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韓国の歴史をものすごくわかりやすく書いてみた

201 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/01/31(木) 20:11:53 ID:pzNe2td.
152 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2007/12/24(月) 00:39:02 ID:XpSIDR9c
(続き)
(馬建常)「先ほどは門番が言葉が通じないことから失礼をしたアル。許されたいアル」
(竹添)「まったく失礼なやつであった」
(馬建常)「拙者が先日から貴館に行った時も門兵が一時遮ったことがあったアル。
それと同じだから立腹いたされるなアル」
(竹添)「貴殿は一時遮ることと、失礼を働いた者とを同じと言われるのか!」
(馬建常)「ア、アイヤー、そ、そうではないアル。よってさっきの門番は相当の懲戒
を申し付けるアル」
 そのやりとりを見ていた金宏集らはすっかり顔色を失って立ちすくみ、とりわけ馬
建常に対して神に仕えるように接していた趙寧夏はオロオロと心配するばかりであった。

 とまあ、こんな調子でヤクザモードの竹添進一郎は、その後は条約談判相手の趙寧
夏をわざわざ自分の隣の席に座らせ、いちいち朝鮮条約案にケチをつけ、あるいは助
言をする金宏集に「おまえはすっこんでろ!」と怒鳴ったりしながら、談判を進めていった。

金允植「何か今までの日本の外交官と全然違うニダ(汗)」
金宏集「紳士だった花房公使が懐かしいニダ(涙)」
浅山顕蔵「(ププププw)」

153 名前:マンセー名無しさん[] 投稿日:2007/12/24(月) 00:40:29 ID:XpSIDR9c
(続き)
 で、途中で趙寧夏が辞任。国王にっこり。談判はスムースに。
 明治16年3月3日に調印なった電信条約の主なものは次の通り。
 ・ 電信施設の地租代は25年間無料。
 ・ 朝鮮政府の電信は5割引
 ・ 朝鮮政府の電信は民間より先に発っする。
 ・ 朝鮮政府による電信の検閲を許す。
 ・ 朝鮮政府は25年間は日朝間の電信線に対抗する他の電信線はひかずひかせず。
 ・ 電信施設への妨害行為は朝鮮政府が法律を作って禁止すること。
など。

公使館員「公使、これ見ると最初の朝鮮案とあまり変りませんねえ。結局こちらが大
分譲歩してますけど」
竹添「そそそそ(苦笑)」
公使館員「案外、見透かされていたんじゃないすか?」
竹添「それはないと思うけど・・・・馬建常ちゃんには悪いことしちゃった(汗)」
 ちょっと悔やんでありのままを政府に報告する竹添進一郎なのでしたー。
(つづく)

202 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/01/31(木) 20:17:16 ID:pzNe2td.
167 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 21:43:02 ID:rW9Qj/Xa
   併合前の日朝(続き)

 ま、竹添としては朝鮮政府との友好も考えざるを得ないし、ヤクザまがいを押し通
して本当に無理な条約を結ばせるわけにもいかなかったろう。それに趙寧夏を辞任さ
せたことは国王が望んでいることだったので一応の成果と。

朝鮮官吏「いい情報を持ってきたニダ」
公使館員「へ? 今度は何?」
朝鮮官吏「清国北洋大臣からの手紙の写しニダ」
公使館員「ほう、李鴻章の手紙ねえ」
朝鮮官吏「お礼は遠慮しないニダ」
公使館員「はいはい」

 この頃朝鮮政府は、出身や貧富を問わず学校に学ぶことを許すという布告を全道に
発したが、それに関するものであった。
竹添「あー、なるほど李鴻章氏が朝鮮政府に勧告したのか」
館員「あ? そんなことでしたか。大した手紙じゃなかったすね」
竹添「いやいや、これで朝鮮も人材登用の門戸を広く開くことになると思うよ」
古参の館員「公使も人がいいっすねえ。なかなかそんなもんじゃないと思いますよ」
竹添「そげんかなあ? けどよくこんな手紙の写しが手に入るねえ」
古参の館員「それはもう、この国は壁に耳あり障子に目ありどころじゃないっす。国
王の手紙ですら使いが封を開けてその手紙を読むぐらいですから」
竹添「何それ!」

168 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 21:43:42 ID:rW9Qj/Xa
(続き)
古参の館員「政府の密議であっても、たとえ国王の密談であっても、必ず誰かがこっ
そり聞いていて、また必ずそいつが周囲に言い触らすんですよ。しかもあることない
こと混ぜて面白おかしい話にして風説として街中に流すんですよねえ」
竹添「ええ!そりゃあひどいのう」
古参の館員「ですからこの国で秘密を保持する事は非常に困難ということです」
 しかし談話の秘密を保つためには筆談という手があった。

館員「公使、また朴泳孝氏が来てますが」
竹添「ああ、米国に米朝条約の批准を求める件だろ」
館員「ええ? あれ批准はまだだったんですか」
竹添「うん。米国がまだ批准してなくて、それを催促しに米国に行くはずが中止とな
ったらしい」

 朴泳孝は部屋に入ってくると黙って書付けを手渡した。
朴 「・・・・・゙」
竹添「そら来た。なにか秘密に関することだろ」
朴 「シーッ!」
竹添「ここでは心配ないのに」
(朴泳孝書き付け)「米国行きが中止になったと言うのは嘘で、実は閔泳翊を全権公使
としてモルレンドルフと共に米国に遣り、ついでに欧州にも立ち寄って各国と条約を結
ぶニダ。中国天津から行くニダが李鴻章にはこのことは話さないニダ」

203 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/01/31(木) 20:20:57 ID:pzNe2td.
169 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 21:45:47 ID:rW9Qj/Xa
(続き)
竹添「あ、やっぱり行くの?」
朴 「シーッ!シーッ!」
竹添「鶏かよw 筆談にするたい」
(朴)「これ、最も秘密のことなり」
(竹添)「米国との条約は、条文上では朝鮮を独立国と見做して書かれたと聞く。
しかして又、照会の別文あってそれには中国属国とあるを聞く。之を如何に処するつもりや」
(朴)「僕漢字苦手也哀乞」
(竹添)「貴殿両班貴族也、何故漢文不出来歟」
朴 「ウリはリアルタイムでは書けんニダよ」
竹添「はあ? 朴ちゃん勉強しなよ!」
朴 「アイゴー!!」
 竹添は朴泳孝が筆談がよく出来ないので詳細の事は分からなかったと報告している。
ハングルを諺文と称し、漢字文こそが正式であるとする両班でも、その場でサラサラ
と漢文が書ける者はそういなかったのかもしれない。下関で宮本小一と筆談した尹雄
烈も筆談は苦手であると言っていた。案外そんなものかも。地方両班で儒家の全?準
もウンウン唸って書いてたしw。で、手紙なんかは漢字とハングル混じりだったりするw
(明治8年の通訳官浦瀬裕と訓導玄昔運の通信にあり)

170 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 21:49:04 ID:rW9Qj/Xa
(続き)
館員「ところで居留区日本人の取締り規則が出来たようですが」
竹添「うん。軍は紀律が厳しいけど、民間がねえ、むちゃする奴もいるから。3月か
らはそんなの即刻強制送還か罰金ね」
館員「そういや、居留区外の遊歩範囲を越えてウロウロする日本人もいますねえ」
竹添「それも4月から罰則がつくたい。トラブルの元だから」
館員「ああ、去年に元山の方で事件になりましたよね」

 事変前の明治15年3月末、元山津居留地の日本人5人(含む僧侶2人)が規定範
囲の4qを遥かに越えた14km先の安辺地方まで出歩いた。
 途中、知り合いの朝鮮人と出会って荷物運搬夫として雇い、着いた先で再び僧侶を
見知る朝鮮人がいたので、馬を雇ってくるよう依頼して休んでいると、大勢の朝鮮人
たちが集りだす。日本人の1人は猟銃を携帯していた。

朝鮮人「ちょっとその銃見せるニダ」
日本人「ああ、いいよ。これはね。こうするの」
朝鮮人「こうニカ?」
ズダーン!!
朝鮮人「的に当ったニダ!当ったニダ!!」
日本人「だろ。これは散弾と言って、小さな弾が沢山飛び出して当たる範囲が広くな
るんだよ」
朝鮮人「こ、これはいいものニダ!」
日本人「うん。鳥とか鹿とか撃つのに適しているんだよ」

204 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/01/31(木) 20:24:34 ID:pzNe2td.
171 名前:マンセー名無しさん[] 投稿日:2007/12/26(水) 21:53:14 ID:rW9Qj/Xa
(続き)
僧侶「もう夕方だからそろそろ引き返しましょうか」
日本人「うん。そうですねえ。けど馬を頼んだのになかなか来ないなあ」
日本人「まあ歩いて帰るしか・・・・しかしちょっと大勢集りすぎでない?」
 群集は2、3百人に膨れ上がっていた。
僧侶「なんか雰囲気怪しいし」
日本人「帰ろ帰ろ」
 日本人一行が帰り始めると、いつものように群集からいきなり石が飛んできた。
後ろを歩く荷物を運んでいた朝鮮人が大勢から引き倒されて殴られている。
日本人「こらーっ!」
 猟銃を空に向けて1発撃つ。群集はそれでひるんだ。それで荷物をまとめて急いで
立ち去ろうとすると10人ぐらいが追い、更に追う者の中から銃声が2発鳴った。
 日本人は2人が逃げおおせたが僧侶1人を含む3人が5、60人に取り囲まれて
一斉に石や棒で殴られて気絶、また僧侶は小刀で刺されて死亡。荷物一切が強奪されていた。
 馬を雇いに行っていた朝鮮人が、結局は馬が見つからなかったことを報せに戻って
倒れている3人を発見し、息を吹き返した1人を背負って役場に届けた。
 朝鮮北部はとりわけ治安が悪く強盗が多かったことで有名。いわゆる匪賊温床の地
やねえ。
 気の毒なのは荷物運搬夫として雇われて負傷した朝鮮人、ということで後に日本人
一行から見舞金として銅貨1千枚が贈られた。
 で、当然元山津領事館が府使に抗議して取締りを依頼。しかし、日本人一行も遊歩
規定を違反していたので強くも言えないことであったが、後に花房公使が事変談判で攘
夷の石碑を撤去させるきっかけとなった事件であった。なお遊歩範囲は4qから20q
となり、更に明治16年9月からは40kmに。
(つづく)

205 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/01/31(木) 20:28:16 ID:pzNe2td.
182 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2007/12/29(土) 21:55:19 ID:sEhmvKmO
   併合前の日朝(続き)
 さて、朝鮮国王は密かに独立の体面を求め、またそれによって独立を志向する開化派
すなわち日本党も勢いを得始めていた。
 日本党の頭である朴泳孝はボロ小屋撤去を口実に支那党から叩かれて広州留守官に
左遷されたが、日本党になった洪英植は外務大臣相当となって金宏集や馬建常と同列
になり、金玉均は外務次官相当となってモルレンドルフと同列になった。また、閔族
の要人である閔泳翊は清国や欧米を廻った時に、モルレンドルフの案内もあってよく
見聞を広げて清国は頼むに足りないことを知り、日本に依頼する方がよいと述べるよ
うになった。
 それらのことから、自主を口にし日本党を自称する朝鮮人は勢いを増したと。

 しかしだいたいやねえ。自主とか独立とか言うけど、この人たちの場合、内実は事
大でしょ。それもつまりは体よく外国を利用するということ。相手が清国か日本か或
いは露国などの違いのみ。開化と言ってもどの程度国体を変えるつもりなのかは実に
曖昧。せいぜいが軍備を強化し鉱山を開発したいという願望を抱くぐらい。つまりは
清の洋務運動に倣うのとあまり代わり映えはない。立憲君主制度を導入するのか。
国内法を大々的に改めるのか。もちろんそれをせねば日本始め諸外国とのいわゆる
「不平等」と言われる条約の改正などは、求めてもそれこそ門前払いであろうし。
(「治外法権」の理由は古代の法律のままだからだぉ)

183 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2007/12/29(土) 21:56:30 ID:sEhmvKmO
(続き)
金玉均「馬建常はその内に清国に帰ることになるニダ」
竹添「本人からそんなこと聞いてないけど」
金玉均「ウリの国には不要の人ニダ」
竹添「そんなこと言うとこっちが清国政府からあらぬ疑いかけられるんだけど」
金玉均「我が国は独力でいくニダ。清が送り込んだモルレンドルフも不要ニダ」
竹添「でもこの頃からモルレンドルフが尽力して清国政府から無抵当で20万両もの
お金を借りれたんだろ?」
金玉均「けど8%の利子がつくニダ」
竹添「それに彼は朝鮮の特産物を作ろうと、清国から桑の苗を5千本ほど持ち帰った
と言うじゃない」
金玉均「いらんことニダ」
竹添「僕もよく会って彼を知っているが、清国の利益を図るのでなくて朝鮮のために
働いている公平の人だよ。しかもドイツ人なのに朝鮮服を着て本当に朝鮮官吏らしく
出所しているし」
金玉均「格好だけニダ。本心は分らんニダ」
竹添「国王や政府皆からの信用も厚いと言うよ」
金玉均「ウリも国王の信任厚いニダ!」
竹添「あ、ライバルライバルねw」
金玉均「本当ニダ! 今度国王から特命を受けて日本に行くニダ!」
竹添「へーへー」

206 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/01/31(木) 20:32:02 ID:pzNe2td.
184 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2007/12/29(土) 21:58:38 ID:sEhmvKmO
(続き)
金玉均「今度日本から公債を募ることになったニダ」
竹添「公債ねえ。で、いくら募るの」
金玉均「300万円ニダ。モルレンドルフの20万両(日本円約30万円)とは桁が
違うニダー!」
竹添「300万円!!? ちょっおまそれ!」
金玉均「あーん?驚いたニカ?」
竹添「それって無理じゃない? いろんな開発資金が朝鮮に必要なのは分るけど」
金玉均「軍備や鉱山開発などに宛てるニダ。公使は反対ニカ?」
竹添「うーん、難しいと思うよ」
金玉均「反対でも井上外務卿に頼むからいいニダ!」

館員「どうしたんすか。金氏えらい興奮して帰りましたけど」
竹添「やれやれ、日本党はあまりはやり過ぎじゃね?」

 で、金玉均が渡日して井上外務卿と相談。明治16年7月2日のこと。

185 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2007/12/29(土) 22:01:42 ID:sEhmvKmO
(続き)
井上「拙者も随分尽力したが、ようやく米国も貴国を独立国と認めたのは喜ばしいことだぉ」
金 「閣下が尽力下されたのは朴泳孝とウリがよく承知しているニダ。感銘しているニダ」
井上「米国公使の朝鮮着任に貴国政府の接待も行き届いていると聞くぉ。満足に思うぉ」
金 「いや、行き届かんことニダ。それよりもウリはよく分らんことがあるニダ」
井上「何?」
金 「ウリの国は独立国ニカ? 属国ニカ? よく分らないニダ」
井上「はて、自分の国のことが分らないと?」
金 「日本と米国は対等の条約を結んだので独立国ニダ。けど清国はウリの国に兵を
置いて属国属国と言っているニダ」
井上「(カチッ・・・説教モード)貴国は永年支那に対して属国であった。それが日
朝条約によって独立の萌芽を発し、今は米国との条約によってより独立の傾向にある。
しかし清国とは3百年の主属の関係があるから、今、断固として純然たる独立国と
なるには清国と戦争してこれを打ち破られねばなるまいが、それは無理であろう。
ゆえに急激に求めず、各国から次々と独立国の承認を得て、純全無傷の独立を得るべき
である。今日のところは独立の傾向にある、と言うことが出来よう」

 この後、金玉均はまたもモルレンドルフの排斥を目論むかのように彼をひとしきり非難。

207 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/01/31(木) 20:36:55 ID:pzNe2td.
186 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2007/12/29(土) 22:05:49 ID:sEhmvKmO
(続き)
井上「彼のしていることは公平だと思うが。君の疑惑ではないのか」
金 「これは嫉妬で言っているのではないニダ。深い理由があって話せないニダ。彼は、
小さい日本にだけ頼むことは出来ない、各国にも頼まねば、と言っているニダ」
井上「人が疑いを抱く時は、どのような真実を見ても疑わざるを得なくなるものである。
君と朴君は道理に明るい者ではないのかね。独立独立と口では言っても急に支那
の属国論を止められまい。ゆえに米国を引き入れ、独国、英国なども引き入れて、
つまりは支那自ら朝鮮の独立を認めざるを得ない勢いに到らせんとせねばなるまい。
ために外国を引き入れるには貿易の利を以ってする外はない。故にその工夫がいるのである」
金 「しかしモルレンドルフ氏に害心があるのをウリは知っているニダ。けどこれ以
上言うのはウリの国の恥になるので話さないニダ」

 で、ようやく公債の話に移る。
金 「ウリは財政の一部も担当しているニダ。政府では外債を募ることにしたニダ」
井上「金は何の用?」
金 「今は当5銭の銅貨を鋳造しているニダが、これじゃ足らんニダ。兵備、鉱山など
に使う内命を受けて来たニダ」
井上「外債はどこの国でするの?」
金 「貴国でしたいニダ」
井上「我が国民間で貸す者があれば別に異論はないぉ」
金 「ウリが知っている人間がいないので閣下の御尽力を願うニダ。この前の17万
円も閣下から斡旋してもらって整ったニダ」

187 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2007/12/29(土) 22:10:00 ID:sEhmvKmO
(続き)
井上「どれほどの額?」
金 「300万円くらいニダ」
井上「自分が保証人になることはお断りするぉ。前の17万円も何の用に立ったの?
君たちは金を使うことは知ってても、それを収める先々のことは何にも分ってないぉ」
金 「一言もないニダ。17万円は5万円を賠償に充てて、残りは器械などを買ったニダ。
今度は鉱山開鉱に着手するニダ」
井上「17万円の内、なお正金銀行に残りがあることも承知してるぉ。けど人に騙し
取られたことも知っているぉ。君は随分と不始末の人だぉ。朝鮮のために図るモルレ
ンドルフは疑われ、朴君は民意に反してボロ小屋撤去したから左遷され、政府内は
くるくる変るし誰に全権があるのかすら分らないぉ。信用もないぉ。よって300万円
の保証人にはなれないぉ」
金 「国王を信用されるなら尽力するニダ」
井上「国王に会ったこともないし、まして親しいわけでもないぉ。貴政府のこれまで
を見て判断するしかないぉ。貴政府では支那党が借りた金は支那党だけが使うという
有様じゃん。政府の権力も一つではないし、これではとても信用が出来ないぉ」
金 「金がないなら何事にも着手できないニダ」
井上「だいたい、利子がいくらになるか分かってんの? 莫大だぉ。鉱山開発してす
ぐに利益が出るものでもないし。貸してもどうせ軍艦を率いて返済を迫ることになる
のは必至」

