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韓国の歴史をものすごくわかりやすく書いてみた
- 316 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/08/23(土) 14:52:48 ID:SS5a88ao
- 118 名前:マンセー名無しさん[] 投稿日:2008/08/10(日) 00:08:36 ID:xSMrBSvr
(続き)
近藤「だったらいよいよ今更密使を送る必要ないでしょ。その露国の返事は容易ならんことだよ。
ついには朝鮮だけではなく東アジアが戦乱の地となるかもしれない重大事だよ!」
金 「ウリもよくよく考えたらこれは一大事と思って貴殿に打ち明けたニダ(汗)」
国王側としては、かつて日本政府に国王護衛の依頼をした時ぐらいの気分で密使を送ったところが、
露国政府が日清両国に公然と天津条約と同等の権利を主張することになるかもしれない事態にまで
なるとは思いもよらないことだったらしい。
朝鮮人、ロシアをなめすぎw
で、近藤代理公使がそれらの報告を日本に送り、それを井上外務卿が読んだのは、在日
清国公使と会談する前日であった。
6月15日、井上は清国公使徐承祖を官邸に招いた。この人は少々鈍くて茫洋とした人柄。
井上 「昨日朝鮮から報告があったが、まったく朝鮮国は君臣共にその政治は小児のする類であるお!
この報告を見られよ!」
井上はもう半ば怒りモードw
(つづく)
- 317 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/09/01(月) 10:31:54 ID:feDcMgBI
- 125 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/01(月) 01:18:55 ID:xOUmgtLX
併合前の日朝
徐 「この前、来日したモルレンドルフからも密使のことは聞いたアル。それで李中堂にも報告したアル」
井上 「今アジアは英国と露国の覇権争いで緊張状態にあるお。それを朝鮮の外交のまずさから
混乱を惹き起こすなら、日清両国にとっても重大な障害となるお」
徐 「まことに憂慮するアル。なにしろ朝鮮の一番憂うべきことは、まず人材がいないことアル。
その上財源もないアル」
井上 「王宮修復の費用わずか4万円ばかりの金がなくて、またも売官をして集めたと聞く。
かえって屑を増やすばっかりだお」
徐 「呉大澂氏が京城に大学校を設置することを提案したアルが・・・・」
井上 「とにかく、我が国は好んで朝鮮に干渉するわけではないが、いくらかは朝鮮国王の政治を
拘束するなどして外交上に妄動がないようにせねばならんと思うお」
徐 「その通りあるが、朝鮮は国王の独裁ではないアル。王を責めるよりも我が国から有用な人物を選んで
朝鮮国に派遣し、君臣に懇々と説得して自ら改めさせるのがよいアル」
126 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/01(月) 01:20:31 ID:xOUmgtLX
(続き)
井上 「平時ならそれもよかろう。しかし今の情勢からはそれも効果はないお。訳の分からん内官どもが
国王そばにあって好きなように事を進めたり人を讒言したりしている。金宏集はそれで冷遇されて
遠ざけられ、魚允中は位を剥奪されて庶民として放逐され、かろうじて金允植が止まっているが、
これも風前の灯だお。人あって無きに等しく、聞く耳持たぬ者ばかりだお」
徐 「それでも国王は分別ある人と聞くアルが」
井上 「今度実際にあってよく分かったお。今年34、5才の年齢でありながら、あのように
優柔不断であっては、善悪の分別は出来ても決断して進めることはできまい。またどうせ内官どもに
誤らせられるだけだお」
徐 「困ったことアル」
井上 「我が国は海洋の国であり他国と陸続きではないが、貴国は広大な線で露国と隣接している。
