府に迫って、約束した朝鮮兵の教練のことを受け入れないなら、我が国は済州島を占拠すべースキーっとか言ったらしいが」
李 「ふふん、予も英国人からそれを聞いたアルね。しかし済州島は軍艦が停泊出来るような港はないアル。露国がほんとに占拠することはないだろうアル」
榎本「ん。自分もそう思う。おそらく朝鮮政府を恐怖させるための虚喝だろう」
李 「とにかくもし密約などあっても絶対に無効アル! 我が国の承諾が必要なのが清韓旧例の事アル! 露国が朝鮮に進出してくることは我が国のみならず、日本にとっても憂慮すべきことではないアルか?」
榎本 「ないどころか、大ありさ。絶対ぇ、日本近海で揉め事が始まること請け合いだよ」
もし朝鮮が露国の保護下となるなら、アフガン領土を巡って対立している英露間の新たな火種となることは間違いなかった。
英国はすでに朝鮮巨文島を不法占拠している。必ず露国も対抗処置として保護を名目に朝鮮のどこかを占拠してくるだろう。
そうなれば宗主国を自認する清国も派兵などの強硬処置に出るしかない。そうすれば、いよいよ他の列強国が黙って指を
くわえているはずもなく、仏国が独国が伊国が色気を出して、次々に干渉して来るだろう。終には東アジアのこの一帯で大紛擾が
始まるのは避けられないことになる。
当時日本政府が一番憂慮していたことだった。
榎本「この頃、アフガンで露軍が出張って来ていくつかの部族の土地を占領したことがあったよね?」
李 「知っているアル。それで英国も怒っているアルよ」
榎本「ところがさ、その英国新聞がそれを記事にしたんだが、冒頭でこんなことを書いてるのさ。『およそ文明国が、非文明の人を征服するのは神の法則がさせるのであって、文化文明の進歩上において喜ばしいことである』とね」
李 「アイヤー! 人の物を取るのが天の命じることと言うアルか!!」
榎本「それが西洋人の考え方でね。ま、野蛮な習慣を文明で正すというわけよ。考えようによっちゃあ、一理あるけどね」
李 「その文明とは西洋の習慣アルよ! 東洋には東洋の習慣があるアルよ!」
榎本「で、井上外務卿も日本駐在の貴国の徐公使に言ったのよ。『西洋人の説く万国公法(国際法)は頼りとするべきではない。
西洋人は利を見て義を忘れ、競って人の物を取る。その時にこちらから公法を論じても西洋国はただ答えるに腕力を以ってする。
だから公法を唯一のものとして頼ってはならない』っとね」
李 「アイヤー!! 正論アル!正論アル!」
榎本「ま、西洋人が考案した万国公法ってぇのは結局は西洋人のためにあるんであってね。そこで、公法には少し反することになるかもしれんが、
朝鮮の内政にある程度干渉して紛擾となるのを未然に防ぐ必要があるということさ。徐公使からもその報告があったと思うけど?」
李 「あったアル。しかし徐公使の報告は簡単なものだったアル。ここで閣下からもう一度詳しく聞きたいアル」
よって榎本は、井上が書いた朝鮮指導案とその意見書を英語に訳しながら詳しく述べた。日清交際の初め、日清間での談話は筆談が
主であったが、後には英語ですることもあるようになった。ちなみに日清戦争の講和談判は全て英語でなされている。
- 326 名前:や 投稿日:2008/10/01(水) 23:58:34 ID:SVIWm5ZE
- 榎本「どうだったろうか。徐公使の報告は同じだったろうか」
李鴻章は耳を傾けて熱心に聞いていた。
李 「う〜ん。報告は半分も要領を得ないものだったアル。雑なだけでなく自分の意見も交えて書いているアル。もし閣下から聞かなかったら井上外務卿の論旨をよく理解できなかったろう。徐公使は困った人物アルね」
榎本「主旨まで違ってたかね?」
李 「いや、大意は同じだったアル。しかし閣下が読んだような適切なものでなかったアル。やれやれ、彼はよい外交官ではないアルね!」
榎本「そう言われるな。入り組んだ論を間違いなく報告するのは難しいよ。大意が同じならよい。彼は英語も解せるし、前の公使より受けもよい人だよ」
李鴻章はしばらく寡黙になりなかなか口を開かなかった。おそらく、癇癪を静めているに違いなかったw
李 「・・・・・ただ今読まれたものの漢訳文はないアルか?」
榎本「漢文に訳すのは容易じゃないよ。それに文章にして出すものじゃないし・・・ねえ」
李 「貴外務卿がこのように親切丁寧に説かれた論を訳して贈られないのはなぜアルか? そちが漢訳が難しいならこちらで漢訳するが」
榎本「秘すべき文書なので、この種のものは閣下の目前で読んで済ますのが外交上の慣例であるよ。すでにしっかり聞いてたでしょ」
李 「いや、備忘のためアルね。他意はないアル」
李鴻章この時62才。
榎本「だから忘れないうちに書きとめられたらよい。それよりもこの指導案に対する御返事を承りたい」
李 「ごもっともの立案アル。ただ国王に有能な人材を登用させるのは勧告にとどまるアルね」
榎本「この重要な件をただ勧告で終わらすとは解せないことである。どうして強いて従わせないのか?」