208 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/01/31(木) 20:40:15 ID:pzNe2td.
188 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2007/12/29(土) 22:14:18 ID:sEhmvKmO
(続き)
金 「ご親切があるならウリの国を見捨てずにお金を募るニダ」
井上「金を貸さないと不親切とな? 自分は先のことを思って言っているぉ」
金 「急務ニダ」
井上「鉱山開拓しての利益計算はしてるの?」
金 「まだ計算してないニダ」
井上「償還はどうするの?」
金 「抵当も立てるニダ」
井上「抵当は何?」
金 「新たな税関でも鉱山でも求めに応じるニダ」
井上「税関の収入はいくら?」
金 「まだ分らんニダ。鉱山でもいいニダ」
井上「鉱山の採算は?」
金 「出資者が調べればいいニダ」
井上「これまで政府では鉱山からどれだけ採取した?」
金 「まだ着手していないから分らんニダ」

 結局は何の計算も出来ておらず返済計画もなく、ただ日本の情に頼って莫大の金
を求めているに過ぎなかった。なんと大した独力主義者w

189 名前:マンセー名無しさん[] 投稿日:2007/12/29(土) 22:18:21 ID:sEhmvKmO
(続き)
井上「とても300万円は無理だぉ」
金 「引き受けて下さらないなら朝鮮を見捨てたとしか思えないニダ」
井上「そう思うならそれで仕方ないぉ」

「朝鮮に対する愛情はないのかーー!!」
という声が聞こえて来るようなw

 で、この頃、井上馨は朝鮮がスイスのような永世中立国となることを希望していた
と言う(井上角五郎の言)
 で、やがてそれは絶望に変るけどね。
(つづく)

209 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/01/31(木) 20:45:21 ID:pzNe2td.
193 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2007/12/31(月) 23:05:16 ID:Z6wPPoe0
   併合前の日朝(続き)
 さて懸案の日朝貿易関税の件なのだが、前年7月に花房公使がこれを協議中に事変が
起きた事により未決のままになっていたが、漸く竹添が再協議することに。
米国公使フート「朝鮮政府は貧乏ですねー。だからケチですよー」
竹添「国全体が貧しいからねえ」
米国公使フート「だから関税である程度儲けさせねばいけないでしょー」
竹添「あ、それ日本政府もそう思っているし、貴国の対韓政策を参向に今度作った関
税額を5%〜30%と大きく幅を持たせたこの関税案でどうよ」
米国公使フート「オー、よいと思いますねー」
 で、関税協議前にモルレンドルフにも内示。
モルレンドルフ「こ、これはスバラシイです。朝鮮が助かりまーす。まず日本と朝鮮で
このような税則を設けるなら各国も異議をいれないでしょー。政府に速やかに議定
するように促しまーす。ダンケダンケ!」
竹添「あんたほんとに朝鮮のため思ってるのね(ほろり)」
 で、朝鮮全権委員の閔泳穆との間で速やかに条規が整ったのは7月25日だった。
ついでにこの時、朝鮮海岸における日本漁民取締り規則も制定。朝鮮の海岸で日本人
が漁業を営むのは個々が結んだ約定に基づいていたが、朝鮮が禁止するものに違反し
た時の逮捕と領事館への送致を定めたもの。


194 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2007/12/31(月) 23:05:42 ID:Z6wPPoe0
(続き)
 また、朝鮮鬱陵島で日本人が木材伐採をしていたことから、9月に全員を日本に送
還するなどのこともあった。
 その業務に向った日本政府内務省書記官は、さぞ島民などとトラブルになっている
だろうと赴くと、意外にも良好な関係であったという。

書記官「・・・・というわけで、日本人全員を引き揚げさせるから。迷惑をかけて申
し訳ない」
島の長「ニカ? 迷惑ってなんのことニカ? かえってウリたちが助かっているニダ」
書記官「??」
島の長「ウリたちは島民は60人ぐらいニダ。御存知のように不便な地で食に困る
こともあるニダ。しかしイルボンの人らが食料を運んで来てその恩恵にあずかっているニダ」
書記官「でも勝手に朝鮮国の木材を伐採しているから・・・」
島の長「そうではないニダ。ウリたちはこの恩を忘れていはいけないニダ。伐採がすん
だ木材は皆持って行ってほしいニダ」
書記官「ええ!? でも自分たちは我が国の人を送還する役目で来ているから、木材
を持っていくわけにはいかないのよ」
島の長「ならば40日待って欲しいニダ。そうすればイルボンの人たちの船が来て木
材を運びだせるニダ」
書記官「そう言われてもねえ、困るのよ。日本人が違反してたのだから。しかし貴殿の
好意は必ず我が政府に上申しよう」
島の長「それならば仕方ないニダ。けど察するニダ。イルボンの人に木材を与えるのは、
ウリたちすでに数百人が世話になってきたからニダ。ウリたちは毎年氷解を待って
渡って来てまた秋に帰るニダ。その間、ウリたちは日本人から食料を得ているニダ。
この恩に酬いることが出来ないのは実に心苦しいニダ」

210 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/01/31(木) 22:37:44 ID:pzNe2td.
195 名前:マンセー名無しさん[] 投稿日:2007/12/31(月) 23:07:45 ID:Z6wPPoe0
(続き)
書記官「それは分った。しかし違反は違反なのだから」
島の長「なお特別にウリたちが貴国の人から助けられたことが ある。これを書面にし
たから政府に出されたいニダ」
 その書面にはこうあった。
「今年の夏にウリの国の人30人余りが船で来たが、暴風で難破してまさに死の危機
に陥った。しかし幸いにも貴国の水に慣れた人々が死を冒して救出してくれた。全員
無事であり今も生活が出来ていることは、その恩は山よりも高く海よりも深いものニダ…」
島の長「なおイルボンの人が帰るならウリたちは飢餓を免れられない。願わくば憐憫
をかけられたいニダ」
書記官「そのようなことならどうして捨てて置けようか。これは両国の友誼である。
その請求に応じよう」
島の長「願わくば米25包み(白米4斗2升)を救助されたいニダ」
書記官「やすいことである」
島の長「カムサハムニダ!カムサハムニダ!」

 かくて日本人252人は鬱陵島を引き揚げ船に乗って帰国することになったが、島民皆が
兄弟親友のように日本人との別れを残念がり、日本人の行李を担ぎ、荷物を持ち、海岸まで送った。
島民「イルボンー! どうしても帰るニカー! また来るニダー!」
日本人「元気でなー! 達者で暮らせよー! 小屋に米を残してきたから使えー!」
島民「カムサニダ、アイゴー!アイゴー!」
 いつまでも別れを惜しむ光景があったという。明治16年9月のことであった。
(つづく)

211 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/01/31(木) 22:44:15 ID:pzNe2td.
199 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/01/05(土) 00:11:41 ID:5VX4pf1S
   併合前の日朝(続き)
竹添「じゃあ朴ちゃん、これで契約成立ね」
朴泳孝「確かにニダ。あそこに西洋館が建つのは楽しみニダ」
竹添「うん。応接の館にするつもり」
朴泳孝「じゃあ、ウリもそこで応接してもらえるニカ」
竹添「勿論たい」
 今の日本公使館が手狭なことから、城内の朴泳孝の邸宅を買い取って改装し、
新たな公使館とすることになった。中には応接館として西洋館も建てることになった。
(明治16年10月政府許可)

竹添「そう言えば、この10月に若い人14人が陸軍戸山学校に入学するんだろ」
朴泳孝「ニダ。徐載弼らニダ。イルボンで陸軍士官や学術などの授業を受けさせるニダ」
竹添「いいねえ。現代文明の軍というものがどのようなものかしっかり勉強させるといい」
朴泳孝「帰ってきたら朝鮮軍を指揮させることになってるニダ」
(で、この連中が後に朴金クーデターを担うことになる)
 明治16年12月、仁川居留区に郵便局が設置された。それに触発されたのか、
朝鮮政府でも郵便事務を行うことになった。朝鮮初の郵便事業である。
朝鮮大臣「けど、どうしたらいいか分らんニダ。それでイルボンに協力してもらいたいニダ。」
竹添「郵便業務に精通した専門家を雇わねばならんだろうねえ」
朝鮮大臣「イルボンの政府に頼みたいニダ」
竹添「よし承知した」
 後に、日本政府駅逓局5等官の小尾輔明が、任期3年俸給月額銀貨130円で朝鮮
政府に雇われることに。

200 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/01/05(土) 00:12:37 ID:5VX4pf1S
(続き)
朝鮮大臣「ついては、郵便切手も作って欲しいニダ」
竹添「あ、それも要るよなあ。で、いかほど?」
朝鮮大臣「5文切手が5万枚、10文切手が100万枚、25文切手が50万枚、
50文切手が50万枚、100文切手が30万枚ニダ」
竹添「おう。けっこうな量だねえ」
朝鮮大臣「ついては、お客さんであるウリにうんとサービスするニダ」
竹添「分った、分ったよ(笑)」

 てなわけで、大蔵省からの政府上申で、交際上親睦のため各切手の2万枚だけは
無償譲与とした。
 日本で300万円の公債を募る事に失敗した朝鮮政府ではあるが、色々と日本政府に
依頼するという結びつきに変りはなかった。

 明治16年12月、竹添公使は一度帰国してこれまでの事を政府に報告することに。
竹添「うー、やっぱり日本はよかなあ。第一清潔たい。空気がうまかあ」
随行員「ですよねえ。京城では朴泳孝が漢城判尹を辞めさせられてからまた道路は
ウンコ塗れになりましたから」
竹添「朴や金玉均も、朝鮮をどげんかせんといかん、と言っているが、どうにもなら
んだろ、あそこは。島村書記官に任せて当分俺も帰らんぞ。」
 で、竹添は1年近く日本に滞在し、その間、外務書記官島村久が代理公使となった。

 明治17年に入ると、朝鮮政府内では清国の後押しを受けて支那党の巻き返しが始まった。

212 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/01/31(木) 22:51:23 ID:pzNe2td.
201 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/01/05(土) 00:13:25 ID:5VX4pf1S
(続き)
 一旦は辞任していた清国事大派の急先鋒である趙寧夏も復帰。閔族のドン閔台鎬も
政府要職となり支那党に。清国よりも日本が頼りになると言っていた閔泳翊も結局は
支那党になった。しかし閔族内でも対立があり、支那党はAグループとBグループに
別れたりした。政府大臣たちはくるくると入れ替わり、要職は支那党ABが占めはいたが、
まさに井上馨が言ったように政府全権がどこにあるのか分らない状態。
 それは、在京城清国領事である陳樹棠の露骨な干渉がもたらしていた。
Aグループ「だいたい、おまえらの外交が拙いから清国様が心配なさるニダ」
Bグループ「何ニカ? ウリたちも一生懸命やってるニダ!」
Aグループ「フンニダ。この前に陳樹棠さま(在京城清国領事)から叱られていたの
は誰だったニカ?」
Bグループ「あれは日本党のせいニダ! 日本党のやつらが邪魔しているニダ!」
 陳樹棠は朝鮮政府の者を叱るのに殴る蹴るの暴力を振るったという。
Aグループ「陳樹棠さまのお叱りを非難したやつがいるニダ!」
Bグループ「それも日本党に決まっているニダ!」
Aグループ「陳樹棠さまのすることは清国様のすることニダ。それに文句言うやつは反逆罪ニダ!」
Bグループ「だから親日派が文句言っているニダよ!」
Aグループ「イルボンなんか清国様に比べたら小国にだ。日本党なんかごく少数で
とるにたらんニダよ」
Bグループ「けど日本党は王様をとりこんでいるニダ。だからいろいろと王様はイルボンに
依頼するよう命じているニダ!」
Aグループ「そこをうまく立ち回って清国様に依頼するように仕向けるのが外交というものニダ!」
Bグループ「ファビョーン!! そんならおまえらが外交するニダ !!どんだけ大変か
やってみると分るニダ!!」
Aグループ「そんならウリたちがするニダよ」
Bグループ「フンニダ!どうせ1ヶ月もしないうちに辞めるに決まっているニダ!」

202 名前:マンセー名無しさん[] 投稿日:2008/01/05(土) 00:20:18 ID:5VX4pf1S
(続き)
 てなことを聞いた島村代理公使は、
島村「どう思う?モルレンドルフさん。あいつら小学生かよ」
モルレンドルフ「陳樹棠の干渉のせいでーす。彼に媚びる者たちだけを取り立てていますねー」
島村「清国の内政干渉じゃね?」
モルレンドルフ「そーでーす。しかし朝鮮官吏たちも卑怯で臆病者たちばかりなので、
毅然と自主の精神で立ち向かう者がいないですねー!」
島村「日本党は地位が低いからねえ。君の立場も微妙だし」
モルレンドルフ「僕は金宏集さんが政府にいる間は大丈夫でしょう」
島村「ほんと、彼は支那党にも日本党にもつかないから」
モルレンドルフ「金宏集さんは朝鮮のことを思う朝鮮党ですねー」

 しかし金宏集の地位も低く(大院君と直接面会できない身分)、その有能さを誰もが
認めていたが発言力は殆どなかった。
 また、「朝鮮官吏は卑怯で臆病な者達ばかり」というのがドイツ人顧問の所見であったが、
何も日本人だけがそう思っていなかったことが分る。

 支那党の勢いは増し、王妃を通じて圧力を掛け、日本党である朴泳孝、洪英植、金玉均、
徐光範らを排斥する動きとなっていった。
(つづく)

213 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/01(金) 11:49:31 ID:IxYh/vdM
218 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/01/10(木) 23:38:30 ID:8QRhZmoT
   併合前の日朝(続き)
 さて、この頃朝鮮政府各省庁には各1人ずつ清人顧問官を置き、支那党は兵権を掌握し、
内治外交の問題も一々それを先に清国政府に尋ねさせるなど、清国政府は朝鮮の
属国支配を強めていった。
 しかしそれに反発する文武の士族などが日増しに多くなっていった。
 また、朝鮮人一般を憤怒させる事件もあった。

 明治17年旧正月の頃、ある朝鮮人薬局店に清兵が来た。
薬局店主「これは清兵さま何かお求めニカ?」
清兵「おう、この人参は立派アル」
店主「それは少々お値段が張りますニダ」
清兵「そうアルか。ではもらっていくアル」
店主「ニカ?・・・あ、あの代金がまだニダ」
清兵「何か言ったアルか」
店主「・・・だ、代金が」
清兵「ほう。何アルか、おまえらの宗主国である大清帝国兵士に金を払えとな」
店主「・・・ううう、ファビョーン!! いいかげんにするニダ!!  金払うニダ!!」
 常の朝鮮人らしくなく強い態度に清兵は拳銃を取り出し、
清兵「うるさいアル!!」
バーン!! と撃ち放った。店主は悲鳴を挙げて倒れた。
店主の息子「オヤジ! 何事ニカ!・・・ああっ!! オヤジー!!」
清兵「ふん、逆らうからアル!」
清兵は悠々と人参を持って店を出ていった。店主は息絶えた。

219 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/01/10(木) 23:39:00 ID:8QRhZmoT
(続き)
店主の息子「オヤジー!!アイゴー!!許さんニダ!許さんニダ!」
 息子は朝鮮官吏に訴え出た。
 さすがに朝鮮政府も捨て置けず、直ちに清兵営に問い合わせた。
 その頃、清将提督馬建常はすでに任を解かれて帰国しており、部下であった袁世凱が
清営提督として任じられていた。
清兵「ということで、朝鮮政府から照会が来てますが」
袁世凱「あ〜ん? 朝鮮人参? ふん」
清兵「一応調べますか?」
袁世凱「必要ないアル! 我が中国兵は紀律厳正にしてそのような犯人はいないアル、と
言っておけ!」
 だいたい清兵というのは金で雇われた無頼の徒の類であった。清将提督が一々その
ような者の行動の責任をとるつもりはなかった。とりわけ袁世凱は前の馬建常と違い
傲慢な人間であった。

朝鮮人「アイゴー、薬局店主は気の毒だったニダ」
朝鮮人「どうして犯人の清兵を探さないニカ」
朝鮮人「あいつら犯人は清兵の服を着た朝鮮人か外国人アル、と言っているニダ」
朝鮮人「アイゴー、そんなパカな」

214 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/01(金) 11:53:43 ID:IxYh/vdM
220 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/01/10(木) 23:39:39 ID:8QRhZmoT
(続き)
 この事件は朝鮮官報を発行している博文局顧問井上角五郎の耳に。
井上角五郎「これはひどい事件だなあ。よし今度の官報10号に載せよう」
 「漢城旬報」は官報ではあるが、井上は事件記事なども掲載するのを方針としていた。
即ち朝鮮初の新聞でもあった。(全文漢文であり、後に漢字ハングルまじりの「漢城周報」となる)
記事「支那兵士の中には無頼の徒が少なくない。その挙動は往々にして殺伐粗暴である。
今回の事件は支那兵がしたことであると言っても、誰が疑う者があろうか」
 しかしこれが清営の目に止まり、角五郎は清兵に付け狙われることに。

島村代理公使「井上君の身辺だけど危険だよねえ」
磯林真三大尉「僕が行きましょうか」
島村「うん。せめて夜だけでも護ってやってくれ」
 磯林真三陸軍大尉は公使館駐在武官である。その立場はかつての水野勝毅大尉と
同等であった。
 以後、角五郎一人が宿泊している博文局を毎晩訪れて同宿した。
 1ヵ月後、清国北洋大臣李鴻章から朝鮮政府と博文局に叱責の書簡が来た。
博文局職員「た、たいへんニダ!! 清国の北洋大臣からこの前の記事を咎める書簡が
来たニダ!!」
書簡「漢城旬報は官報アル。新聞紙ではないアル。今回の記事は誤りであり記事とした事実は
消すことができないのはけしからんアル! 中国に対して礼を欠くものアル!!」

221 名前:マンセー名無しさん[] 投稿日:2008/01/10(木) 23:42:33 ID:8QRhZmoT
(続き)
朝鮮政府「ガクブル!」
博文局職員「ガクブルニダ!」
角五郎「もちつけ! 議事を書いたのは俺だ。責任とって俺が辞任すればよかろう!」
 で、井上角五郎は辞表を提出して帰国した。明治17年5月だった。

角五郎「・・・てなわけでした」
井上外務卿「そうか。惜しいなあ角五郎君。朝鮮を文明に向わせるためにも現地での
新聞は是非必要なのだが」
竹添進一郎「角五郎君。君は朝鮮にとって必要な人間だよ。機会を見てまた朝鮮に
戻ってくれよ」
角五郎「はい。いずれそうするつもりです」
 これにより角五郎は8月に朝鮮に戻った