インドを手に入れた英国はインド以東の海上の権をますます拡張し、遂に巨文島に軍艦をつなぎ、
一方、露国は南進せんと画策し、元山か釜山に進出する意があるらしい今、遥か欧州にまで連なる
広大な陸続きの土地を有する貴国がこのまま何事も無いとお思いか?」
徐 「い、言われてみれば、まことに汗することアル」
- 318 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/09/01(月) 10:39:27 ID:feDcMgBI
- 127 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/01(月) 01:21:55 ID:xOUmgtLX
(続き)
井上 「西洋人の説く万国公法は頼りとするべきではない。西洋人は利を見て義を忘れ、
競って人の物を取るお。その時にこちらから公法を論じても西洋国はただ答えるに腕力を
以ってする。我が国は実にこれに困ったお。よって、朝鮮に対するのも細心の注意が要る。
朝鮮のためになり代わって事を進めるようなことがあっては、予想外の面倒を負担するおそれがあるお。
これらのことは李中堂閣下によくよく説明されて、必ず朝鮮政府に賢明で有能な人選をさせ、
外交のことは一々李中堂閣下に尋ねさせて決裁を請うようにさせることがいるお」
徐 「この近藤氏からの報告書は持ち帰ってよいアルか」
井上 「お持ちになったらよいお」
徐 「漢文に訳して、閣下の御談話の趣旨を添えて李中堂に報告し、返事あり次第速やかに
お知らせするアル。東洋のためにお考えの深きを始めて承ったアル。感服の至りアル。自分は
閣下に師事致したいので今後も万端ご教示を願うアル」
天津条約締結以後、日本政府は朝鮮への方針を若干変更し、専ら直接の援助や助言は控え、
それらのことを清国に肩代わりさせる政策を執った。
この会談の後、井上は北京駐在の榎本公使に指示して同様の意見を李鴻章に説かせた。
128 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/01(月) 01:29:18 ID:xOUmgtLX
(続き)
井上 「(書簡) そんなわけで、巨文島占拠は英露の対立から生じた問題だが、英国は
一時占拠するだけだと言っている。しかし、その一時という言葉が曲者で、実はテンポラリー
オキュペーション(temporary occupation)とは99年間までを指すらしい。英国と朝鮮間の問題であるが、
我が国にも清国にも重大な影響があることを李中堂に説明されたい。
我が国から英国に働きかけるのは今は得策ではない。ここは清国から直接英国に折衝させるのが
よいだろう。いずれは機会を見て我が政府からも英国政府に対して公然となく巨文島からの退去を
促す積りである」
井上はこう述べて、李鴻章に対する提案8ヵ条を送付した。
1 朝鮮に対する政策は最も内密にして、これを李鴻章氏と本官とで協議し、李鴻章氏が施行すること。
2 朝鮮国王に今のような政務をさせず、内官の特権を剥奪して国王の政務から離すこと。
3 国内で第一の人物を選んで政務を委任させ、この進退にも国王は必ず李鴻章氏の承諾を得るように
させること。
4 その人物は、金宏集、金允植、魚允中のような人であること。
5 出来るだけ速やかにモルレンドルフ氏を退け、米国人に代わらせること。
6 駐在の陳樹棠は篤学の人であるが力量が足りない。他の有力者と代わらせるべきである。
- 319 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/09/01(月) 10:44:22 ID:feDcMgBI
- 129 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/01(月) 01:32:12 ID:xOUmgtLX
(続き)
7 その後任の駐在官と米国人は李鴻章氏が充分に訓令を与え、その後に日本に送って本官に
面会させること。
8 後任の駐在官は京城駐在の我が国の公使と深く交わり、諸事協議して事を進めること。