李 「朝鮮は我が国の属藩であり国王も予と同等の地位にあるが、我が政府は従来から朝鮮の内政には干渉しない政策を執っているアル。それを干渉して服従させるのは難しいことアルよ」
榎本「はあ? 貴国が朝鮮の内政に干渉しないって? (どの口が言うかよ)信じられんなあ。それが勧告にとどまるなんてねえ。これは俺は絶対に信じられんw」
李 「ふふふふふ」
李鴻章はニヤニヤして黙っていた。榎本はそれで李鴻章の本心は違うことを理解した。
まあ、中国は言っていることと、することが全然違うのがスタンダードだからw
李 「・・・貴外務卿立案の8ヵ条だけでも漢訳したいがどうアルか」
榎本「ほらきた。もちろん承知した」
これで会談は終わり、李鴻章はここでは朝鮮指導の提案に対して返事をしなかった。
後に、漢訳の作業に入り、いくらか文章を訂正。そして李鴻章はその場で、
李「これは大賛成アルよ。実に満足すべき案アルね」
と賛同した。
榎本「でしょ。よかった。井上外務卿も喜ぼう」
榎本は早速それを日本政府に報告した。
ところがその数日後、天津領事館にいた榎本公使が北京に帰る日になって李鴻章がやって来た。
原敬天津領事「李中堂閣下が訪ねて来られてますが」
榎本「ん? 何事だろ。わざわざ見送りに来たのかな。すぐ会おう」
会ってみると、李鴻章の表情が普段と違う。榎本は嫌な予感がした。
榎本「また何か故障でも仰せられることがあると見たが」
李 「ご名答アルね」
李鴻章は、指導案8カ条の漢訳文を取り出して言った。
- 327 名前:や 投稿日:2008/10/02(木) 00:07:20 ID:UOnPUxtw
- 李 「3条と7条のことアル。これは結局は我が政府で人を選んでも、もし井上外務卿と意見が合わないなら実際には行えないアル。また1条にあるように井上外務卿と協議せねばならないとするなら、予は井上君の指揮を仰がねばならない地位となるアル。これでは自分が格下となるも同然アル」
榎本「はあ? 何を言っておられる。そら誤解だよう。だから日本側とよく話し合って相応しい人選をすればいいではないか。指揮を仰ぐとか格下とかいう問題ではなかろう」
李 「とにかく全体の主旨は賛同するが、これだけは出来ないことアル。お断りするアル」
榎本「何とそんな狭い了見でどうするのか。よく考えられよ!」
榎本は言葉を尽して説得したが、李鴻章は決して意思を翻すことはなかった。それで榎
本は仕方なく、前回の報告とは反対のものを送らざるを得なかった。
井上 「これを見られよ。一旦了承しておきながら、やっぱりだめだとさ」
伊藤 「これは北京総署の大臣たちが反対したのだろうか」
井上 「いや、あの連中は李鴻章の言いなりだお。李鴻章を師匠として仰いでいるぐらいだから」
三条 「やはり李鴻章殿が後から考えを変えられたのであろう。まあ、仕方ないでごじゃるよ。それでも井上さんの論旨は充分伝わったようでおじゃるから、巨文島のことも含めて英国と露国に対すべき方途も理解したと思うが」
井上 「しかしこれほど管見の人物とは知らなかったお。ちょっと驚いた」
伊藤 「会って話してみると分かるが、実に猜疑心の深い人でもあるよ。まあ大国のプライドが許さなかったのだろうよ」
三条 「とにかく、今は朝鮮のことは清政府に任せるほかないでおじゃる」
後日、井上外務卿は榎本公使に書簡を送ったが、中で李鴻章のことを次のように述べた。
「貴官御電報の趣に依れば、李氏に於ては全体の利害に暗く、梢々たる体裁曲節に拘泥し、本官が主眼とする亜細亜全州の平和を保持せんと欲する誠意を了解せざるものの如し。今日迄多少の匠意も為に徒為に属し候は実に遺憾と存候」「彼の如き管見を持し疑念を抱き候ては縦令共同事を謀るも到底其良結果を不可期と存候に付、此上は我に於ても朝鮮に対する政略を一変して之を放任して自然の成行を傍観するの外致方無之」
北京公使館員「で、外務卿は何と仰って来たんすか?」
榎本「ようするにさ、李鴻章は体裁にこだわって世の中が見えてなくて、日本がアジア全体の平和を保とうとする誠意で言っているのに、李鴻章のように見識が狭くて猜疑心の深い人間とは日本はもう共にはやってらんない。この上は日本は朝鮮に対する政策を変えて、もう放任して自然の成り行きに任せるしかないってさ」
公使館員「ハハハ、ぼろくそっすねえ」
榎本「うん。井上さんが怒るのも無理ないよなあ。けど、要するに清は宗主国として朝鮮のことは他から口出しされたくないのさ」
ところが李鴻章がこの後に執った政策は、井上外務卿の指導案に沿ったものであり、ただ日本と緊密に協議するという部分だけを外したものであった。
それも、朝鮮との宗属関係を強化することのみに力を注ぎ、国王周辺から内官を排除するだけでなく、国王の首をすげ替えようと画策するなど、およそ乱暴を極めた。
(つづく)
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