(自らの非を決して認めず謝罪せずが中国伝統の文化であることは、この後の
明治17年朝鮮事変で一層明らかになる)

(つづく)

215 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/01(金) 17:15:16 ID:IxYh/vdM
248 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/01/21(月) 23:14:08 ID:jl4SrYjM
  併合前の日朝(続き)

 さてさて、明治17年は10月末、竹添公使は京城公使館に帰館することに。
井上外務卿 「では竹添君。贈与金のことを国王によろしく」
竹添 「賠償金の残額40万円の贈与のことですね。随分大きなお土産ですねえ」
井上 「文明開化のために使うようにと言ってくれ。それと村田銃2挺を国王に贈呈するように」

 日本政府は贈与という名目での40万円の帳消しのみならず、朝鮮政府が既に支払った
10万円も国費には収めず、年6%の利子を生む貯蓄に回していた。それは、朝鮮政府が
横浜正金銀行から借りた17万円の返済が出来るかも危ぶまれ、それでいよいよ困難に
なった時には利子をつけて朝鮮政府に返却するつもりであったからである。
いやはやもう至れり尽せり。
 つまりは明治15年済物浦条約を調印した直後に、謝罪大使である朴泳孝が財政の
窮状を訴え国王親書を以って井上に申し出たことに対する答えだった。


249 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/01/21(月) 23:15:52 ID:jl4SrYjM
(続き)
で、竹添公使は11月2日に在京城公使館に帰任。
竹添 「・・・・ということであります」
国王 「補填金(賠償金)のことは万国公法によって定めたニダ。今それを大皇帝陛下が
我が国にこのような厚意を以てされるのは実に感銘の至りニダ。余が感激に堪えないことを
大皇帝陛下に伝えてほしいニダ。また村田銃は必ず重宝とするニダ」
 朝鮮国王は相当喜んだらしい。
 で、鼻高々なのは政府内日本党の者たちである。まるで自分たちが尽力したからだと
言わんばかりであった。
 面白くないのは支那党の連中である。

支那党 「ふんニダ! 朴金たちの働きではないニダ! 王様が親書で申し出たことニダ」
支那党 「けど王様はますます日本を頼るようになるニダ」
支那党 「北洋大臣の李鴻章様は、日王は朝鮮を狙っている、と仰っているニダ」
支那党 「このままでは危ないニダ。何かいい方法はないニカ?」
支那党 「日本党をどうにかせねばならんニダ。まず朴泳孝と金玉均を政府から追い
出すニダ」
支那党 「追い出すだけでは足らんニダ!遠くに流すニダ!」

216 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/01(金) 17:20:04 ID:IxYh/vdM
250 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/01/21(月) 23:16:35 ID:jl4SrYjM
(続き)
 そんな話もやがて朴金の耳に。
朴泳孝 「これは危機ニダ! あいつら支那党はウリたちを陥れて流刑にすることを
目論んでいるニダ!」
金玉均 「しかし王様が許される筈はないニダ」
朴泳孝 「いや、王様はあれで優柔不断なお方ニダ。王妃様から強く言われたら承諾
されかねないニダ」
金玉均 「ウーン・・・・こういう局面の時には先攻するに限るニダが」
 金は囲碁が強かったと言われている。
朴泳孝 「よし!維新ニダ!! この腐った朝鮮を大掃除するニダ!!」
金玉均 「やるニカ?! よし!!やるニダー!! 日本陸軍戸山学校で軍学を修めた
徐載弼らも帰ってきているニダ!」
朴泳孝 「しかしこれは日本政府の応援もいることニダ。竹添公使に相談するニダ!」
 重臣の洪英植も含めて日本党の面々は遂にクーデターを決意。これを竹添公使に
打ち明けた。


251 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/01/21(月) 23:17:24 ID:jl4SrYjM
(続き)
 仰天したのは竹添進一郎である。
竹添 「諸君らは何を考えているのか?!!」
朴・金 「ウリたちの決心は固いニダ! このままでは日本党は壊滅するニダ!!」
竹添 「ならん!! 無理だ!! 日本の維新は薩長という強大の藩あってこそであった。
今の君らに何の力があると言うのか!!」
朴金 「だから日本が支援するニダ!!」
竹添 「そのような朝鮮政府内部の私闘にどうして日本が干渉できようか!」
朴泳孝 「干渉著しいのは清軍提督袁世凱たちニダ!! 支那党はきゃつの言うままニダ!」
金玉均 「閣下は清国と親しい人ニダ。朝鮮などどうでもいいのだろう」
竹添 「そうではない。だったらどうして帰任したろうか!」
朴泳孝 「済物浦条約を結んだ頃に、国王親書によって日本から兵を借りる約束があるはずニダ!」
竹添 「それはある! しかしどこまでも国王を護衛するための借兵である!」
金玉均 「同じことニダよ。国王はウリたちと志を同じくされて、日本の力を借りて
文明開化し独立国となろうと考えてあるニダ。それをウリたち日本党がいなくなるなら、
朝鮮政府は支那党で占められて、結局は独立国になりつつあるのも終わりニダよ。
それとも閣下は朝鮮が完全に清国の属国に戻るのを望むニカ?」
竹添 「馬鹿を言うな。ただその軽挙を戒めておる!」
 やがて朴金らは公使館から帰っていった。

217 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/01(金) 17:23:13 ID:IxYh/vdM
253 名前:マンセー名無しさん[] 投稿日:2008/01/21(月) 23:26:29 ID:jl4SrYjM
(続き)
島村書記官 「朝鮮人にしては並々ならぬ決意に見えましたが・・・・」
竹添 「うむ。自分たちの命がかかっているからなあ」
島村 「借兵の約束もありますし、もし国王から求められたらどうしますか」
竹添 「国王護衛しか出来ん。日本党に力を貸すわけにはいかんし干渉は出来んのだ・・・・しかしなあ」

 朴金の決心は固いと見た竹添は、今後の処分を誤らないために遂に以下の2案を作成して
日本政府に伺いを立てた。
甲案 「朝鮮で日清両立を保つことが難しいなら、内乱に乗じ国王の要請によって
これを助け、国王に清兵が敵対するならこれを撃退する」
乙案 「東洋平和を保持する点から言えば、なるべく日本党が禍を受けない程度に
これを保護する」

 日本政府が乙案を以って対処するように指示を出したのは11月28日。
 しかしそれがまだ京城に到達しない12月4日、遂に事件は起こった。

(つづく)

218 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/02(土) 10:26:16 ID:.WsYuY8g
259 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/01/24(木) 22:53:31 ID:EceiMMbW
 多忙で暫くさぼってましたが、ま何とかぼちぼちと。

  併合前の日朝(続き)
 なお以下の事変発端の日本党朝鮮人の行動については、井上角五郎の自書「漢城
廼殘夢(明治二十四年十月出版)」を参考にした。もっとも、当時博文局に居た彼が
どのようにしてそれを知ったかまでは彼は書いていない。

島村書記官 「公使、どうでしょうか。私が出席しましょうか」
竹添公使 「うん。すまん。昨日米国公使やドイツ領事の所に行った時に余りに寒くて
具合が悪くなってねえ」
 この日は、朝鮮郵政局開局の記念宴会が催されることになっていた。郵政局総弁
洪英植の主催によるものであった。
島村 「無理をなさらずに休んでいてください」
竹添 「小尾君にもよろしく言ってくれ。朝鮮初の郵便業務がここまでこぎ着けたのも、
全く彼の尽力によるものだから」

 当日来会した賓客には、米国公使フートと書記官、英国総領事アストン、清国総弁
陳樹棠、また閔泳翊、金宏集、韓圭稷、李祖淵、朴泳孝、金玉均、徐光範、尹致昊、
そしてモルレンドルフたちであった。欠席したのは竹添公使とドイツ総領事ジャムブッシのみ。

260 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/01/24(木) 22:54:23 ID:EceiMMbW
(続き)
 6時に始まった式典が進み、夜9時の晩食に移る頃、会場の郵政局すぐ近くの民家では。
日本党員「よし、導火線に火をつけるニダ。いいニカ?」
「ついたニダ!逃げるニダ!」
「それ、ドカンッ!といくニダ・・・・ドカンと!」
「ニカ?・・・爆発しないニダ!!」
「も、もう一度するニダ」
「そ、それドカンといくニダ!・・・・いかんニダ!!」
「アイゴー!爆発しないニダ!」
「何やってるニカ!! 爆発で驚かせて混乱に乗じて支那党の者らを殺す手筈ニダよ!!」
「ダイナマイトが爆発しないから仕方ないニダ!! そんなら燃やすニダ!!」
「燃やすのは得意ニダ! それ火をつけるニダよ!」

 郵政局裏のすぐ近くで家が燃えるのを見て「火事ニダー!!」と叫ぶ声が会場の皆に
聞こえた。
 座客は皆驚いて起ち上がり郵政局の屋外に出た。島村書記官も米公使フートや
洪英植ら4、5人も向かう。見ると局の後ろにあるすぐ近くの家から出火していた。
しかし見る間に火勢が衰えて鎮火する様子であったので、皆は安堵して屋内に戻った。
 ところが、人が混雑して騒ぎになっている。聞くと、誰かが暴漢に襲われて負傷したという。
 はや不穏な雰囲気を察して米国公使始め賓客らも去りつつあった。
仕方なく島村書記官も、「うーん、晩飯食いそこなったなあ。公使館に何か残っているかどうか、
それが問題だ」などと思ったかどうかは知らないが、とにかくそのまま公使館に帰った。

219 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/02(土) 10:30:36 ID:.WsYuY8g
261 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/01/24(木) 22:55:05 ID:EceiMMbW
(続き)
 一方、会場に居た朴金ら日本党の者は急いで王宮に向かい、内応の女官を通じて国王の
寝殿に入った。
朴金ら 「王様!! 大変です!! 清兵が乱を起こしましたニダ!! 現に閔泳翊が
殺されたましたニダ!!」
国王 「ニカ?!! な、なんと!!」
 国王は慌てて寝殿を出ようとした。その時、日本党が仕掛けた宮殿前門のダイナマイトが爆発した。
 ドドーン!!
国王 「アイゴー!! 何の音ニカ!!」
朴金 「清兵が門を爆破したに違いありません!!」
「日本軍の護衛を頼むほかないと思いますニダ!」
国王 「だ、誰か! つ、使いを!!」
日本党の邊燧 「ウリが行ってきますニダ!!」
ビューン!
国王 「あれ、もう行ったニカ?」
朴金 「あの馬鹿! 王様、何か親書を持たせねばなりませんニダ!」
国王 「ニダ! 内官!内官! いるか?!」
内官柳在賢 「王様ー! ここに控えておりますニダー」
国王 「この書を持って日本公使に急いで来て護るように伝えるニダ!」
柳在賢 「承知しましたニダー」

262 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/01/24(木) 22:56:25 ID:EceiMMbW
(続き)
 一方、公使館に戻った島村書記官は事の顛末を竹添公使に話した。
島村 「・・・・というわけでした」
竹添 「記念の宴会の時に、すぐ近くで火事、そして誰かが襲われたと・・・・うーん」
館員 「公使、英国総領事のアストン氏が来られましたが」
島村 「何事だろ。公使、用件を聞いてきます」
アストン「襲われた人が分かりましたね。閔泳翊さんです。彼は今、米国公使館医師の
アレンさんが治療してます。よほど重傷のようです」
島村 「なんと閔泳翊氏と!」
 彼は閔族の要人であり、一時は日本党に傾いて金玉均を喜ばせたが、結局は支那党の
人となっていた。
アストン「それで街の雰囲気が悪いです。事変が起こりそうな気がしまーす。
で、英国公使館にまで行くのに護衛をつけてもらえないでしょうか」
 島村はそれを公使に尋ね、すぐに許しを得て陸軍兵2名を護衛に付けた。
アストン「サンキュー。これで安心しました」
 島村が玄関でアストン領事を見送ると、入れ違いのように日本軍営から兵を率いて
陸軍歩兵大尉村上正績がやって来た。

220 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/02(土) 10:44:56 ID:.WsYuY8g
263 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/01/24(木) 23:00:49 ID:EceiMMbW
(続き)
島村 「ん? 何事?」
村上 「火事が公使館近くに見え、また街の雰囲気もただならないものがあるので護衛の
ために来た」
 護衛兵1中隊の駐屯する泥?は公使館から少し距離があった。明治15年朝鮮事変後に
締結した済物浦条約に基づいて設置されたものである。
島村 「そうか。アストン領事も事変が起こりそうだと言っていたが・・・」
 島村書記官がそれらを公使に報告に行くとそこに浅山顕蔵通訳官が来た。
浅山 「王宮から邊燧という者が使いで来ていますが」
竹添 「王宮から? 今頃なんだろう」
島村 「自分が話を聞いてきます」

邊燧 「お、王様からの、つつ使いニダ」
浅山 「落ち着いて話せよ」
邊燧 「と、とにかく状況が穏やかでないニダ。王様も安心できないので公使に王宮に
来られてご自分を保護してほしいとのことニダ」

島村 「公使、・・・ということですが」
竹添 「さては王宮内に何か異変が起こったのかもしれない。僕が直接聞こう」
 竹添は寝台から起きて服装整え、邊燧に会った。


264 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/01/24(木) 23:04:14 ID:EceiMMbW
(続き)
竹添 「君は本当に国王の使いかね」
邊燧 「ウリは国王そばに仕える者ニダ」
島村 「確かにそうです。日本党の者ですが」
邊燧「と、とにかく速やかに来て護衛されたいニダ」
 そこに館員が入って来て、人が来たことを告げた。
館員 「今、王宮内官の柳在賢氏ら2名が公使面会を求めて来ましたが、随分急いで
いるようです」
竹添 「すぐに会おう」
柳在賢「はあ、はあ、こ、公使! 一刻も早く来られるニダ! こ、これは王様の親書ニダ!」
 それは石筆で走り書きしたもので「日使来衛」(日本公使、来て護れ)の4文字が
認められた。
島村 「彼は日本党ではありません」
竹添 「島村君、すぐに村上中隊長を呼んでくれ。これは行かねばならないようだ。
国王の依頼があったことは間違いない」

 かくて竹添公使が陸軍歩兵1中隊およそ130名と共に王宮に向かったのは、
午後10時頃であった。
 途中、また別の王宮内官と出会い、
内官 「こ、公使、公使! 大王殿下は宮殿を出られて景祐宮に移座あらせられたニダ。
よって速やかにその宮に向かわれたいニダ」
島村 「僕らは地理不案内である。君が先導せよ」
内官 「承知したニダ。こっちニダ」

221 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/02(土) 10:56:08 ID:.WsYuY8g
265 名前:マンセー名無しさん[] 投稿日:2008/01/24(木) 23:07:30 ID:EceiMMbW
(続き)
 王宮門番の兵も一行を見てすぐに門を開き、いくつかの門を過ぎて国王の居る
景祐宮に辿り着いた。
 竹添公使一行の到着を知った国王は待ち焦がれた面持ちで殿外の庭に出て、
国王 「公使! 来られたニカ!」
 国王は喜色満面で竹添の手をとり謝した。
国王 「貴公使がこの夜中に速やかに来衛あったことに満足するニダ。この騒擾に
万事注意あって貴衛兵の護衛あることを深く希望するニダ。また我が宿直の兵もいるので
それらの士官と協議して共に守衛することを望むニダ」
竹添「陛下にはご無事で何よりであります。必ずお護りいたしますからどうぞ
安心されますように」
国王 「感謝するニダ」
竹添 「お身内の方もまたご無事でありましょうか」
国王 「ニダ。王妃、世子宮、世子妃も共に居る。また大王妃(先王妃)もこちらに
向かわれているニダ」
 やがて大王妃も来たが、その頃には殿の内外は高官、内官、女官、雑役などで
溢れかえった。
 京畿道監司らは剣を抜き、
京畿道監司 「雑役や下人どもは入ってきてはならんニダー!! 」
と制していたが、ますます混雑してくる。殿内の灯りが一時尽きて暗黒となるなど、
誰がどのような行動をするか把握できない状態であった。
(つづく)

222 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/02(土) 11:03:26 ID:.WsYuY8g
305 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/01/29(火) 23:33:10 ID:NIdZ+hus
   併合前の日朝(続き)

村上中隊長 「公使、これでは警護が困難です。混雑に乗じていつ誰が凶行をするか
分かりません。人数を制限して立ち入ることのできる人間を減らすなどすべきです」
竹添 「まったくだ。国王に上奏して規則を設けてもらおう」
 よって国王は命を発して、女官などを一ヶ所に集めさせるなどし、宮殿への出入りも
国王の許可制などとした。

 夜半過ぎには漸く喧騒も治まった。
 夜1時過ぎ、国王は米国公使、英国公使、独国総領事にも使いを派して王宮に来る
ように要請した。しかし来たのは米国公使館付武官のベルナドンのみ。

 夜3時頃、島村書記官が殿外から入る時に、内官柳在賢が朝鮮兵から殺されたのを見た。
島村 「どうした! 何があったのか」
 朝鮮士官徐載弼が答えて言った。
徐 「彼は火薬で王宮を焼こうとしていたのが発覚して刑されたニダ」

 朴金らのクーデターによる支那党の者の粛清が国王や竹添らの目の届かないところで
密かに行われていた。閔泳穆、閔台鎬、趙寧夏など主だった者が王宮に呼び出されては
殺された。

306 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/01/29(火) 23:34:03 ID:NIdZ+hus
(続き)
 翌5日早朝、国王は内閣改革を発表。要人は日本党で占めたが、そうでない金宏集なども
入っていた。

 午前10時頃、米国公使フート、英国総領事アストンが王宮に入って国王に謁見した。
 国王は満面喜びを表して歓迎。竹添公使も交えしばし対談。

国王 「日本公使のみならず貴国ら使節とこうして談話できるのは感激ニダ。朕思うニダ。
国が古い習慣を破って開化に向かう時には、多少の変乱はあると聞くニダ。日本公使は
日本で変乱を何度も経ているので熟知してあるニダ。しかし米国英国ではどうニカ?」
米国公使 「そうでありまーす。国が開ける時にはこのようなことが少なくないでーす。
我が国でも時々経験したことでーす」

 (もうこの頃には国王は、今回のことが清兵の乱などではなく、朴金ら日本党が
起こしたクーデターであることは承知していたと思われる)