以上は、全くアジア州全体への侵略を防がんとする一点から出たことであって、朝鮮内政に
干渉することを主とするものではない。以上。
榎本 「(書簡)いっそのこと、朝鮮を日清合同の保護下に置いてはどうですか?」
井上 「(書簡)我が国は朝鮮を独立国と認めているお。しかし清国は属邦としているお。
これを両国で公然と保護するとなれば、各国は清国の属国主義を賛成することになるかも
しれないお。それでは我が国の方針が不利となるから出来ないことだお」
実は朝鮮国王に露国と親密になるように勧めたのはモルレンドルフであった。もともとは
清国政府から推薦を受けて朝鮮政府の顧問官として雇われた人であったが、度重なる清国の干渉に
嫌気がさし、むしろ露国に依頼するよう国王に勧めたらしい。実は露国はこの頃まだ、辺境且つ
貧国の朝鮮を併呑することは負担にこそなれ、殆ど利益は無いと見ていた。よって、当時の
露国政府の方針は、朝鮮は独立国且つ中立の立場であればよい、という考えであった。
モルレンドルフの進言はそのことも影響していよう。
もっとも井上は、雇い外国人という者は、所詮、義よりも利を選ぶものである、と言ったが。w
130 名前:マンセー名無しさん[] 投稿日:2008/09/01(月) 01:38:49 ID:xOUmgtLX
(続き)
しかし、この提案8ヵ条。朝鮮に対する政策の提案なのだが、ほとんどその宗主国である清国を
指導するかの如き文言だらけである。まあ、明治の日本というのは、中国に対してこんな直球を
投げることをする政府を擁していたのだと。
(つづく)
- 320 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/09/20(土) 12:30:10 ID:OXKXV5Lc
- 151 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/20(土) 00:09:07 ID:HY+nVnwe
明治18年(1885)7月、北京駐在榎本武揚全権公使は、天津の総督衙門に於いて露韓密約の件で
李鴻章と会談した。もう一つの日清会談と言ってもよい重要な意味を含むものであった。
李鴻章は当時の中国を代表する人物である。一方、榎本武揚は生粋の江戸っ子。李鴻章に
もの言うのにも遠慮会釈ない人であった。
榎本「露韓密約に関する近藤氏の報告はすでにご存知であろう」
李 「うむ。承知しているアル。こちらも調べて分かっていることは、露韓密約のために朝鮮が恐らく
人を露国に派遣しただろう、ということぐらいアル」
榎本「朝鮮駐在の露国公使代理の書記官が言うのに、英国が巨文島から撤退した後は露国は
その10倍の領土を占拠するだろう、と大言したらしい」
李 「そのことは知っているアルよ。そのうえ露国は、日朝両兵が撤退したからこれからは露国が
朝鮮兵訓練の教官を出すと言ったらしいアルね。だからこれを朝鮮政府に問いただしたところ、
韓王と大臣たちは、そのような依頼をしたことはない、と弁解してモルレンドルフを免職したアル」
榎本「ほう。それほんと?」
152 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/20(土) 00:09:46 ID:HY+nVnwe
(続き)
李 「(得意げに)確実アルね。厳しく問いただしたからアルね」
榎本「露韓密約は6ヵ条からなると聞く。李中堂は知っておられよう」
李 「予も6ヵ条と聞いたアルね」
榎本「その内容はご存じか?」
李 「知っているアルよ。第一に、もし金玉均がウラジオストックに来たら、露政府はこれを捕まえて
朝鮮政府に渡すこと。第二に、朝鮮が日本に支払う賠償金13万円を、露政府が日本政府に勧告して
支払いを求めないようにさせること。第三に、他国が朝鮮を侵略しようとしたら露国は朝鮮に派兵して
保護すること」
榎本「うん、こちらが知っているものと合ってる」
李 「朝鮮政府は既に日本政府に賠償金支払いは済んだアルか?」
榎本「いくらかは払ったが、あの通り貧乏国だからまだ完済したとは聞いてない」
李 「(ニヤニヤ)必ず全額を催促して払わせるがよいアルよ。でないと露政府は、我政府の尽力によって
日本政府は支払いを催促しなかった、と朝鮮政府に己の力を誇示しようとして、そんなことを
言い出すだろうアルね」
- 321 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/09/20(土) 12:33:58 ID:OXKXV5Lc
- 153 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/20(土) 00:10:24 ID:HY+nVnwe
(続き)
榎本「ハハハ、朝鮮政府の奴らが、そんなはったり一つで露国になびく姿が眼に見えるような」
李 「国の外交とはそんなものアル。この第三の他国も日本のことを言っているアルよ」
榎本「おいおい日本かよ。中国じゃないのw」
李 「第四に、露国政府は京城に正式に公使を駐在させる。第五に朝鮮周辺の海上は露国海軍が
防衛活動する。第六に、陸路での通商を開く。以上アル」
榎本「だいたい日本政府が把握しているのと同じだね。けど一つだけ、朝鮮政府は露国の士官を雇って
朝鮮兵を教練する、というのが抜けてる」
李 「その話はすでにしたが、密約の中にあるとは今度の朝鮮からの情報にはなかったアルね」
榎本「井上外務卿と他と2ヶ所からの情報があった」
李 「承知したアル。ところで、どう思うアルか? 朝鮮国王には、この密約は全権の委任も無い使節が
結んだものであり、また批准も無いので、露国が実施するように迫っても直ぐに破棄するべきである、
と言っといたアルが、露国が威圧してでも実施を朝鮮王に迫ることがあろうか?」
154 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/20(土) 00:18:48 ID:HY+nVnwe
(続き)
榎本「それがないとは保障できない。使節に全権なく批准もなかったとしても、全く国王が派遣した者で
あることが確かなら、これを理由に迫ることもないとは言えない」
李 「もし露国がこれをするなら我が政府は厳重に抗議するつもりアル!」
榎本「ただ露政府がそれをすれば国による脅迫となる。これは万国公法にも反することになるので、
まさかそこまではしないと思うが」
朝鮮が露国との間で各国と同様の条約を結んだのは明治17年(1884)7月であった。しかし今度の
露韓密約は、露国が軍事的に朝鮮を保護する、つまりは新たな宗主国となることを示唆するかのような
内容をもつものであっただけに、当然、日清両政府はこれを警戒した。
李 「朝鮮を露国の保護下に置くようなことは、朝鮮にとっても不幸になるだけでなく、
我が中国と貴国にとっても不利益となるのは甚大アル!」
榎本「その通り」
李 「ただ貴国は朝鮮を独立国と認めているから、貴国が抗議しても露国は耳を貸さないだろうアルね。
これに反して中国が朝鮮の宗主国たるは天下の共に知るところアル。朝鮮は条約を他国と結んだ時は
必ず我が国に条約文を送って奏問している。しかし今度の密約はそれがなかったアルし、まさに中国は
これを無効のものと見做すと。この中国の抗議には露国は耳を貸さないわけには行かないアルよ」
- 322 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/09/20(土) 12:37:29 ID:OXKXV5Lc
- 155 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/20(土) 00:20:00 ID:HY+nVnwe
(続き)
榎本「だろうね。けど、抗議の論拠を出すのに宗主国の権利を言うなら、おそらく議論がややこしく
なるんじゃないの? なぜなら露国政府は必ず言うはずだよ。朝鮮は独立国であるから
我が皇帝陛下は対等に条約を結んだと。朝鮮政府が中国に条約文を送ろうが送るまいが、