 その後、国王の命により一行は景祐宮の隣の右議政李載元の邸宅に移動。米英公使
領事も竹添と共に同行。日朝両兵で邸宅内を護衛し、外周は朝鮮兵のみが守衛した。

223 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/02(土) 11:05:59 ID:.WsYuY8g
307 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/01/29(火) 23:35:10 ID:NIdZ+hus
(続き)
 この後、独国総領事も来て謁見。やがて日米英独使節の会談となった。
米国公使 「どーでしょーか。今度の事変のような時は、我々外国使節でよく協議して、
国王を護衛して共に居るようにするべきではないでしょーかー?」
独国領事 「今ぐらいの状況では、それほどのこともないでしょー。
変乱が大きくなったらそうせねばならないでしょうが」
英独使節 「だいたい、今度の事変はどういうことなのですかー?」
米国公使 「これは改革のための一挙ですねー」
英独使節 「オー!」

 やがて米英独の使節は帰っていった。
 よって竹添も帰館することを申し出た。しかし国王は、今しばらく留まってほしいと
いうことで、断るわけにもいかなかった。

 ところが、ここで朴泳孝と金玉均の間でなにやら意見の対立が。

竹添 「彼ら、何もめとんの?」
島村 「どうやら、この先どうするかという話らしいです」
竹添 「はあ? この先って?」
島村 「朴泳孝氏は、一先ず国王を擁して江華島まで退いて日本に援軍を求めるべきで
あると言い、金玉均氏は、直ぐに王宮に戻るべきである、と言っているらしいっす」
竹添 「ちょっ!何それ。クーデターやっといてこの先どうするかよく考えてなかったと
いうわけ?」

308 名前:マンセー名無しさん[] 投稿日:2008/01/29(火) 23:38:17 ID:NIdZ+hus
(続き)
島村 「どうやらそうらしいです」
竹添 「はぁ、だめだこりゃ」

 朴金らの方では擦った揉んだの末、結局王宮に戻ることに。

島村 「この先、どうするんでしょうかねえ」
竹添 「うーん。わけわかめ」
島村 「我々も石筆書きの親書を貰っただけなのが懸念されますが・・・」
竹添 「国王依頼の確たる証がいるよなあ」

 てなわけで金玉均にそのことを申し出、国王玉璽の印を押した紙を受け取ったのが、
この日の夕方であった。
(つづく)

224 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/04(月) 16:13:05 ID:3sdNrgLE
310 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/02(土) 00:24:12 ID:Mc6cOfMQ
   併合前の日朝(続き)

 その頃、袁世凱らがいる清軍営では。

部下 「まだ王宮からは何も言ってきませんが」
袁世凱 「うーー。米国公使や英国独国領事など西洋人使節は呼んでも、
宗主国様はお呼びでないアルってか」
部下 「何か事変があっているようですが皆目情報がありません」
袁世凱 「支那党の連中は何か言ってこないアルか!?」
部下 「王宮に呼ばれたっきり戻ってこないそうです」
袁世凱 「竹添公使も竹添公使アル! 日ごろの親しみから言っても何か連絡してもいいアル!!」
部下 「どうしましょうか」
袁世凱 「しばらく様子を見るしかないアル!!」

 (この後、袁世凱は閔妃がよこした支那党の使いによって事変を知った、という説があるが、
その後の実際の書簡や報告書などでは「来文」によって、とあったり、人が知らせたことで、
とあったり、それも内容や名前がその度に変わっている。どうにも、清軍提督の言っていることは
一貫性がなくグダグダ。よって袁世凱らのこの後の行動の真意は謎である)

311 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/02(土) 00:25:08 ID:Mc6cOfMQ
(続き)
 5日夜、王宮での竹添公使の所にも、支那党の大臣らが4日の深夜に次々と殺害されたとの話が来る。
それによれば殺害された人々は、閔台鎬、趙寧夏、韓圭稷、李祖淵、尹泰駿、閔泳穆であった。

島村 「これは維新ですかねえ。それとも反対する者を抹殺するただの暗殺ですかねえ」
竹添 「とにかく朴金ら日本党の者に手を貸してはならん。内政干渉となる。借兵といっても
国王護衛に限定する!」
 実際、日本兵は国王の居る殿の周囲を護衛し、徐載弼士官らが率いる朝鮮兵は王宮周辺部を警護していた。

 6日になっても何の異常もないので、竹添公使は再び公使館に退くことを申し出た。
しかし国王は再びなおも警護を続けてくれるよう懇請。
 国王が望めば借兵を受け入れざるを得ない。それが日朝間の秘密の取り決めであった。

 清軍営では。
部下 「支那党の大臣たちが日本党の連中に殺害されたことは間違いありません」
袁世凱 「ふん。国王め、いよいよ独立の旗を上げる積もりらしいな」
部下 「アハハハ、高宗がですか。あの弱虫が」
袁世凱 「親父を拉致されたのが相当悔しかったかな?」
部下 「属国は属国でしょう。身の程知らずもいいところです。日本兵にしても僅かに150名ぐらいで・・・」
袁世凱 「そろそろ膺懲せねばなるまい」
部下 「ガツーン!といきますか」

225 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/04(月) 16:15:53 ID:3sdNrgLE
312 名前:マンセー名無しさん[] 投稿日:2008/02/02(土) 00:26:31 ID:Mc6cOfMQ
(続き)
袁世凱 「2営(1千人)に戦闘準備をさせておけ」
部下 「指揮下の朝鮮兵はどうしましょうか」
袁世凱 「ま、枯れ木も山の賑わいアル。連れて行ってよかろう」

 日本党の徐載弼士官が率いる朝鮮兵よりも、清軍が調練していた朝鮮軍の方が多数であった。
当然、清軍士官の指揮に従う。

袁世凱 「ま、表向き日本とは敵対関係にあるわけじゃないし、竹添に前もって書簡を送っておくことにするアル」
書簡 「乱民の変乱があり朝鮮諸大臣8人を殺害し、王城の内外は混乱し、乱民はまさに貴兵を
攻撃しようとすると聞いた。自分達は国王が驚愕するのを悲しみ、また貴兵が困難を受けることを恐れる。
ここに兵隊を派して王宮に進める。一つは国王を保護するため、一つは貴兵を援護するためであり、別に他意は無い」
部下 「日本兵を助けに行くんすか?」
袁世凱 「パカ! その手紙を向こうが手にすることに意味があるのだ。どこまでも表向きのことアル。
もし戦闘になったら日本兵のみならず京城内の日本人全員を殺すことを許すアル!」

 袁世凱が兵に対して日本の民間人全員を殺害することを許可したのは事実である。
フランス人宣教師がそのことを知り、急遽、英国総領事アストンに日本人の保護を申し込んでいる。
また、それ以外にも複数の証言がある。
 中国伝統の戦争方法は、敵は敵であり殺害対象は兵民を問わないものであった。
すなわち皆殺し方式が常道であった。
(つづく)

226 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/08(金) 07:12:18 ID:Efq5sKyA
316 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 22:37:12 ID:ZlSn3Ya4
   併合前の日朝(続き)

 午後、清軍は3隊に分かれて王宮を囲むように進んだが、それは攻撃を前提とした
戦闘行動を意味した。

 後の天津談判で李鴻章は言った。
李鴻章 「そちらが先に攻撃したアル!」
伊藤博文 「閣下、よく考えられよ。日本兵は王宮内で守りの立場にある。
清兵は外から王宮を攻撃した攻めの立場にあった」
李鴻章 「我が軍の士官が名刺を持って竹添公使に面会を求めたアル。
しかし許されなかっただけでなく、内から不意に銃撃があって名刺に弾丸が当たり、
名刺は片々として散ったアル!」
伊藤博文 「はははは。人を傷つけずに名刺だけに的中させるとは、
いったい如何なる名手であろうか(笑)」
李鴻章 「兵卒ら4人はたちまち斃されたアル!」
伊藤博文 「王宮出入り口など周辺部を守備していたのは朝鮮兵であり、
日本兵は国王の周囲を警護していたから関わりないことである」

317 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 22:37:38 ID:ZlSn3Ya4
(続き)
 てなわけで、最初の銃撃があったのは午後3時頃。銃声は国王の耳にも届いた。
 ダダーーン!!
 国王は驚いて椅子から立ち上がり周囲を見て、
国王 「何ニカ?! これは何の音ニカ?!!」
 この時、朝鮮官吏が竹添公使宛の手紙を島村書記官に渡した。
島村はそれを公使に届けた。
竹添 「ん?書簡?」
 この時、再び銃声が響き渡った。
国王 「アイゴー!!」
 国王は慌てて寝室に向かって逃げた。侍臣が追う。
 また銃声が響いて、次に弾丸が雨のように降り注いでくる。
 ダダダーン!ダーン! ヒューン!ヒュー!
竹添は手紙を開く暇もなく洋服に収めた。

村上中隊長 「清兵が第二の諸門内に乱入して発砲し、守衛の韓兵は直ぐに逃げ去った。
あるいは清兵と合しているかもしれない。どうすべきか」
竹添 「こうなっては仕方がない。国王保護のために来たのだから国王を保護するだけの防御をせねばなるまい」
村上 「承知した」
 村上は戦闘体勢をとっている日本兵に対して大喝一声した。
村上 「てっーー!!」
ダダダダダーーン!!!
 猛烈の一斉射撃。しばらくして清兵らは門外に逃げ去った。

227 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/08(金) 07:20:53 ID:Efq5sKyA
318 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 22:38:02 ID:ZlSn3Ya4
(続き)
竹添 「国王の安否はいかに」
と寝室に向かう。島村、浅山が同行する。
京畿監司沈相薫 「殿下はご安全にあらせられるニダ」
 しかし再び銃弾が雨のように飛んで来て寝室にまで通る。
急いで国王を安全の地に移そうと寝室の中に入ると、はや国王は逃げて居ない。
島村 「あらら、もうおられない。さすが逃げ足早いっすねえ」
竹添 「国王殿下ー!」
 寝殿裏に向かう。清兵が第三門から進入しその周辺部を固めて一斉に射撃してくる。
小谷中尉率いる小隊が猛烈の反撃をして遂にこれを撃退した。
門外にいた朝鮮守兵はすべて清兵に合同している。重大な裏切りであった。

 竹添らは寝殿背後に出たが、東側から来た清兵が銃撃をしてくる。
大西少尉率いる小隊が馳せ来て防戦し撃退した。

村上中隊長 「ここ大王妃の寝殿は地形的に有利な場所です。
よってここに国王を戻して護衛すれば清兵千人が来ても容易に防ぐことができましょう 」
竹添 「よし! とにかく国王を探そう!」
 やがて後苑の一番高い丘に至り、そこから四方を見ても国王の姿が見えない。
村上中隊長 「ここは攻守共に兵を用いるのに適した場所です。まさに死に場所と言える。
ここで四面に戦線を張れば寄せ来る敵兵を一撃の下に鏖殺できる」
 この時、遥か後ろで国王の侍臣がこちらに向かって手招きをして大音声を上げた。
侍臣「殿下はこれに渡らせ給うニダ!!」
村上中隊長 「全兵は今の守戦を死守せよ!!」
 竹添と村上が半小隊を率いて国王の元に駆けつける。

319 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 22:42:07 ID:ZlSn3Ya4
(続き)
 国王は丘の間の窪みに建てられた小亭に潜んでいた。
竹添 「殿下ご無事でしたか!!」
国王 「アイゴー! 公使、ウリを護るニダ!!」
 この時、右翼から清兵と朝鮮兵が迫ってきた。面高中尉と安藤少尉率いる小隊が
悉く撃って退ける。
竹添 「殿下、ここは危のうございます」
国王 「ニカ?場所変えるニカ?」
 竹添らは小高い丘に毛氈を敷きそこに国王を移した。
 清兵らは攻めあぐねたのか銃声が衰え、暫し休息の時間が取れたので
竹添は先ほどの手紙を開いて読んだが例の清軍提督からのものであった。
竹添 「・・・・一つは国王を保護するため、一つは貴兵を援護するためである、
別に他意はない・・か。何ととぼけた手紙じゃないか」
島村 「日時はいつになってますか」
竹添 「日時は書いていない」
島村 「何すかそれ。ふざけた手紙ですなあ」
竹添 「しかしいきなり攻撃してくるとは何と言う奴らだ! 袁世凱がこんな男だとは思わなかった!!」
島村 「閣下は案外中国人のことをよく知らないんじゃないですか?」
竹添 「うーーーん」
 再び銃声が激しくなった。国王が不安に駆られて色々と騒ぎ出す。
国王 「ここでいいニカー! 心配ないニカー! どこかもっとよい所はないニカー!」

228 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/08(金) 07:25:10 ID:Efq5sKyA
320 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 22:42:44 ID:ZlSn3Ya4
(続き)
村上中隊長 「公使、殿下があのように騒がれては銃声を聞いて弾丸の行方を
判断するのが困難である。もう少し静まられないだろうか」
 しかし銃声の激しさに怯えて国王らは侍臣に背負われて裏門の近くまで走り去った。
裏門の外には裏切りの朝鮮兵が大勢たむろしていた。素早く朝鮮兵が侵入して大王妃を奪い去る。
朝鮮兵 「やーいやーい、大王妃様はこっちニダー!! 王様もこちらに来られるニダー!!」
国王 「アイゴー!! 大王妃さまー!!」
竹添 「殿下!そこは危ない!」
 国王を再び丘に戻したが国王の騒ぎが止まない。
国王 「大王妃様と一緒に行くー!!一緒に行きたいニダー!!」
侍臣ら 「王様ー、どうぞお静かにされますニダー」
 しかし背負った侍臣の肩を両手で叩きながら、
国王 「(ジタバタ)皆は母親に逢いたいと思わないニカー! 朕もまた母親に逢いたいニダー!!」
侍臣ら 「なにとぞなにとぞ!お静かにされますニダ!!」
国王 「うーー、そんなら静かにするので早く大王妃様に逢わせるニダー!」

 この時、轟然として大砲の音が響き黒煙が立ち上って火柱が上がった。
ドドーン!ドカーン!!
 次いで清兵からの銃撃が止み引揚げていく姿が見えた。陽は落ち闇が深まったから
兵を引いたのかは分からない。

321 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 22:43:43 ID:ZlSn3Ya4
(続き)
 よって竹添らは国王を擁して裏門を開いて出ようとした。しかし門外の朝鮮兵は、
朝鮮兵 「それ日本人が外に出るニダ! 撃ち取るニダ!!」
と言って銃撃。先を行く侍臣が手を撃たれて鮮血が飛び散り国王の衣服にかかった。
国王 「アイゴー!! 王がここに居るニダー!!」
竹添 「殿下、やはり戻りましょう」
国王 「朕はたとえ死んでも恨みはないニダ! 大王妃様のそばに居ることを切に望むだけニダ!」
島村 「清兵は退きました。残る朝鮮兵が攻撃目標としているのは我々日本人です。
これはむしろ国王を朝鮮兵に渡したほうがよいのでは」
竹添 「だな! 我々と居ると却って国王の身に危険が及ぼう」
 よって、侍臣たち即ち朴泳孝、金玉均、洪英植、朴泳教らにそれを話した。
竹添 「朝鮮兵がいかに乱暴でも、まさか国王に害を加えることはあるまい。
この上は門外の朝鮮兵に国王の護衛を任せることこそ安全の策であろう」
侍臣たち 「分かったニダ。国王様にそのように言うニダ」

国王 「ニカ? ニダー!♪」
 国王は侍臣に背負われ門外に走り去った。共に従ったのは洪英植、朴泳教、士官数人であった。
朴泳孝、金玉均、士官の徐載弼らは闇にまぎれた。既に人の顔が判別できないほど暗くなっていた。

229 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/08(金) 07:31:37 ID:Efq5sKyA
322 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 22:47:53 ID:ZlSn3Ya4
(続き)
 村上中隊長は各所の兵を招集し点呼した。
村上中隊長 「戦死者は下士官1名、兵卒2名。負傷は士官1名、兵卒6名です」
 清兵のほうの死傷者は、後に李鴻章の言によれば死者8名、負傷者30数名と。
竹添 「すでに国王と別れて護衛の任を終えた以上は、公使館に戻って諸員と安危を共にせねばならない」
村上中隊長 「公使。清兵と快く一戦することを許されたい」
竹添 「気持ちは分かる。しかし護衛の兵は攻撃を求める性質のものではない。
防戦3時間充分に戦って遂に清兵は退却したではないか。遺憾はなかろう。速やかに公使館に帰るべきである」
島村 「どの門から出るのがよかろうか」
村上 「どの門にも敵兵が充満しているが、ただ命に従うのみ」
竹添 「では公使館に近い門がよい」

 よって部隊を前後に分け、間に公使を護衛する形で後門から退出した。
城中各所で火の手が上がっている。
島村 「日本人の商家でしょうか」
竹添 「うーむ。襲われたのかもしれん」
 公使館に向かう途中、各所で朝鮮兵の発銃があり、また石瓦礫が飛んできた。
その度に日本兵が射撃して追い払う。
 遠く火の光に照らされてはためく日本国旗が見えた。
島村 「公使館は無事のようです!」

323 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 22:48:33 ID:ZlSn3Ya4
(続き)
 この日は王宮で戦闘が始まると清兵が1度公使館を襲撃に来た。8人の陸軍兵と館員と属員、
また建築職工らおよそ百名が奮って防戦して追い払った。その後、朝鮮兵が2度襲来。
しかしこれも速やかに撃退した。その合間を縫って、京城滞在の日本人商人たちが難を避けて
公使館に走りこんで来た。
 当時、博文局も放火に遭い、そこに居た井上角五郎と友人も公使館に向かって走った。
角五郎 「あいつら何で博文局を燃やさにゃならんのだ!」
友人 「清兵じゃね?」
角五郎 「あー! けど逆恨みちゅうもんじゃい!」
 2人は這々の体で公使館に逃げ込んだ。

 しかしこの日、逃げ遅れた日本人商人家族が虐殺され商品家財は略奪された。
 殺害された者は老人婦人を含めておよそ40人。夫は殺され夫人は強姦されたもの少なからず。
生き残りの被害者の証言によれば、いずれも清兵によるものだったと言う。
中に、朝鮮人の目撃談として「6日の夕に清兵が西大門のところで日本人の妊産婦の腹を
切り裂いていたのを見た」というものもあった。
 後の天津談判に於て日本側は詳細な証言書を李鴻章に提出し清兵の懲罰と賠償を求めた。
(もちろん清国はそれを認めず)