独立自主の国の勝手である、我が国と朝鮮との間の資格のことで、宗主国を自認しても
中国に口を挟む権利はない、とね」
李 「ウーーーン」
榎本「だからそれよりも、朝鮮は隣接した緊要の地であり中国の利害に関するので黙って
許すわけにはいかない、と言う方がよくないか?」
李 「(黙)・・・・・・そういうことならば、日本もまた露国に抗議する権利があるアルね」
榎本「いや日本政府がするかどうか知らんが、やっぱり朝鮮と貴国との関係は、我が国とは違って
重いものがあるのは世間も知るところなんだから、中国がまず主立って抗議せねばならんと思うよ」
李鴻章は黙っていた。日本を列強国からの盾や外援として利用するのが李鴻章の戦略であったし。
榎本「巨文島の件はどうするの?」
156 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/20(土) 00:22:38 ID:HY+nVnwe
(続き)
李 「予は英国領事に退去を要請したアル。しかし英国領事が言うのに、英露両政府で妥結するなら
退去となろうと。それで予が、露国も対抗して英国のように朝鮮のある場所を占拠したらどうするのか、
と言うと、英国領事は、それは英国が関係するところではない、と答えたアルね」
榎本「ほんとに退去すると思う?」
李 「また口実を設けて退去しないだろうアル」
榎本「俺もそう思う。巨文島から海底電線も設置したらしいから」
李 「上海まで電線を敷いたらしいアル。このことで露国公使は貴殿に何か言ったアルか」
榎本「閣下にだけは打ち明けよう。露国公使が言うのに、巨文島占拠では前もって清政府が英国に
許可を出したに違いないと。それで俺が、そんな許可なんぞ出す理由がないじゃん、と言うと、
それなら英国が勝手にしたのだろう、と。で、その口ぶりでは、露国もまた占拠しようとかいう感じでは
なかった。けど、公使館内職員の意見にはそれがあった。
英国の行動は露国の利益に影響するから露国もどこかを占拠してから英国と折衝するべきと。
これ、難問だよ」
李 「まったくそうアル! どうすればいいか、意見を聞きたいアル」
- 323 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/09/20(土) 12:40:48 ID:OXKXV5Lc
- 157 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/20(土) 00:28:51 ID:HY+nVnwe
(続き)
榎本「腕力というか実力というか、それがあれは難しくないが、しかし実力がない以上は、外交の手順を
踏むほかはなかろう。まず朝鮮国王から英露両政府に対して抗議書を送らせねばならない。
それでも退去しないなら、各国に訴えて同情を求めるしかない」
李 「朝鮮政府はすでに各国領事に書を送って、そのことをし始めているアル」
榎本「それは知ってるけど、その書簡って、言葉遣いも体裁も外交上の文書となってないしろものだよ。
それに巨文島のことだけに止まっている。露国が英国の行動に倣うなら、更に重大な事態となる、
という印象を読む相手に持たせるような文書でなくっちゃ」
李 「予の所見では、それでも米国もビスマルクも英国に向って異議を唱えることはないということアル。
もはや貴国と中国あるのみ」
榎本「まあこの事を話すのは他の機会に譲って。だいたいね、朝鮮の内政が問題なのよ。
今のように朝鮮政府内で有能な人材が排除されて内官どもが好きなようにやってるのを許していたら、
必ずその内に内乱が起きて、次には外患が起るだろうよ。朝鮮の内政に干渉するわけではないけど、
これは日清両国の利益にも関係することだあね」
李 「予もそれを思わないではないアルが、中国は昔から朝鮮の内政は不問に付しているアル。
今、中国から、賢人を用いて小人を遠ざけるべし、と命じても、とても今の朝鮮王のような軟弱と
暗愚さなら、結局は周囲に籠絡されて、表では我が言を容れても、裏では決して実行しないだろうアル」
158 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/20(土) 00:30:10 ID:HY+nVnwe
(続き)
李鴻章さすがによく高宗のことを分かっているw。実は明治17年の朝鮮事変すなわち朴金の乱で
国王が朴金らに乗せられて積極的に行動を共にしたことも李鴻章はよく承知していたらしい。
榎本「そういや、大院君を朝鮮に帰すかもしれないと聞いたけど」
李 「朝鮮からそれを願い出ているアル」
榎本「大院君が帰るなら、また朝鮮では紛擾が再燃すると思われないのか」
李 「不快を抱く者もあろうアル。しかしこの人が朝鮮にいたなら、露国に密使を送るようなことは決して
許さなかったろうアル。それよりも、朝鮮に紛擾を再燃させるのは貴国にいる金玉均のような者たちアル。
人心を撹乱するために朝鮮に書を送って流布させているアル」
榎本「ふふふ、まあねえ」
李 「日本政府はなにゆえ金玉均らを朝鮮政府に引き渡さないのか」
榎本「いや、日朝間では犯罪者引渡し協定がないのよ。それに国事犯は文明各国では互いに
引き渡さないことになってるし。これ独立国の権利ね」
李 「朝鮮に引き渡したくないなら中国に渡されたいアル。中国は決してこれを刑にかけず、
ただ幽閉しておくだけアルから」
いやそれって刑の一種だからw
- 324 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/09/20(土) 12:42:46 ID:OXKXV5Lc
- 159 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/20(土) 00:31:23 ID:HY+nVnwe
(続き)
榎本「我が国にいる朝鮮人を貴国に引き渡すいわれはないよ」
李 「それならば、貴国で幽閉して乱の兆候のないように処置されたいアル」
榎本「いやいや、貴国では大臣の判断でそれが出来ようが、我が国に於いてはたとえ皇帝陛下であっても、
無罪の者を幽閉することなど出来ないの」
これ、後の大津事件に於いても適用された考え方。
李 「彼は治安を妨げる者ではないアルか」
榎本「間接的にはそうなんだが、直接に罪名を下すことは出来ないよ。まして捕えて幽閉するなど」
しかし後に大阪事件が起きるなど、治安上問題ありとして国外退去を命ずることになる。
榎本「我が政府は金玉均らが逃れてきて我が国にいるのを許しているが、決して保護しているわけでは
ないよ。朴泳孝らは米国に行ったし、金玉均は今は京都近くにいるが、彼が復活を図っているというのは
閣下の思い過ごしと思うが」
李 「朝鮮人は上下挙げて暗愚アル。金玉均の流言を信じて動揺するのは明らかアル!」
160 名前:マンセー名無しさん[] 投稿日:2008/09/20(土) 00:35:51 ID:HY+nVnwe
(続き)
榎本「やれやれ、それほど閣下が心配するなら、ま、とにかく外務卿にはそれ相当の善処をするように
要請しておこう」
李 「なにぶん頼みいるアル」
榎本「そろそろ時間だが」
李 「明日は答礼にこちらから貴領事館に赴くアル。今日は支那料理を供したい。原敬領事もお伴あるなら
幸甚アル」
榎本「承知した」
朝鮮料理は嫌だけど、支那料理はいいよなあ(筆者独言)
さて翌日は、会談の核心である井上外務卿の朝鮮指導提案について。
(つづく)
- 325 名前:や 投稿日:2008/10/01(水) 23:56:19 ID:SVIWm5ZE
- 併合前の日朝
さて翌日、再び天津総督衙門に於いて榎本武揚と李鴻章は会談を開いた。
榎本「朝鮮京城に居る露国書記官のスベーヤってえ者が、朝鮮政府に迫って、約束した朝鮮兵の教練のことを受け入れないなら、我が国は済州島を占拠すべースキーっとか言ったらしいが」
李 「ふふん、予も英国人からそれを聞いたアルね。しかし済州島は軍艦が停泊出来るような港はないアル。露国がほんとに占拠することはないだろうアル」
榎本「ん。自分もそう思う。おそらく朝鮮政府を恐怖させるための虚喝だろう」