230 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/08(金) 07:36:58 ID:Efq5sKyA
324 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 22:49:16 ID:ZlSn3Ya4
(続き)
 公使館に戻った竹添は兵を配置して厳重に警備させた。
ところがその夜中、南山の日本兵営で火の手が上がるのを見た。
竹添 「兵営の留守はどうなってたの?」
村上中隊長 「まさかこのような事態になるとは思わず、全兵を率いて来ましたので・・・」
竹添 「じゃあ、空っぽだったってこと?」
村上中隊長 「いや、兵士ではないですが士族壮士ら6人に留守を頼んでいました」
竹添 「その数じゃ無理だろ。相手は多数の清兵だ」
(実際は朝鮮人暴徒によるものらしい。5人は死亡、1人は行方不明)
村上中隊長 「公使館護衛がありますから向こうに兵を割くわけにもいかず・・・」
竹添 「うん。無理だ。この1中隊では少なすぎる」
 (でも、清国政府を安心させるために1中隊に減らしたがよいと言ったのはあんただぉw)

 つまりは糧食も全て奪われたということであった。村上中隊長の話では5、6ヶ月は戦える量だったという。
ああ勿体ない。
 公使館に食糧の備蓄は殆どない。普段は日本人商人、朝鮮人商人から毎日の食を得ていた。
この日、日本兵が140人、逃げてきた商人ら30余人、公使館館員と職工ら100人と
270名余りに膨らんでいた。

325 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 22:53:26 ID:ZlSn3Ya4
(続き)
 翌日7日、早朝から公使館前後の門に向かって銃声が絶えず、また時々朝鮮人暴徒が
数10人で瓦礫を投げて門内に入らんとしたが、守備兵はその都度銃撃して退けた。

 またこの日の朝、公使館付け武官の磯林真三陸軍大尉は2週間ほどの日程で
朝鮮内地を単身視察し終え、丁度京城に戻って来つつあった。この頃京城内外では
日本兵が王宮に攻め入って大臣たちを殺したという風評が蔓延していた。
 その噂で騒ぎになっていた京城近くの村を磯林大尉が馬でのんびり進む。
朝鮮人 「日本兵ニダ!!」
朝鮮人 「日本兵がいたニダ!!」
磯林 「ん?何だ?」
 たちまち群集が取り囲んで襲撃し、落馬したところを剣で次々に刺して殺害した。
(後にこの内の2人が逮捕され死刑に。無職者と柴売り商)
 公使館駐在武官として重要な位置に居た磯林大尉が、事変の具体的な計画を
予め知らなかった証拠である。

 また、国王に随行した洪英植、朴泳教、士官数人らはやがて全員殺害された。
清軍によるとも、朝鮮兵民によるともいう。10年後の明治27年、金玉均が暗殺されて
遺体に凌遅処刑が執行されたが、その時、洪英植の骸骨も掘り出されて
同じく凌遅処刑が行われたという。かくも朝鮮人の「恨」は凄まじい。

231 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/08(金) 07:44:16 ID:Efq5sKyA
327 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 23:04:04 ID:ZlSn3Ya4
(続き)
 午前8時頃、公使館に1人の朝鮮人が一封の信書を門外に置いて直ぐに逃げ去った。
門兵がこれをとって公使に渡した。金宏集からの手紙であった。
(金宏集)「なぜ閔泳翊が負傷した後で、閣下は護衛兵を率いて王宮に進入されたニカ!
 6大臣を殺害したことは納得できないニダ! またそれで愚民が騒いで閣下らに
暴挙を働くかもしれないので、清兵に閣下らの保護を依頼した。しかし貴国の兵は
発砲して戦意を示した。双方に死傷者も出た。閣下らの過ちである。・・・」

竹添 「何言ってんだ金宏集は今更! 王宮で新内閣が発表された時に、
あいつも任官されたじゃんか」
島村 「彼はあの時王宮にいましたかねえ?」
竹添 「ん? いなかったかな?」
島村 「しかしこれほんとに金宏集からの手紙でしょうか」
竹添 「うーん分からん」
 事変後、国王は清営に3日間とどめ置かれた。清提督らと支那党の者たちが
どのような相談をしていたかは皆目分からない。

 この後、竹添公使と清提督・朝鮮政府との間で激しい論争が始まる。特徴としては、
清提督のは書簡のたびに同じ事跡の内容がくるくる変わる。朝鮮政府側は「証言と
庶民の風説に拠り認めた事実」という観点で非難をした。一方、竹添公使は、
それらの一つ一つを具体的に逐一反論していく。何かどっかで見た光景だなあw

328 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 23:05:08 ID:ZlSn3Ya4
(続き)
 午後になって竹添公使は粥を啜りながら会計員に備蓄の食糧の量を尋ねた。
会計員 「兵隊のみに米飯を与えて他は粥にしましたが、そのう、今晩の分が
あるかないかというところです」
竹添 「そうか分かった。・・・・うーん」
 竹添は思った。
「このまま敵に囲まれたまま徒に餓死するのも策がないことである。では婦女を刺し殺して
撃って出て決戦するか(おいおい)、しかしそれも使臣の職ではない。やはりここは仁川まで退いて
我が政府の指揮を待つ他はない」と。

 この時密かに京城内の様子を知らせる者がいた。京城各門は封鎖されて専ら攻戦の
準備がされており、各地で薪を積み夜になって公使館を襲撃するつもりであると。

竹添 「村上中隊長。・・・ということだ。食料も尽きたし今は仁川に退くしかない」
村上 「死すはもとより我が職であるからどこででも死にましょう。
その死に所は公使の命に従うのみです」
 よって、館員一同もそれに賛同。
館員 「ただ南大門は特に守備が厳重と聞きます。西大門から突出すれば十中の一は
生きて仁川に達することが出来ましょう。夕方ともなれば手遅れです。一時も急ぐべきです」

232 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/08(金) 07:51:02 ID:Efq5sKyA
329 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/07(木) 23:06:14 ID:ZlSn3Ya4
(続き)
竹添 「よし! 大急ぎで準備しよう。荷物は置いて軽装で行くのがよかろう」
 竹添は金宏集宛てに、公使館の保護を依頼する一書を認め、これを公使館雇いの朝鮮人に託した。
 機密書信類を焼き皆が軽装で公使館を出たのが午後2時。
 安藤少尉先鋒、大西少尉これに次ぐ。村上中隊長は竹添公使そばにあって前後を指揮し、
書記官属員みなが刀を帯び拳銃を携えて従う。その後ろを職工らが負傷者を担ぎ弾薬を運び、
あるいは斧を携え、婦女童女の前後左右を護る。殿は面高、小谷の2中尉。
そして銃兵がそれぞれの士官の指揮に従う。明治15年朝鮮事変での花房公使一行の時に比べれば、
婦女子を擁しながらも一つの堅固な軍団であった。

 途端に朝鮮兵民が銃を発し矢を放ち瓦礫を投げてくる。それを日本兵は的確に射撃して撃退し
皆が整然と進む。
島村書記官 「そういえば浅山君は15年の事変に遭遇した人だよねえ」
浅山通訳官 「ええそうです」
島村 「あの時は君が拳銃を放って勇敢に戦ったのは人々に知られたことだが」
浅山 「そうですか。しかし今日は出番がありそうにもないようです」
 旧王宮の門の前を過ぎる時、朝鮮兵営前に朝鮮兵1中隊が大砲銃砲を乱発して日本側の側面を撃つ。
しかしいずれも砲弾銃弾は上空を飛び去り或いは地をうがつのみ。
日本兵は果敢に応戦して朝鮮兵を遂に兵営内に逃げ去らせた。
 これは清兵も同じであったが照準が出鱈目でめったに当らなかったという。
その点日本軍は調練が行き届いていた。

331 名前:マンセー名無しさん[] 投稿日:2008/02/07(木) 23:13:11 ID:ZlSn3Ya4
(続き)
 やがて西大門に着く。門兵が銃を持ち剣を構えて門を守っていた。
日本兵先鋒の小隊が突貫する。
「ウオーッ!!」
門兵「アイゴー!! に、逃げるニダー!」
 門兵は逃げ散った。
安藤少尉 「門は鉄の鎖で厳重に封されていますが」
村上中隊長 「職工の諸君、出番だよ」
職工 「おう! 任せとくべー」
 職工は大きな斧を振りかざし易々と鎖を断ち切った。
安藤少尉 「おお! さすがだ!」
 かくて一行は門外に出る。しかし追撃の敵兵はなお止まず来る。
その度にしんがりの小隊が猛烈の射撃を浴びせる。
 漸くにして麻浦に着く。後ろを顧みると京城内に大きな黒煙が上がっている。
その方角から公使館と知られた。
浅山 「またか。あいつらほんと燃やすのが好きだよなあ」
 ここで船を求めて順番に漢江を渡る。途中数十人の追撃の兵が来たが、すぐに撃ち倒す。
小船に潜んで撃ってくる数人がいたがこれも撃ち平らげた。
 漢江を渡り終われば日は暮れていた。これより追撃の者もいないので厳戒を解いて
ゆっくりと進んだ。強行軍は婦女子老人には辛いものだった。かくてこの夜は寒を忍んで
雪を冒し終夜道を歩いて翌8日午前7時に全員が済物浦に至り、仁川領事館に到着した。
 港には我が軍艦「日進」が停泊し、18cm前装砲1門、30ポンド砲6門と共に水兵160名が
港で睨みをきかせていた。
(つづく)

233 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/09(土) 21:20:10 ID:OkuG4CkI
338 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/09(土) 21:08:12 ID:dKcWC/uc
   併合前の日朝(続き)

 さて、4日に日本兵の護衛を求めた英国総領事アストンは、その日本兵2名を続けて借用していた。
 事変後、領事の元にフランス人宣教師から書簡が来たが、その文中に、
(書簡)「・・・・清軍の袁世凱が日本人の皆殺しを許可している。閣下の尽力により日本の
無辜の婦女子を救助されたい」
とあった。
アストン 「オー!ノー! これは大変でーす! 何とチャイニーズは野蛮なんだろう!」
 アストン領事は直ちに護衛の日本兵と共に英国公使館に赴き報告した。また米国公使館にも連絡し、
そこですでに日本人の妻女の救出に尽力していることを知り直ぐに米国公使館に向かった。

 米国公使フートの元にも同様に日本人保護の依頼の書簡があり、それでフートは直ぐに
朝鮮政府に掛け合い、清軍営に行って袁世凱らと談判をしていたのである。

フート 「覚えていますかー? 貴殿が兵を王宮に入れると内話した時に私はそれに反対しましたー。
王宮には日本兵がいまーす。それでは戦闘になるかもしれないから止めた方がいいとー」
袁世凱 「朝鮮政府から援兵の要請があったアル!」
フート 「それでも清兵が入ったから戦闘になったのでしょー」
袁世凱 「あちらが先に撃ってきたアル!」

339 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/09(土) 21:09:01 ID:dKcWC/uc
(続き)
フート 「ところで、日本人を皆殺しにしてよいと兵に対して許可したそーですねー!」
袁世凱 「そ、そんなことは知らないアル」
フート 「現に日本人商人が大勢殺されたと聞きまーす!」
袁世凱 「倭兵とは戦闘中だったアル! 戦いに多少の混乱が伴うのはよくあることアル!!」
フート 「兵営に日本の婦人が何人か連れ込まれたのを見た人がありまーす!」
袁世凱 「そ、そんなことはないアルと思うが・・・・」
部下 「兵営に何人か居るようですが・・・戦利品と・・・」
袁世凱 「アイヤー!・・・パカ!!」
 日本人婦女子12人が清営に捕らえられていた。
袁世凱 「兵が、ほ、保護をしていただけアル!」
フート 「婦人ばかりをですかー?」
袁世凱 「・・・・・」
フート 「その婦人らは私が預かり責任をもって仁川の日本居留区に連れて行きまーす!」
袁世凱 「それは助かるアル・・・我らも竹添公使に迎えに来るように知らせるつもりだったアル!」
フート 「ついては、けっして危害を加えない、という証書を出してほしいでーす」
袁世凱 「誰にも危害を加えさせないことは当たり前アル 護衛兵をつけるアル」
フート 「だからこそなおその証書が要りまーす」
袁世凱 「!(怒)・・・分かったアル! 早く連れていくアル!!」

234 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/09(土) 21:20:20 ID:OkuG4CkI
340 名前:マンセー名無しさん[] 投稿日:2008/02/09(土) 21:10:12 ID:dKcWC/uc
(続き)
 フート公使は朝鮮政府にも掛け合い、朝鮮兵を護衛につけるように要請。
 かくてフートは、米国公使館でも借兵していた日本兵2人とアストン領事の日本兵2人と
清営に虜になっていた婦女子、合わせて16人の日本人を、50人ほどの清兵、朝鮮兵に護衛させ、
これを米国公使館付武官ベルナドンの指揮下に置かせた。これでは街の朝鮮人も、うろつく清兵も手が出せない。
 10日、仁川領事館に無事到着、これを日本側に渡した。
 竹添公使が、フート公使に厚く感謝の言葉を述べたのは言うまでもない。
 事変後、静養のため来日したフート米国公使夫妻は、天皇陛下から皇居に招待を受け両陛下に謁見。
 陛下自ら謝意を表せられ、皇后陛下は記念品を贈られた。
(つづく)

235 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/19(火) 09:01:33 ID:z/RwDx5I
383 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/19(火) 00:46:28 ID:4LZYk89T
   併合前の日朝(続き)

 さて、竹添公使も予想だにしなかった大事件となったが、後に甲申政変とか称されるようになる。
しかし明治17年朝鮮事変とした方が日本人にとっては分かりやすいだろう。

 竹添公使一行が8日に済物浦に到着後、仁川領事館では館員挙げて日本政府への報告書作成に
徹夜で取り組んでいた。また、湾に停泊の汽船千歳丸を雇い入れて負傷者、婦女子、商民などを
乗り込ませて出発する準備などをさせたが、それら報告公信類などの作成は9日になっても出来上がらなかった。

 9日朝、フート米国公使から、日本人婦女の送還をしているので舩の出発を待ってほしいと
アストン英国領事を通して連絡があった。

 午後、朝鮮政府の交渉通商事務督弁(外務大臣)の趙秉鎬が国王勅使として仁川領事館に来る。
趙 「国王は公使を案じておられるニダ。京城に戻ってほしいとも言われているニダ」
竹添 「国王の依頼によって護衛していた日本兵を攻撃し、日本人商民まで大勢殺害し、
公使館の我ら一行にさんざん暴行しておきながら、ただ帰って来いとはあんまり俺たちを軽く見過ぎでね?」
趙 「もう静まったニダ」

384 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/19(火) 00:46:54 ID:4LZYk89T
(続き)
竹添 「その証拠は?」
趙 「よく知らないニダ。ただ勅命を受けただけニダ」
竹添 「何じゃそりゃ。だいたい朝鮮政府は前から信用できないんだよね」
趙 「とにかく帰られたらはっきりするニダ」
竹添 「ところで君はいつ督弁の地位に着いたの」
趙 「こ、これは我が政府から知らせるはずだったのに不行届きニダ」
竹添 「だから貴政府の言うことは全く信用できないんだよ」

 さて国王が留め置かれた清営では、
趙 「ということで、竹添公使は来ないニダ」
袁世凱 「なんとかうまく話をつけようと思ったのに、やはり帰国するアルか」
趙 「・・・・こ、公使が帰ったら2年前と同じように大軍を連れて来るニダ!」
袁世凱 「心配はないアル。我が軍がこうして駐在している」
趙 「それにあの憎い朴金らが日本に逃げてしまうニダ」
袁世凱 「乱の首謀者が日本に逃げたら後が厄介アル。これは何とかせねば」
趙 「千歳丸の出航を止めようにも港では日本の軍艦がにらんでいるニダ!」
袁世凱 「ふーむ。これは米英の使臣を使うしかないか」
趙 「そ、それにドイツ総領事もいるニダ。モルレンドルフから頼ませるニダ」
袁世凱 「国王に言っておけ。それら外国公使らを呼んで、『仁川に行って、朝鮮政府は日本を
決して悪くは思っていないと竹添公使に伝えてくれ』と言うようにと」

236 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/19(火) 09:05:40 ID:z/RwDx5I
385 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/19(火) 00:47:32 ID:4LZYk89T
(続き)
 そんなわけで米公使、英独両総領事は国王の依頼を受けて仁川に向かった。
 ところが趙秉鎬は趙秉鎬で、公使を引き止めようと独自に書簡を竹添に送った。
趙の書簡 「国王を幽閉して大臣を屠殺するなど非道の限りを尽くした悪党に公使は加担したニダ。
しかも我が兵を攻撃したニダ! 大砲を撃ち地雷を発して攻撃したニダ! 公使館も日本人が焼いたニダ!
公使は朴金徐なども匿うつもりニカ!!」

竹添 「野郎、喧嘩売るつもりだな」
館員 「米英独の公使領事ら3人が面会したいと来てますが」

米英独 「・・・ということで国王は日本には格別厚意を持っていると言われましたーねー」
竹添 「あ、そ。でも朝鮮政府からの書簡にはこうあるよ」
 竹添は翻訳して伝えた。
米英独 「オーマイガ! アンビリーバボ! ・・・・アウフヴィダーゼン」
 3人は手紙の途中で席を立ち、「さては袁世凱に利用されたか」とばかりにそそくさと帰っていった。

386 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/19(火) 00:53:16 ID:4LZYk89T
(続き)
 12月11日早朝、港では千歳丸船長に掛け合う井上角五郎の姿があった。
角五郎 「頼む! 彼らも乗せてやってくれ」
船長 「・・・分かった。引き受けた以上は俺が責任を持つ。誰にも手出しはさせん。しかし大勢だのう」
 そこには朴泳孝、金玉均などが従僕らを連れて待っていた。金玉均には専任の料理人まで同行していた。
船長 「まあ、いいから乗れや」
朴金ら 「カ、カムサハムニダ!」

 千歳丸は日本に向かった。もちろん竹添公使は乗っていない。

 朝鮮政府、清軍営と手紙で議論を続ける竹添進一郎は段々と怒りが込み上げてくるのをどうにも抑えかねた。
竹添 「だいたいあの時の袁世凱らの手紙は何だ! 『国王が驚くのを悲しみ、隊を派して王宮に入らせる』とは。
軍を進めて発砲することは国王が最も驚くことではないか!!」
館員 「そうっす」
竹添 「趙の野郎も俺に罪をなすりつけるつもりだな!!」
館員 「公使館を焼いたのも、我々が去った後に朝鮮乱民が家具などを片っ端から盗んでは火をつけたを
見たという目撃者がおります!」
竹添 「清軍営の手紙には、俺たちが大砲や地雷で攻撃したとある。ないものでどうして攻撃できる。
あいつら嘘だらけだ!!」