李 「とにかくもし密約などあっても絶対に無効アル! 我が国の承諾が必要なのが清韓旧例の事アル! 露国が朝鮮に進出してくることは我が国のみならず、日本にとっても憂慮すべきことではないアルか?」
榎本 「ないどころか、大ありさ。絶対ぇ、日本近海で揉め事が始まること請け合いだよ」
もし朝鮮が露国の保護下となるなら、アフガン領土を巡って対立している英露間の新たな火種となることは間違いなかった。
英国はすでに朝鮮巨文島を不法占拠している。必ず露国も対抗処置として保護を名目に朝鮮のどこかを占拠してくるだろう。
そうなれば宗主国を自認する清国も派兵などの強硬処置に出るしかない。そうすれば、いよいよ他の列強国が黙って指を
くわえているはずもなく、仏国が独国が伊国が色気を出して、次々に干渉して来るだろう。終には東アジアのこの一帯で大紛擾が
始まるのは避けられないことになる。
当時日本政府が一番憂慮していたことだった。
榎本「この頃、アフガンで露軍が出張って来ていくつかの部族の土地を占領したことがあったよね?」
李 「知っているアル。それで英国も怒っているアルよ」
榎本「ところがさ、その英国新聞がそれを記事にしたんだが、冒頭でこんなことを書いてるのさ。『およそ文明国が、非文明の人を征服するのは神の法則がさせるのであって、文化文明の進歩上において喜ばしいことである』とね」
李 「アイヤー! 人の物を取るのが天の命じることと言うアルか!!」
榎本「それが西洋人の考え方でね。ま、野蛮な習慣を文明で正すというわけよ。考えようによっちゃあ、一理あるけどね」
李 「その文明とは西洋の習慣アルよ! 東洋には東洋の習慣があるアルよ!」
榎本「で、井上外務卿も日本駐在の貴国の徐公使に言ったのよ。『西洋人の説く万国公法(国際法)は頼りとするべきではない。
西洋人は利を見て義を忘れ、競って人の物を取る。その時にこちらから公法を論じても西洋国はただ答えるに腕力を以ってする。
だから公法を唯一のものとして頼ってはならない』っとね」
李 「アイヤー!! 正論アル!正論アル!」
榎本「ま、西洋人が考案した万国公法ってぇのは結局は西洋人のためにあるんであってね。そこで、公法には少し反することになるかもしれんが、
朝鮮の内政にある程度干渉して紛擾となるのを未然に防ぐ必要があるということさ。徐公使からもその報告があったと思うけど?」
李 「あったアル。しかし徐公使の報告は簡単なものだったアル。ここで閣下からもう一度詳しく聞きたいアル」
よって榎本は、井上が書いた朝鮮指導案とその意見書を英語に訳しながら詳しく述べた。日清交際の初め、日清間での談話は筆談が
主であったが、後には英語ですることもあるようになった。ちなみに日清戦争の講和談判は全て英語でなされている。
- 326 名前:や 投稿日:2008/10/01(水) 23:58:34 ID:SVIWm5ZE
- 榎本「どうだったろうか。徐公使の報告は同じだったろうか」
李鴻章は耳を傾けて熱心に聞いていた。
李 「う〜ん。報告は半分も要領を得ないものだったアル。雑なだけでなく自分の意見も交えて書いているアル。もし閣下から聞かなかったら井上外務卿の論旨をよく理解できなかったろう。徐公使は困った人物アルね」
榎本「主旨まで違ってたかね?」
李 「いや、大意は同じだったアル。しかし閣下が読んだような適切なものでなかったアル。やれやれ、彼はよい外交官ではないアルね!」
榎本「そう言われるな。入り組んだ論を間違いなく報告するのは難しいよ。大意が同じならよい。彼は英語も解せるし、前の公使より受けもよい人だよ」
李鴻章はしばらく寡黙になりなかなか口を開かなかった。おそらく、癇癪を静めているに違いなかったw
李 「・・・・・ただ今読まれたものの漢訳文はないアルか?」
榎本「漢文に訳すのは容易じゃないよ。それに文章にして出すものじゃないし・・・ねえ」
李 「貴外務卿がこのように親切丁寧に説かれた論を訳して贈られないのはなぜアルか? そちが漢訳が難しいならこちらで漢訳するが」
榎本「秘すべき文書なので、この種のものは閣下の目前で読んで済ますのが外交上の慣例であるよ。すでにしっかり聞いてたでしょ」