237 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/19(火) 09:06:36 ID:z/RwDx5I
387 名前:マンセー名無しさん[] 投稿日:2008/02/19(火) 01:00:56 ID:4LZYk89T
(続き)
館員 「関係ない日本人の商民まで皆殺しにするつもりだったようです」
竹添 「なんと半分が殺された!うーー、許せん!! 清軍提督を罰し清兵駐在を撤廃させて清国政府に
謝罪させねばならん!」

 竹添は中国の文化にも造詣が深く漢詩を愛する親中派の日本人と言える人である。
それだけに裏切られたという感情と共に激憤甚だしいものがあった。
 親中派の日本人ほど中国人をよく知らないという皮肉。ま、これは親韓日本人にも言えること。

 さて、日本政府が事変のことを知ったのは、竹添からの報告よりも先に11日に日本駐在清国公使からの
通知によるものであった。
 その頃天津領事の榎本武揚も清国政府大臣からそれを聞いた。

清国大臣 「・・・ということで日本側が先に戦端を開いたらしいアル」
榎本 「えーっ? あの漢学者の竹添公使が? 彼は常に貴国の提督と意気投合して睦まじく交際している人だよ。
信じられんなあ。そちらから先に撃ったんじゃないの?」
清国大臣 「とにかく、他国の干渉があってはならないアル。どこまでも清日2国間で平和裡に事を治めたいアル」

 日本政府もあまりにも重大且つ信じ難いことだったので、急遽調査員を派遣。竹添公使と村上中隊長に尋問した。
(つづく)

238 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/27(水) 11:10:37 ID:PGXzzhKo
428 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/26(火) 22:43:01 ID:BrwivrhE
   併合前の日朝(続き)

栗野慎一郎少書記官 「ということで、本日は職務として尋問したい」
竹添 「何なりと答えよう」
栗野 「朴金らが洩らした乱の策であるが、それを抑止するために充分説得したのか」
竹添 「充分やった」
栗野 「その後、朴金らが事情を述べて助力を乞うような内談があって、それで今度の暴挙となったのか」
竹添 「その相談はなかった」
栗野 「国王から依頼した証拠があるか」
竹添 「『日使来衛』と書いた親書と国璽がある」
栗野 「事前に朝鮮兵との打ち合わせがあったか」
竹添 「朝鮮兵とは一切関係していない」
栗野 「清兵は発砲しながら王宮に入ったのか」
竹添 「王宮に侵入し充分に配置した後に不意に発砲した」
栗野 「清兵が日本兵よりも先に発砲した証はあるか」
竹添 「王宮各門の守備は朝鮮兵であって、日本兵には関係がなかったことが証である」
栗野 「朝鮮兵と清兵が合力した機会は何か」
竹添 「清兵に調練されていた朝鮮兵は皆その命令に従うまでであった」

429 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/26(火) 22:44:15 ID:BrwivrhE
(続き)
栗野 「朴金ら暴徒が大臣らを暗殺した後に、朝鮮新政府から新任の官吏任命の通知があったか」
竹添 「金宏集から照会があったのみである」
栗野 「清兵か朝鮮兵が我が公使館に発砲したのは確かか」
竹添 「まず大庭四等属官が、清兵が10人足らずで発砲して来るのを見た」
栗野 「その後暴徒(朴金ら)はどうなったか」
竹添 「洪英植は殺害され、他は脱走した。その後の風評があるが確かなことは全く分からない」
栗野 「清兵司令官は今は何をしているのか」
竹添 「袁世凱なる者が総て朝鮮政府の内政を指揮している」
栗野 「京城公使館はどうなったか」
竹添 「既に焼失した」
栗野 「日本人が殺傷されたのは清兵の手によるものとの証はあるか」
竹添 「ある。写真師杉岡の話などを聞くとよい」
 その他、袁世凱が日本人を虐殺してよいと布告を出していたことの話などなど。
栗野 「村上中隊長に同じく尋ねたい」
村上 「何なりと」
栗野 「清兵は何人ほどいたのか」
村上 「およそ1500人。我が兵はあまりに少数であったが、敵兵の射撃が未熟であったことが真に幸いした」
 その他、奪われた兵営には5、6ヶ月は維持できる糧食の準備があったことなどを述べた。

239 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/27(水) 11:15:33 ID:PGXzzhKo
430 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/26(火) 22:44:47 ID:BrwivrhE
(続き)
 さて、朝鮮政府からの書簡や「事変事実書」なるもの、また清軍提督の書簡や上申書、また清国政府が
日本政府に公布した事変始末書なども記録されている。しかし、なぜか事跡一つ一つに対する内容が
皆違っている。つまりは報告のたびにくるくる変わっているのである。一貫しているのは竹添公使に対する
非難であり、事実に関しては適当に書いておけという感じで、要するに個別の「事実」は日本側を
非難するための修飾的字句として書かれたという印象。う〜ん、これは興味深い。最初に結論ありきで
「事実」は後から適当にくっつけると。

 しかし竹添進一郎としては我慢ならないところ。
竹添 「多くを捏造してやがる。その歴然たるところを挙げて弁駁するぞ」
 と猛烈に反論の書簡を出しまくる。
 で、議論は議論を生み愈々ヒートアップしてくるというパターン。
 終に竹添、「もう武力を以てするしかなかろうぞ!!」
とばかりに井上外務卿に以下のように電報。
(竹添電報)
「・・・・朝鮮政府からの書簡には傲慢無礼の文字が並び、今は手紙の遣り取りよりも京城に戻って
直接談判をして、まず朝鮮政府の過失を認めさせねばこの事件の解決は全く望みがない。
井上閣下には和平の精神に反すると思われようが、これに失敗するならば和平の取り計らいを
断念するしだいである。その時は速やかに軍隊を送って迫り報復の処置をすべきである。
もし閣下がなおも和平の談判を望まれるなら速やかに拙者を適当に処分されるほかないであろう」

431 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/26(火) 22:50:12 ID:BrwivrhE
(続き)
井上 「竹添公使はだいぶ頭に血が上っているらしい」
伊藤 「まあ無理もないが・・・世論もすごいことになってるのう」

 事変のことが日本全国に知れ渡ると国民挙げて清兵の暴行に憤り、清国を征伐せよとの声で騒然となった。

西郷従道 「しかし今の日本には清国と戦する力はありもはん」

 例の世界最大級の清国甲鉄戦艦の定遠・鎮遠も既に明治14年末に完成していたこと
(ただし清国への引渡しはまだ)を日本政府は知っていた。清国がその他の砲艦も次々に購入していることも。
一方、日本海軍にはまともに海戦が出来る艦船は数隻しかなかった(明治15年当時で)。
よって海陸軍の拡張及び共同運輸会社の設立等に着手したばかりであった。

井上 「それについてフランスが変な手紙をよこしたぉ」
上海駐在安藤領事からの電報
「駐清仏国公使から『仏国政府は日本政府と同盟関係を結びたい。ついては援軍として4艘の甲鉄軍艦と
1万6千人の兵士を派遣することに決した』との旨申し込みがありました」
西郷従道 「やれやれ、ベトナムでドンパチやってるから、清国を共に討とうという魂胆か」

240 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/27(水) 11:18:26 ID:PGXzzhKo
433 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/26(火) 22:56:38 ID:BrwivrhE
(続き)
井上 「榎本は『フランスの色気話』などと言ってるぉ」
伊藤 「はは・・・金髪女は後が怖いっちゃ」
三条太政大臣 「とんでもない誘いでごじゃる」
有栖川左大臣 「やはりここは井上はんが話し合いに行くほかないなあ」

 ということで井上馨が行くことになったが、日朝間、日清間の談判要綱である訓条は井上馨が自ら起草。
・ 朝鮮政府と談判し責任者の処罰を求める。
・ 公使館と兵民の損害に対する賠償を求める。
・ 日清争闘の事件処分は調査の結果により判断。
・ 日清両国は今後再びの争闘の危険を避けるために兵を徹すること。
・ (清国が)兵を徹することに同意しないなら、我が国への利を適宜計画。
・ 朝鮮国王から我が皇帝陛下に謝罪の書を提出させる。
と。

井上 「ところで朝鮮国に対する我が国の政策方針だけど、・・・我が国としては朝鮮国の独立を補助するのか、
それとも補助を放棄して清国政府に一任するのか、どうするよ?」
三条太政大臣 「またそのことでごじゃるか」
伊藤 「すでに日朝条約で独立国と認めているっちゃ」

434 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/26(火) 22:58:02 ID:BrwivrhE
(続き)
井上 「自分としては独立を補助するについても、清国政府と相談しながら事を進めるのがよいと思うけど」
 当時、井上としては朝鮮の独立問題に日本が積極的に関わることに消極的であった。
必ず清国と対立することになり終には重大な局面をもたらしかねないからであった。
 もちろん、政府内ではいろんな意見があるのは常のこと。それで、あの時伊藤がこう言った、
この時西郷がああ言った、三条がと、いろいろに個人の意見が後世評されるのであるが、
しかし結局は総意として閣議決定したものが日本政府の方針である。

 よって井上の問いかけに対して政府決議したもの、つまりは「日本は朝鮮をどうするの?」とは、
・ 従来からの関係により日本政府は朝鮮の独立を認めざるを得ない。つまり補助すべし。
・ 朝鮮から日清両国の兵を引揚げることを談じ、清国が朝鮮の属国を主張して兵を引かないなら、
  結局は日清共に駐兵さぜるを得なくなるだろう。
というのが当時の政府方針となる。

241 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/02/27(水) 11:21:44 ID:PGXzzhKo
435 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/26(火) 22:59:56 ID:BrwivrhE
(続き)
 また、従来からの関係とは、井上の言葉を借りれば以下である。
「(明治初頭に日本政府では)朝鮮の独立を養成させるべしとの政略が定められた。
以来我が政府は外交の手段を以って欧米各国に派出する我が公使をして間接直接にそれぞれの国に説かせ、
以って朝鮮国を扱うに独立国としてこれと条約させる事に努め、他の一方に於てはその国力を養成させるために
兵器を贈与し兵式を教授させ、またその国から我が国に留学するところの生徒は特に官学校に入学するのを許し、
漸次にその国内政治を改良させんとしてきた」

 外に何かある? かつての「征韓論」? 何それ? 日本政府の方針にあったかな?
 「日帝による収奪論」? いよいよ笑止。出血サービスしているのは日本の方じゃん。
「清国から朝鮮を引き離して日本の手中にする」?
それ李鴻章が朝鮮を独立させないように支那党に吹き込んでいた説だからw。

 さて、国民世論は朝鮮の支那党を憎み朴金らに同情し、清国との開戦論に激しく傾き始めていた。
で、日本政府としてはそれを止めるために新聞条例を発布して新聞・雑誌の検閲に着手。

437 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/26(火) 23:06:30 ID:BrwivrhE
(続き)
記者 「開戦やむなし!!」
政府 「だめー!! 戦争煽るなっ!!」
記者 「あの韓奴めが!」
政府 「だめー!! 韓奴なんか言っちゃ。朝鮮は日本との条約国だぞー!!」
記者 「支那のチャンチャン野郎が!
政府 「チャンチャンなどという侮蔑語使うなーっ!!」
記者 「竹添公使は乱党に加わっていた」
政府 「嘘書くなー!!」
記者 「日本兵が最初に撃った」
政府 「こらー! 出鱈目書くなー!!」
記者 「竹添公使は逃げ帰った!!」
政府 「嘘書いて竹添公使を誹謗するなー!!」
記者 「清兵が日本人妊婦の腹を切り裂いたのを見た朝鮮人がいる」
政府 「だめーっ!! 国民に激情を焚きつけることになる!!」
記者 「それじゃあ何書いたらいいんすか?」
政府 「記者の一個人の思想を語るのは自由だよ」
記者 「つまり個人名でなら意見を書いてもよいと」
政府 「そういうこと」

 「新聞条例による検閲」というのは今ではまるで悪玉扱いされているが、中身も読まずにそんなレッテル貼るのは
いい加減にしてもらいたいものだ。

 ま、とにかく開戦論に傾くのを必死にくい止めようとした当時の日本政府なのでしたー。
(つづく)

242 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/03/10(月) 11:30:11 ID:d3USiEao
449 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/03/10(月) 00:29:34 ID:HiHvreqU
   併合前の日朝(続き)

 さて、朝鮮と清国への日本国民の轟々たる非難の嵐は止むことなく、竹添公使も益々
ヒートアップして朝鮮の地で激論を続けている。朝鮮政府も珍しく強気。
もっとも清国をバックにした支那党政権だから。
 実際、竹添公使が言うように、武力によるしか解決の道がないように見えてきた。
そういう中での井上大使派遣である。

李鴻章 「我国も談判の大臣を派遣するアル。北洋副大臣呉大澂を出すアル」
天津の原領事「場所は京城と言うことでOK?」
呉大臣 「ついては一兵も連れずに単身で行くアル」

原領事 「ということでしたが」
井上大使「あそ。ほんじゃこっちも」
 ところが井上が下関に着くと在日清国公使から、
清国公使 「我が大臣はやっぱり兵を連れて行くアル。4百人ばかりアル」
井上 「おーい。今になって変えんの?」
 それで井上も急遽2大隊を編成して護衛させることに。
井上 「ところで清国大臣は全権は委任されてる?」
清国公使 「全権は委任されてないアル」
井上 「なにそれ。重要事項をどうやって決定するの」
 ということで、井上は呉大臣とは談判をしないことに決した。

450 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/03/10(月) 00:30:25 ID:HiHvreqU
(続き)
伊藤 「聞多しゃん、清国の方の談判は俺が行ってくるっちゃ」
井上 「俊輔がそうしてくれるといいぉ」

 ということで、井上一行が仁川に到着したのは年の瀬も押し迫った12月30日。
仁川領事館に入ると竹添公使は不在だった。

井上 「あれ? 竹添公使は?」
領事館員 「それが京城に行っておられます。井上毅議官も一緒です」
井上 「あそ。じゃ井上議官を呼び戻して」
 翌31日、井上議官戻る。
井上毅 「公使は趙秉鎬督弁と直接談判しましたが、趙督弁の言うことは無茶苦茶ですよ。
市中の風説を事実と主張してあることないこと言ってますから」
井上大使 「案の定、不毛の議論になってるらしいの」
井上毅 「公使の方は国王の親書や国璽印を見せて反論してますが」
井上大使 「公使に議論中止を命ずると言って」

243 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/03/10(月) 11:34:05 ID:d3USiEao
451 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/03/10(月) 00:30:52 ID:HiHvreqU
(続き)
 やがてその趙督弁が井上大使を訪問。
井上 「両国の一大事なので我が皇帝陛下は余を派遣された。余は多忙の身である。
速やかに国王に謁見したい」
趙 「かねてから御威名はウリの国までも轟いているニダ。必ず公平の処置をされる
と信じ喜びにたえないニダ。ところで大使にはこれまでのウリの政府と公使の間での
議論往復の書簡は読まれたニカ?」
井上 「もとより承知。しかしそれは貴政府が勝手を言っているだけで政府と政府の議論にあらず。
公文でもない。もしこれによって談判せんとするなら余は何も言うことなく帰るのみ」
趙 「そ、それは政府と談判されたら分かるニダ。ただ今日では両国間に問題はないと思うニダ」
井上 「そちらになくともこちらがそれを認めないなら両国間に問題があることになる。
朝鮮政府が我が国の請求に応じないならどういう結果になるか分からんよ。つまり和を結ぶかどうかは
そちら次第。余は和を結ぶことを望むが」
趙 「も、もちろん政府もそれを願っているニダ」
井上 「では速やかに謁見が出来るように貴殿からも尽力されたい」
 勢い込んで来たはずの趙は竹添公使非難の言葉も口に出来ぬまますごすごと帰った。

452 名前:マンセー名無しさん[] 投稿日:2008/03/10(月) 00:34:17 ID:HiHvreqU
(続き)
 以降、井上は戦闘モード。だいたい井上馨のことを知る人は「カミナリ」と称していたという。
肺腑をえぐるような言葉とともに一喝するので有名だったと。

 その頃竹添公使は公使館焼け跡の調査を警部と巡査に命じて派遣。ところが西大門を
通過しようとすると警備する清兵数人が銃口を向け銃剣を突きつけて妨害。
 それを聞いた公使護衛の日本兵が激怒。直ちに西大門に行って清兵を撃つことの許しを公使に迫った。
 また、趙督弁らは竹添公使に向って、通訳官の浅山顕蔵は朴金らに通じていたので
井上大使の国王謁見の通訳にふさわしくないと言い立てた。

 それらを聞いた井上は、私闘を許さずと兵に通達し、また朝鮮政府に対し、
井上 「余の入京の妨害をするなどの失敬があるなら臨機応変の処分に出る!
また、余が使用する者は余が選ぶ。他人が口出しすることではない!
もし浅山顕蔵が賊に通じていたというなら証拠を示せ!ただちに罰することである。
証拠がないなら疑惑で人を誣告するも同然である!」
と宣言。
 それを聞いた趙督弁らは唯々として議論を引っ込めた。
(つづく)

244 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/03/15(土) 10:46:13 ID:CjxvNk92
469 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/03/14(金) 00:11:21 ID:K3rWESfA
   併合前の日朝

 明治18年1月6日、井上大使は国王に謁見。
井上 「談判は大君主殿下が直接に本使とされようか。それとも御委任の全権大臣に殿下の御前で
会談させられようか。殿下の御聖意は?」
国王 「余が信用する大臣に全権を与えて談判させるはずニダ。貴使にも速やかに好局を結ぶことを望むニダ」
井上 「貴国での事件は三度目になるが、かつて江華島での会談では大いに日時を無駄に過ごした。
よって速やかに会談が終局するのを望む。明日にも開談したい」
国王 「明日からするニダ」
井上 「なお一言申したい。貴政府と我が公使との間で往復した書簡に基づいて談判される時は
本使は応じない。前以て申し上げておく」
国王 「談判すれば自ずと分かるニダ」

 井上は当初から事件詳細の議論は避け、公使館が襲撃されて焼かれたこと、日本の兵と商民が殺害されたこと、
の2点に対する謝罪と賠償を求めるつもりであった。
 一方、朝鮮側は事件詳細を議論して竹添公使に全ての罪をかぶせたいところ。しかし国王御前での会談となると
国王としては、事件の時に竹添公使に護衛を依頼し、且つ一旦は朴金ら乱党に組して新政権を発足させ、
また日本政府と結んだ内密の借兵協定のこともある。談判議論詳細に及んで
その証言を求められるようなことがあれば一番困るのは国王のはず。
 結局、国王は御前での談判を認めなかったが、珍しく約束を守って翌日7日に議政府に於いて談判を開かせた。

470 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/03/14(金) 00:11:45 ID:K3rWESfA
(続き)
 談判相手の全権委任大臣は金宏集。陪席として趙督弁とモルレンドルフ。

井上 「全権委任状を見たい」
金 「趙督弁から写しを差し上げたニダ。まだ見られてないニカ?」
井上 「まだ見ていない。竹添公使に渡されたか」
金 「ニダ」
井上 「外に写しがあるならそれを拝見したい」
金 「ここには持参していないので今公使館に取りに行かせたニダ。すぐに来るので談判されていいニダ」
井上 「このような談判の時には必ず初めに委任状を互いに見るのが万国の通例なのでそうしたい」
金 「もっともニダ。けれども拙者が全権の委任を大君主殿下より受けたのは確かニダ。
会談されても差支えないニダ」
井上 「全権の権限があることを確かめてから話そう」
金 「拙者から一言申し上げたいニダ」
井上 「ほう、事件について貴下から開談されんとな」
金 「ニダ」
井上 「まあ待たれよ。定まった式があるのだから」
金 「それなら雑談ならいいニダ」
井上 「支那兵は何人いるのか?」
金 「城内には1400人ほど」
井上 「城外には?」
金 「少々が馬山浦にいるニダ」

245 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/03/15(土) 10:52:22 ID:CjxvNk92
471 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/03/14(金) 00:12:11 ID:K3rWESfA
(続き)
 ここでやっと委任状が来る。井上が手に取って読むと、
委任状 「・・・京城に不幸にも逆党の乱があった。それで日本公使はその謀を聞き誤り、進退拠り所を失い、
公使館は焼け、民は殺され・・・」などとあった。

井上 「互いに想像を逞しくして議論詳細に及ぶなら話はまとまらないだろう。この文字は削除されたい」
金 「この『公使はその謀を聞誤り』というのは貴政府に随分気を使って書いたニダ」

 本当は公使が乱党を助けたとか書きたい所を気を使って言葉を変えたということらしい。

井上 「その文字を残すなら事実を取り調べなければならない。想像で主張するなら議論は果てしないだろうし、
やがてその極点は腕力にゆだねる方法しかなくなろう。それでも議論するのをお望みなら避けるものではない」
金 「大使は和平を結ぶために来られたはずニダ。事件の顛末だけでも聞かれたいニダ。
談判とは別にこの場だけでの話として聞かれてもいいニダ」
井上 「まずよく考えられよ。そちらが想像疑惑によって話すとするなら、こちらの方でも大いに疑惑を抱いている。
それによって談判するなら決して妥結の道はなく、清国まで巻き込むことになろう」


472 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/03/14(金) 00:17:27 ID:K3rWESfA
(続き)
金 「ごもっともニダ。それでも互いに吐露して理解しあった上で談判されたがよいと思うからニダ。
例えば腫れ物の膿を出し尽くして後に話をまとめるなら双方気持ちよく和交が保てるニダ」
井上 「同じである。そちらに疑いがあるなら、こちらにも疑いがある。これを出し合って
話がまとまらないようにするなら却って腫れ物は膨れよう。疑惑と疑惑を主張してまとめ損じた例は
世界各国に多数ある。破裂することも考えずにそれでも強いてお望みなら、こちらもそのつもりで談判する」
金 「大使の言われる意味は分かっているニダ。けど理解できないのは、腫れ物を治すには
名医によらねばならないことニダ。大使が来られると聞いて大いに喜んだニダ。
必ず公平に処分されるだろうと。それで互いの疑いを解かねば談判はまとまらないのではないニカ」
井上 「拙者は反対である。協議終わってから後に、ただその場だけの話とするならよい」
金 「拙者は事の始終を話して互いにさっぱりしてから談判に及びたいニダ」
井上 「拙者は反対である。決してまとまらないだろう」
金 「拙者は事の順を追って談判することを望むニダ」
井上 「お望みならそうしよう。さてそれならその用意をせねばならない。今日のところは談判は止めて
日を改めて開談しよう」
金 「ただ自分は順序を追うほうがよいと思っているだけニダ」

246 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/03/15(土) 10:56:37 ID:CjxvNk92
473 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/03/14(金) 00:20:32 ID:K3rWESfA
(続き)
井上 「もはや多言は必要ない。強いて順序を追って貴下の言われるとおりにせよと言うのか、
またはそうでないのか、答えを聞きたい」
金 「そのようにお話なさることではないニダ。今日のところは遅くなったので大使にはご再考の上で
明日か明後日にご都合次第で開談されるニダ」
井上 「拙者はそのような不決断の者ではない! 再考するところはない! 貴下の答えを聞こう!」
金 「それについては一応大君主殿下に申し上げた後に判断したいニダ」
井上 「それならば何故に全権であると言うのか」
金 「始めには異論があっても必ず妥結させるようにということを委任されたニダ」
井上 「自ら決することが出来ないなら何が全権であろう。拙者はただ談判が貴下の言われる通りに
せねばならぬとかなるとかの答えを聞けばよいのである」
金 「拙者は全権あってもそこまでには至らないニダ。大君主であっても一々親裁することは難しいニダ。
とにかく明後日まで待たれるニダ」
井上 「拙者多忙の身で空しく日を費やすことは出来ぬ。今日その答えを聞こう」
金 「お忙しいことは充分承っているニダ。それでは明日にお出で願うニダ」
井上 「明日の何時なのか」
金 「今日と同じに午後1時からご足労願うニダ」
井上 「用事あって寸暇も惜しい身である。午前9時にしたい」
金 「9時では困るニダ。12時までに願いたいニダ」

475 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/03/14(金) 00:24:56 ID:K3rWESfA
(続き)
井上 「談判の結末次第では両国が干戈を交えることになるやもしれぬほどのことを扱うのに、
これぐらいのことが出来ぬことはなかろう。我国の人民は甚だしく憤激しており、
この場で一歩誤れば決裂となるかもしれない。しかし拙者は平和を望むので結論を先にして、
その他の話は後にしたいと申しても御決意なさらないなら、今はお暇しよう」
金 「両国大事のことなので3時間ぐらいはどうともして、明朝9時にお出でを願うニダ」
井上 「それなら承知する。似せたものを人に与えるのは好まぬ。お互いに不愉快である。
本当の平和を結ぶことを拙者は望んでいるが、事によっては反対となろう。先年の花房公使も全権であったが、
後ろに拙者がいるのでなおも綻びを繕う道もあった。しかし拙者は外務卿の身なので後がない全権である。
ここで破裂すればもう他に道はない。そこをよく考えられよ」
金 「和平の御精神は承知しているニダ。また拙者も同様である」

 これにて第一日の談判は終わったが、趙督弁たちが委任状の文字の削除のことで話し合っていた。
よって井上はモルレンドルフに伝えた。

247 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/03/15(土) 11:00:54 ID:CjxvNk92
476 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/03/14(金) 00:25:16 ID:K3rWESfA
(続き)
井上 「想像説で押し問答するなら誰がこれを裁くのか。本談判にまで至らないのに
そのような瑣末のことで討論するのは愚かではないか」
などと懇々と説得。
金 「大いに理解したニダ。文字は削除するニダ」
 ここで朝鮮政府が用意したシャンパンで杯をあげる。

井上 「よく考えよ。今日のこの一事さえ論争すればこのように時間を費やす。まして前々からの詳細を論じて
互いに想像疑惑をもって談判するならいつの日に妥結しようか。明日は小さな議論は捨てて肝心の点を
議論して速やかに妥結し、異心を去って快くシャンパンを飲まんことを希望する」
金 「拙者も然り。この杯は明日の喜びを祝して飲むべきである」

 事件詳細の議論を切って捨てたは井上の辣腕と。おそらく報告を聞いた国王も却ってほっとしたかもしれない。
 しかし強圧的な井上の論法には最初から怒りが滲んでいた。後にこの事変のことについて井上は、
「かつての国王の借兵の約束通りに依頼を果たした結果がこれであったことに、当時日本政府の者は皆、
朝鮮に対して極めて大不快を覚えたものだ」と述べている。よって、半ばプッツンしかかっていたのかもしれない。


477 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/03/14(金) 00:26:38 ID:K3rWESfA
(続き)
 また井上は、この時始めて謁見した朝鮮国王すなわち高宗のことを評して次のように言っている。
「今年およそ34、5歳(当時数え年34才)と見える。この年齢で事を処するのにこのようであるなら、
たとえ他から賢良なる人を送って諄々と説諭しても善を進めて悪を去るということは出来ないことは
知るべきである」と。つまりほとんど優柔不断且つ無能と。明治元勲の一人、井上の眼力による人物評価は厳しい。
 また、金宏集であるが、後に朝鮮議政府の主事の人物評によれば、
「人と争うのを好まず極めて慎重な性質」の人であるとある。朝鮮人としては珍しい人物ではなかったろうか。
後に井上が朝鮮政治家のリーダーとして期待したのがこの金宏集であった。

 さて、2回目。金宏集は前日の委任状の問題となった字句などを削除して修正したものを提示。
井上は了解して条約案を見せた。

1、朝鮮国は国書を以って日本国に謝罪を表明すること。
2、日本被害兵民遺族や負傷者を恤給し、また毀損略奪された商品被害を補償して、朝鮮政府は11万円を支払うこと。
3、磯林大尉を殺害した犯人を逮捕して処刑すること。
4、朝鮮政府は日本公使館の建築費用に4万円を支出すること。
5、明治15年の条約に基づき護衛兵営の設置
と。

248 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/03/15(土) 11:03:39 ID:CjxvNk92
478 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/03/14(金) 00:31:03 ID:K3rWESfA
(続き)
金 「先に40万円を御返却されたので、補償金のお話はないかと思っていたニダ」
井上 「今度は死亡者も多く商品の損害なども無視できない。先の事変の処分に比べれば難題ではないと思うが」
金 「決して金額のことを申したのではないニダ。先の大使の御尽力を謝して申したニダ」
井上 「わかった」
金 「2の『兵民』は『人民』とされたいニダ」
井上 「文字はどうとも。そうする」
金 「『補償』は『補填』とされたいニダ」
井上 「それもそうしよう」

 朝鮮人は外見にこだわり、日本人は実質があればよしとする傾向があるようだ。

金 「磯林大尉のことは真にお気の毒だったニダ。大君主殿下も遺憾の至りとされたニダ。
同氏は大いに大君主殿下の信用ある人だったニダ」
井上 「大君主殿下にもそれほど思われていたことは我が天皇陛下にも申し上げる。
彼は武官であるから自らの名誉を保つことのみを思っていたであろう」
金 「磯林大尉のことは貴国の憤りも我国の憤りも同様なので必ず相当のことをするニダ」

 金宏集はこの後別文で、犯人の処分を20日以内に行うことを約束した。

480 名前:マンセー名無しさん[] 投稿日:2008/03/14(金) 01:01:22 ID:K3rWESfA
(続き)
井上 「次に公使館のことであるが承諾されたい」
金 「これについては少しお話がある。これによれば朝鮮人が焼いたのではない証拠があるので
公使館を償うことはお断りしたいニダ」
 と言って、書付を見せた。
 それは日本公使館で使用していた朝鮮人の口述で、朴金らが服を着替えて公使と共に仁川に行ったことや、
公使館の文書に石油を掛けて焼いていたので、それが延焼して火事となったのだろう、などと記してあった。

井上 「これでは証拠にはならない。朴金らのことも調べたが誰も知ったものがいなかった。
また書類を焼いたのはこの前日であり、消失はその後である。公使らが黒煙が上がったのみを見たのは
麻浦からである。貴国人が焼いたのは間違いないことである」

 そこに、突然モルレンドルフが、
モルレンドルフ 「清国大臣の呉大澂が見えて大使と会いたいと言っていまーす」
呉大澂は井上の返事も聞かずにさっさと談判の席に入ってきた。

 後に井上はこの時のことを思い出して、
「呉は談判に干渉することを望んだようである。ならば、どうしてこのように唐突に来て、
どうして面会の順序もわきまえないのか。外交の道を知らないのも甚だしい。自分は実に憤怒に耐えなかった」
 井上、あやうくカミナリを落とすところだったらしい。
(つづく)

249 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/04/24(木) 08:10:16 ID:/z8iX0IU
487 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 00:35:35 ID:MWTgYFur
   併合前の日朝

 井上は立って呉と握手をして告げた。
井上 「今は朝鮮大臣と議論中である。貴下とは会談できない」
呉 「これは私事ではないアル。自分もこの会談に関係があるアル」
井上 「はあ? 朝鮮のことは韓官と談判し、清国のことは清官と談判するだけだが。
それに貴下は全権もなかろうからお話することはない」
呉 「それでは日朝両国の紛議を調停したいアル」
井上 「それもお断わりする」
呉 「それもお許しないなら仕方がないアルが、ただ公平な結果を望むアル」
 と言って呉は金宏集に向かい何事か書付をして渡し、やがて去った。

井上 「彼がどうして来たのかは分からないが、顔つきを見ると貴下に言いたいことがあるように見えた」
金 「呉がなぜ来たのかは言うことはないニダ」
井上 「貴国は清国の指令を受けて談判するのかね。それなら日朝条約というのはおかしなものではないか」
金 「何でもないニダ」

488 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 00:36:23 ID:MWTgYFur
(続き)
井上 「呉が書いて貴下に渡したものは、貴下の全権の上に命令するもののように思える。
それならこうして談判するのもおかしなことだ」
金 「呉が来たのは談判中を知らずに私事で来たニダ」
井上 「書いて渡したものを見たい」(キター!)
金 「特別のことではないニダ」
井上 「別に面倒を起すわけじゃないので見せられよ」(面倒起す気満々w)

 金は書を出して見せた。
呉の書「事変を調べたが、乱党のことを議題とせずに条約を結ぶなら乱党のことが不問に終わるぞ。
強いて言うわけではないが朝鮮万民の憤懣を恐れるから言う。閣下がこれを理解せねば大いに不利になろう」

井上 「この書について色々疑いが起こる(面倒キターw) 文に直接言っていないが雰囲気として
朝鮮は支那の属国という意味を婉曲に示しているようだ。
果して属国なら、また清官と色々と相談した上でのことなら、貴政府との談判は出来ない。」
金 「これは大使のお言葉とも言えないニダ。大使は御承知ないニカ。ここで決したことを誰が何を言おうか。
その証拠に日本と条約を結んだことにも清国から干渉したことはないニダ。拙者が何も相談していないのに
そのお疑いはどうかと思うニダ」
井上 「現に今命令する者があったではないか。両国談判の席に入り込んだではないか。
その言を容れるのがその証拠ではないか」

250 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/04/24(木) 08:22:22 ID:/z8iX0IU
489 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 00:41:10 ID:MWTgYFur

(続き)
金 「決してそうではないニダ。今日の談判に早く戻った方が双方のためであるニダ」
井上 「こちらの立場になって考えられよ。もし仮に貴下が人と公事を議論している所に、
拙者が突然入って来て干渉の言葉を発するならどう感じられるか」
金 「まことにそうニダ。しかし彼は談判中と知らずに私語の席と思って来たニダ」
井上 「私語の席として来たのなら談判に干渉することを言わないのではないか」
金 「まことにそうニダ。拙者も干渉するために来るはずはないと思うニダ」
井上 「しかし現に彼は自分も談判に関係があると言ったではないか。私事ではないと言ったではないか」
金 「なにとぞ大使には聞かなかったこととされたいニダ。大使には関係なかったこととされたいニダ。」
井上 「困った問題が起きたものである」
金 「彼が来なかったらよかったのに。余計に時間を費やしたニダ。しかしウリには関係ないことニダ」
井上 「貴下には関係なかろうが自分は感じるところがある。貴国が清国の属国かどうかを調べねばならない」
金 「国内のことは他国の干渉はなく我が国の勝手である。ここで決したことを他国が
取り消しを求めるようなことは無いニダ」
井上 「国と国との権利を争うのは容易ではない。このようなら遂には国王にもご迷惑となろう。
属国でないと言うことも一時しのぎの言葉ではないのか」
金 「拙者は全権を委任されたニダ。拙者が談判で決したものは外からは干渉されないニダ」
井上 「甚だ不愉快を感じるが何とか談判をまとめねばなるまい。
しかしこの事は清国とは関係しないことを保証されたい。」

490 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 04:53:44 ID:MWTgYFur
(続き)
金 「外から関係はさせない。また関係することもないニダ」
井上 「清官と相談されることもないか?」
金 「今日ここで決することなので関係ないニダ」
井上 「今日で談判がまとまらないなら、どんな面倒になるかもしれない。速やかに議決して調印することを望む」
金 「今日に決して清書し、明日に調印したい。決して言は変えないニダ」
井上 「よく考えられよ。談判がまとまらないなら貴国にとっても大事となろう」
金 「拙者も速やかに決したい。条約の細かい点を話せば長くなるので略して要点を摘んで申したいニダ。
御承知できるところは速やかに御承知されたいニダ」
井上 「出来ることは承知しないことはない」

 朝鮮は万事を清国の指導に仰ぐ属国である。しかし日本に対しては条約上、独立国の体面を通した。
今日もし談判がまとまらないなら後で清国大臣である呉大澂の干渉を受けるのは必至である。
よって金宏集もどうでもこの日の内に談判を結びたかったのだろう。

金 「公使館に放火したという文字は削除されたいニダ。罪なき我が人民に罪を負わせたくないニダ」
井上 「貴国人が焼いたのではないという意味か」
金 「誰が焼いたということだけはお取り消しされたいニダ」
井上 「文字だけを削るのも不可ではないが、それでは賠償のことはどうするのか」

251 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/04/24(木) 08:29:20 ID:/z8iX0IU
491 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 04:54:33 ID:MWTgYFur

(続き)
金 「要点だけ申し上げるニダ。4万円の額は半分にされたいニダ」
井上 「よく事情を考えられよ。建築用の材木などを日本から運ぶから2万円の倍の費用がかかるものである。
前の公使館が5万円であった。今度焼け残りの瓦などをそのまま使うように言ったが、それは使えないと言う。
しかし少なく見積もらせて充分減額させたと思うが」
金 「なるほど。大使の公平の御心を承知した上はこの事は拒まないニダ」
井上 「貴国の経済の困難はもとより察している。それで今一つの考えがある。
どこか高い場所で修繕すれば済む家屋を土地と共に交付されたい。その上で修繕料に2万円を渡されてもよい。
この2万円は結局は貴国で消費するので、政府から出て人民に入るから貴国の外には出ないだろう」
金 「誠に公平の方法で感服するニダ。どの家屋にするかは御相談の上で決めるニダ」
井上 「よろしい」
金 「条約文に、公使館護衛兵として2大隊とあるが、先年の済物浦条約通りに『若干』という言葉で願いたいニダ」
井上 「よろしいが、兵営は2大隊ぐらいは収容できるものが必要である」

 実はこの事は頗る微妙な問題だったのだがねえ。やがてこれが日清開戦に関わってくることを、
この時誰が思ったろうか。

 その他、条約作成に関する細々としたこと、また朴金ら乱党の者の引渡しが万国公法上不可能で
あることなどを、モルレンドルフも交えて話し合われたり、字句の修正などが行われ。
 かくて、明治17年朝鮮事変の日朝条約は整い、調印されたのは明治18年1月9日だった。

492 名前:マンセー名無しさん[] 投稿日:2008/03/22(土) 04:58:13 ID:MWTgYFur
(続き)
 金宏集という人は漢文に実に堪能、且つ朝鮮政治の制度に精通しており、器量はともかく朝鮮では
優れた賢者といったところか。もっとも、この頃まだ万国公法には詳しくない。

 それにしても、清国大臣呉大澂はどうして日朝談判の最中に闖入したのであろうか。
 おそらくは「属国朝鮮と小国日本に厳命するアル」ぐらいの気分で、空気も読まずに来たのかもしれない。
しかし愚かな人である。彼の傍若無人の振る舞いは却って金宏集の立場を不利にし、井上の交渉を
有利にさせただけであった。もちろんその機を逃さなかった井上馨の戦上手があってのことではあるが。

 さて、次は最も厄介な談判、すなわち日清談判である。清国は満州族が建てた王朝であるが、
その臣下の中で最も重要な政治的ポストに位置する人は漢人である李鴻章であった。
筆者の印象としては李鴻章という人は、要するにふてぶてしい嘘つきである。その言うところは、
ちょうど今日のチベット問題における中共政府の発言と見事に重なる。この国の人の意識は1世紀以上前から
進んでいないのだろう。
 対する日本代表は伊藤博文。とかく艶福家であったことが強調される人であるが、政治的にはどうしてどうして
大変な人である。彼の外交センスはとにかく強気、且つクール、また日本人らしく思いやりある人。
しかし日本人らしく実に粘り強く殆ど執拗なと言ってもいい人である。

 日清談判における大国清に対する小国日本代表の伊藤の論戦を見てみよう。

252 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/04/24(木) 08:36:17 ID:/z8iX0IU
494 名前:492[sage] 投稿日:2008/03/22(土) 20:26:52 ID:MWTgYFur

 ちょっと付け足したい。結局賠償金は11万円、公使館建築費は2万円となった。もっとも、日本人商人の
被害が多くて11万円では足りなかったが。

 竹添公使と朝鮮政府の間の論争文は撤回することになり互いに返還された。竹添はまだo(`ω´*) o だったろうがw
 おそらく井上に(o・_・)ノ(*`ω´) されて承諾したろう。
 後に、京城駐在代理公使となった近藤真鋤への書簡で、
井上 「竹添の行動は、国王を救うことにのみ心急き、またその要請に心ひかれ、国王保護の度を越したものが
あったと言わざるを得ない」
と述べている。
 米英独の公使領事たちが王宮を出た時に竹添も帰館を申し出たが、国王の懇請を断ることが出来なかったからねえ。

 なお井上から朝鮮政府への贈り物は、日本酒、ワイン、ベルモット、シャンパン。国王には茶とミカンが贈られている。
かつて朝鮮では超珍品とされたが、もう釜山元山で輸入容易だったのではなかろうか。変わったものでは
モルレンドルフに馬を贈ったことか。おそらく西洋人である彼が朝鮮の小馬に乗るのを見て忍び難かったのであろうw
(つづく)

253 名前:名無しさん 投稿日:2008/04/24(木) 08:38:38 ID:MjItdXDo
合いの手

254 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/04/24(木) 08:44:17 ID:/z8iX0IU
501 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 00:14:21 ID:v//mK86P
   併合前の日朝

 さて、1月28日29日、朝鮮政府は磯林真三陸軍大尉を殺害した犯人の内で捕らえた2人を処刑した。
浮浪者と柴売業の者。
 日本側立会いは陸軍村上中隊長と公使館員。
 やはり斬首の剣は刃先を鈍くしてあり、斬り落とすのに何と63回かかったとある。この時のではないだろうが
朝鮮の斬首刑の執行らしき写真から推測すると、おそらく朝鮮の斬首刑とは罪の重さにより回数を定めて
少しづつ首を斬っていく刑だったようである。あの恐るべき凌遅処死刑に次ぐものだったのではなかろうか。

 また、捕らえられた朴金の乱党一味は厳しい拷問を受け(1人死亡)、4人が凌遅処死刑、他は斬首など。
家族もまた死刑のところを清の呉大臣の勧告により流刑や奴婢に減刑。金玉均の妻子は奴婢にされたが、
明治27年に東学党の乱を鎮圧中の日本軍が発見して救出。京城に送って開化派に保護させた。
なお、金玉均の実父は明治27年金玉均暗殺直後に三族を滅するとして朝鮮政府により縊死の刑にされた。

 2月20日、朝鮮政府の謝罪使節である国使徐相雨・モルレンドルフが来日して国書を以て謝罪の意を表した。
 で、いよいよ日清談判と。


502 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 00:15:13 ID:v//mK86P
(続き)
 日本政府としては清国政府に対する要求は次の2点であった。
@ 事変の時に清兵を指揮した清将を罰すること。
A 朝鮮から撤兵すること。
 で、伊藤博文が特派全権大使として清国政府と談判することに。

井上 「@については、処分は清国の国内法に任せるしかないけど、処罰のことを照会文書の中に言明させることは
必要だぉ」
伊藤 (`・ω・´)シャキーン「清将責罰と謝罪賠償させねば!」
井上 「Aだけど、朝鮮で日清の兵がこのまま駐在すれば、やがて無事にはすまないことになると思うぉ。
もちろん清国が兵を徹することを聞き入れるなら、我が国もそれに答える好意として我が兵を徹するぉ」
伊藤 (`・ω・´)シャキーン「清兵を撤退させねば!」
井上 「もし清国が撤兵を認めないなら、日本も居留民と公使館保護のために止むを得ず兵を置くしかなくなるぉ」
大臣 「そうなると・・・・ごくり」
井上 「そうだぉ。この遠大の良計を清国が受け入れないなら、一時の平和は保てても必ずそのうちに事変が
再三に起こり、ついには日清両国の予想を超えて大局を破るような不幸な事態に陥ることは免れられなくなるぉ。
すなわちその責任は清国にあるぉ」
大臣 「・・・・つまりはいずれ戦になるとな」
大臣 「何とかそれは避けねばならん! 海軍力だけでも差がありすぎるぞ!」

255 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/04/24(木) 08:47:17 ID:/z8iX0IU
503 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 00:17:10 ID:v//mK86P
(続き)
伊藤 (`・ω・´)シャキーン「日清両国が撤兵して永遠に兵を置かないようにするしかない!」
井上 「当然、撤兵するからには永遠に朝鮮には派兵しないことを確約させるぉ!」
大臣 「するってえと朝鮮兵に護衛を頼むことになるが・・・・」
大臣 「あいつら兵ですら乱になると強盗集団に変貌するからなあ」
大臣 「だいたい朝鮮がしっかりすれば日本は護衛兵など置かずに済むのにー!」
井上 「朝鮮政府への指導と援助を続けていくしかないぉ!」
大臣 「問題は清国がどう出るかだが」
大臣 「朝鮮の宗主国を自認する清だから、駐兵するはの当たり前ぐらいは言うだろうなあ・・・」

 まったく日清間の平和は伊藤博文1人の談判に於ける力量にかかっていた。

井上 「俊輔、遅くとも3ケ月以内に撤兵するように話を決めるぉ!」
伊藤 (`・ω・´)シャキーン!シャキーン!
西郷従道 「おいどんも副大使として護衛傍ら行きもそ」
井上 「トラブルは起さないでね!」

504 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 00:23:24 ID:v//mK86P
(続き)
 だいたい国家間の談判というものは、対等の国力を背にしてこそ公平なる結果を見るものであって、
当時の大国清と小国日本ではその差がありすぎた。(今もそだけど)
 まして謝罪しない非を認めないのが中国伝統のカルチャー且つメンタリティーである。
したがって@の清将責罰を求めても所詮無駄なこと。それに事件詳細の認証だけでもたいへんな作業となる。
 よって日本政府としては、将来の日清の衝突を避けるためのAの達成に重点を置いた。
 しかしである。日本世論はそうではない。清兵の暴挙に憤りごうごうたる清国征伐論を唱えて騒然たる状態は止まずと。

 それらを背負って、全権大使伊藤博文の談判は実に困難なものとなった。

 その頃、日朝間の条約調印を済んだのを聞いた李鴻章は天津領事の原敬に言った。
李鴻章 「これで朝鮮事件は全く終わった。貴国と我が清国の間にはもとより何事もないはずである。
真に同慶の至りである」と。

 早くも事件は全て解決したとするつもりであった。

256 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/04/24(木) 08:51:34 ID:/z8iX0IU
506 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 00:30:26 ID:v//mK86P
(続き)
 一方、日清撤兵案のことを聞いた在北京の英国特命全権公使ハーリー・パークスは、急ぎ厳寒暴風の中を
馬を駆って日本公使館を訪れ、榎本武揚公使に並々ならぬ熱意で以下のように力説した。
パークス 「もし清が撤兵を承諾し、日本がまた朝鮮国から撤兵するなら、それは即ち露国の兵を越境させて
駐在させることと外ならないでーす! これは実に憂うべきことですよー!」
榎本 「日清の衝突を避けるためには仕方ないって」
パークス 「日清両国の兵が朝鮮に駐留するのが紛争の種であるとしても、露兵が朝鮮に入ることの禍根に比べれば
全くましでーす!」
榎本 「いや朝鮮も独立国なんだからそう簡単には露国は兵を入れられないしょ」
パークス 「朝鮮人にはとても自主独立の気風なんかないでーす! 日本か清が実力で保護するしかなーい!
 それがないなら朝鮮はすぐに内乱が起こりまーす!」
榎本 「どうせよと」
パークス 「内乱が起これば今度は露国が干渉してくるのは必至でーすぞ!!」
榎本 「分かった。とにかく本国政府に報告しておくから」
パークス 「それで日清が撤兵するなら我が英国も思案せねばなりませーん!」
榎本 「あ、何かやんの? ワクワク」

 パークスはこの直後に高熱を発し3日後に死去した。まさに命懸けの進言であった。また思案せねばならないとの
言葉どおり、英国は天津条約成って日清撤兵が決定した直後に、朝鮮巨文島を軍艦で占拠して露国の進出を牽制した。
アフガニスタンの国境紛争で露国と対立している英国の行動であった。

507 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 00:34:02 ID:v//mK86P
(続き)
 さてその自主独立の気風もない朝鮮政府であるが、
大臣 「このまま清日の兵がいたらまた衝突するに違いないニダ!」
大臣 「何とかするニダ!」
大臣 「ピコーン☆! そうニダ! そん時はロシアに保護を依頼するニダ!」
大臣 「ニダ!!それがいいニダ!!」
大臣 「そうニダ!そうニダ!」

金允植 「・・・ということに廟議決定したニダ」
近藤書記官 「おまえらアホか!!」

井上角五郎 「まだあるよ。朝鮮政府は国王保護の依頼を今度は英国に頼むために北京のパークス公使に
手紙を出している。まだ返事は来てないらしいがね」
近藤書記官 「ほんと独立自主の気概の欠片もないやつらばっかりだねえ」

 それだけではなかった。清将の袁世凱はすでに帰国していたが、朝鮮政府に書簡を送って次のように述べた。
袁世凱 「この後、李鴻章と面会するが、次第によっては朝鮮に帰任できなくなるかも知れない云々」
と。袁世凱もどうやら自分のとった行動を咎められることを予想しているらしかった。

257 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/04/24(木) 08:56:01 ID:/z8iX0IU
508 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 00:37:22 ID:v//mK86P
(続き)
 しかしそれを見た朝鮮政府すなわち支那党は、
支那党大臣 「たいへんニダ。袁世凱さまが帰れないかもしれないニダ。ここは国王様からその功を褒め称える書を
清国政府に出すニダ」
国王 「うー・・・・ニカ?」
支那党大臣 「呉大臣様からの質問への答えの言葉だけでは足りないニダ。清将の恩に感謝の表明がいるニダ」
 ということで、袁世凱を賞賛する感謝状を持たせた使節を清国政府に派した。
他には、呉大臣の取調べに対する返事も添えた。その返事には以下のようにあった。
国王書簡 「逆臣らが乱を起して王宮に突入して大臣6人を殺した。竹添公使に撤兵を求めたが竹添は
言うことを聞かなかった。それで清将提督に出兵を要請した。乱臣は銃砲を発して清兵40人を死傷させた云々」
という、とんでもないものだった。

 そんなこんながある中を、伊藤全権大使が西郷の外に随員として井上毅、武官として野津・仁禮陸海両少将など
計24人を引き連れて横浜港を出発し、長崎、上海を経由して天津に到着したのは3月14日であった。
 榎本武揚らが迎える。

510 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 00:45:54 ID:v//mK86P
(続き)
榎本 「・・・ということで、清国政府は李鴻章を全権大臣に、呉大澂を立会委員に任じて、諸事情により李大臣が
天津を離れるわけにはいかないので天津で談判することを望んでますが」
伊藤 「国書奉呈のことがある。北京まで行こう」

 北京に到着すると榎本は清国政府に対し、
榎本 「伊藤特派全権大使はすでに着いた。貴国皇帝陛下に国書を面呈すべし。また対談方法を答えられたい」
と回答を求めた。
王大臣 「皇帝はまだ幼いので(この時14才)謁見のことは辞退したいアル」
榎本 「承知した。では談判は?」
王大臣 「李鴻章はすでに全権委任を受けているアル!天津で談判するアル!」
榎本 「(・・・へへ、怒ってやがる。ほんとに全権大臣での談判となるのか?)」

 よって、榎本は照会文書でそれを出すよう要求。案の定、翌日になって王大臣は、
王大臣 「筆記したものを交換することを望むアル!」
榎本 「(・・・そらきた)だが断る! それでは李鴻章が本当に全権がある証明にはならん!」

 つまりは清国政府としては李鴻章を取次人とし、事実上の全権は政府内としたかったのだろう。
しかしそれは日本側としては、真意が伝わらぬ、時間もかかる、という最も忌むべき方式であった。

258 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/04/24(木) 08:58:27 ID:/z8iX0IU
511 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/03/31(月) 00:48:13 ID:v//mK86P
(続き)
 翌日、榎本は北京総署(政府)を訪れ、諸大臣たちに説いた。
榎本 「伊藤大使は本来なら貴国皇帝陛下のもとで談判を開く権利がある。しかし李鴻章大臣が伊藤大使と
同一の全権があるなら、そのことをよく考慮して天津に下って談判してもよし、とするものである。
これは結局は我が方の好意をもってそちらの求めに応じているのである。それを全権の証明も拒むというなら、
大使自ら総署に来てここで速やかに談判することを請求せん!!」

 当時の日本政府を担う者たちは、幕末から明治維新の激動期を生き抜き、幾多の修羅場を踏んできた
連中ばかりである。たとえ大国清国が相手であっても、中国なにするものぞ、というその気概が今日とは
格段に違っていたように思える。

 榎本は諸大臣と議論を続け、遂に王大臣に李鴻章の全権を証明する照会書を提出することを承諾させた。
 伊藤はそれにより、国書奉呈のことは止め、王大臣と会見して東洋平和の維持を演説し、その後、
李鴻章の全権を確認した。

 この後、英国代理公使オコールが伊藤を訪ね、北京で談判を開かないことの不利を説き、また日清間の周旋を
申し出たが、伊藤は全く意に介しなかった。
(つづく)

259 名前:名無しさん 投稿日:2008/04/24(木) 09:55:08 ID:MjItdXDo
合いの手合いの手

260 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/04/25(金) 07:50:23 ID:o46CWxbU
>>253
>>259
合いの手カムサ

527 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/04/13(日) 00:07:41 ID:Ccb7YJSS
   併合前の日朝

 さて、北京政府は日本政府の要求項目を知って、撤兵のことはともかく、袁世凱ら清将を罰する要求には
応じる気はなかった。それどころか、清将を賞賛する朝鮮政府の感謝状を得て、彼らを賞することに決したことを
国内に報じた。李鴻章はまた呉大臣の報告なども聞いて談判方針を立てたが、一方では日本人民間人多数が
清兵から殺害略奪されたことを報道する新聞記事にも目を通してはいた。

 よって北京政府の方針は、
@ 両国の朝鮮からの撤兵は応諾。しかし朝鮮政府からの要請があれば、また宗主国として属国を監督する務めとして、
いつでも出兵はする。
A 清将に何等落ち度はない。乱党を助けた竹添公使を罰するべく要求する。
と。

 で、天津における談判第1ラウンド開始は4月3日午後3時。清国天津直隷総督衙門に於いて。
この時伊藤博文は43才。李鴻章は62才。なお陪席は日本側は榎本武明公使、伊東巳代治大書記官、
鄭永寧権大書記官。清国側は呉大澂大臣、續昌大臣、伍廷芳、羅豊禄

 両者あいさつ終わり伊藤は早速、
伊藤 「まず全権委任状を確認したい」と。
 しかし李鴻章は、
李 「まず閣下の高論を聞きたいアル」
 と頓珍漢な返事。んなことどうでもよい伊藤は、
伊藤 「他事はさておき、差し支えないなら閣下の全権委任状を確かめたい。また互いに見るのが慣例だが」
李 「では謹んで閣下の望みに応じよう」

528 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/04/13(日) 00:09:24 ID:Ccb7YJSS
(続き)
 両者ここで委任状を交換して確認。

伊藤 「これは貴国政府の全権大臣に授ける委任状の正式なのか」

李 「そうアル」

伊藤 「これを読むと、ただ日本使臣と談判することに止まるように見える。北京政府では閣下には
調印の権があると言っていたが」

李 「貴殿の言うとおりアル」

伊藤 「しかしこれにはその事は書いてない。もし閣下と共に定めた条約を後日に貴政府が反対することになるようなら、
先に北京政府が与えた保証と矛盾しないか」

 李はニコリとしながら、
李 「それは閣下の心にある。閣下が難問を出して止むを得ず肯かねばならないようなことをさせるなら、
後で我が政府が排斥することになるかもしれないアル。願わくばなるべく本大臣を困らせないように(ヒヒヒ)」
 さすが老獪なもの言いである。

261 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/04/25(金) 07:54:07 ID:o46CWxbU
529 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/04/13(日) 00:10:31 ID:yej0tPU3
(続き)
伊藤 「本大臣の場合はどのようなことで