李 「いや、備忘のためアルね。他意はないアル」
李鴻章この時62才。
榎本「だから忘れないうちに書きとめられたらよい。それよりもこの指導案に対する御返事を承りたい」
李 「ごもっともの立案アル。ただ国王に有能な人材を登用させるのは勧告にとどまるアルね」
榎本「この重要な件をただ勧告で終わらすとは解せないことである。どうして強いて従わせないのか?」
李 「朝鮮は我が国の属藩であり国王も予と同等の地位にあるが、我が政府は従来から朝鮮の内政には干渉しない政策を執っているアル。それを干渉して服従させるのは難しいことアルよ」
榎本「はあ? 貴国が朝鮮の内政に干渉しないって? (どの口が言うかよ)信じられんなあ。それが勧告にとどまるなんてねえ。これは俺は絶対に信じられんw」
李 「ふふふふふ」
李鴻章はニヤニヤして黙っていた。榎本はそれで李鴻章の本心は違うことを理解した。
まあ、中国は言っていることと、することが全然違うのがスタンダードだからw
李 「・・・貴外務卿立案の8ヵ条だけでも漢訳したいがどうアルか」
榎本「ほらきた。もちろん承知した」
これで会談は終わり、李鴻章はここでは朝鮮指導の提案に対して返事をしなかった。
後に、漢訳の作業に入り、いくらか文章を訂正。そして李鴻章はその場で、
李「これは大賛成アルよ。実に満足すべき案アルね」
と賛同した。
榎本「でしょ。よかった。井上外務卿も喜ぼう」
榎本は早速それを日本政府に報告した。
ところがその数日後、天津領事館にいた榎本公使が北京に帰る日になって李鴻章がやって来た。
原敬天津領事「李中堂閣下が訪ねて来られてますが」
榎本「ん? 何事だろ。わざわざ見送りに来たのかな。すぐ会おう」
会ってみると、李鴻章の表情が普段と違う。榎本は嫌な予感がした。
榎本「また何か故障でも仰せられることがあると見たが」
李 「ご名答アルね」
李鴻章は、指導案8カ条の漢訳文を取り出して言った。
- 327 名前:や 投稿日:2008/10/02(木) 00:07:20 ID:UOnPUxtw
- 李 「3条と7条のことアル。これは結局は我が政府で人を選んでも、もし井上外務卿と意見が合わないなら実際には行えないアル。また1条にあるように井上外務卿と協議せねばならないとするなら、予は井上君の指揮を仰がねばならない地位となるアル。これでは自分が格下となるも同然アル」
榎本「はあ? 何を言っておられる。そら誤解だよう。だから日本側とよく話し合って相応しい人選をすればいいではないか。指揮を仰ぐとか格下とかいう問題ではなかろう」
李 「とにかく全体の主旨は賛同するが、これだけは出来ないことアル。お断りするアル」
榎本「何とそんな狭い了見でどうするのか。よく考えられよ!」
榎本は言葉を尽して説得したが、李鴻章は決して意思を翻すことはなかった。それで榎
本は仕方なく、前回の報告とは反対のものを送らざるを得なかった。
井上 「これを見られよ。一旦了承しておきながら、やっぱりだめだとさ」
伊藤 「これは北京総署の大臣たちが反対したのだろうか」
井上 「いや、あの連中は李鴻章の言いなりだお。李鴻章を師匠として仰いでいるぐらいだから」
三条 「やはり李鴻章殿が後から考えを変えられたのであろう。まあ、仕方ないでごじゃるよ。それでも井上さんの論旨は充分伝わったようでおじゃるから、巨文島のことも含めて英国と露国に対すべき方途も理解したと思うが」
井上 「しかしこれほど管見の人物とは知らなかったお。ちょっと驚いた」
伊藤 「会って話してみると分かるが、実に猜疑心の深い人でもあるよ。まあ大国のプライドが許さなかったのだろうよ」
三条 「とにかく、今は朝鮮のことは清政府に任せるほかないでおじゃる」
後日、井上外務卿は榎本公使に書簡を送ったが、中で李鴻章のことを次のように述べた。
「貴官御電報の趣に依れば、李氏に於ては全体の利害に暗く、梢々たる体裁曲節に拘泥し、本官が主眼とする亜細亜全州の平和を保持せんと欲する誠意を了解せざるものの如し。今日迄多少の匠意も為に徒為に属し候は実に遺憾と存候」「彼の如き管見を持し疑念を抱き候ては縦令共同事を謀るも到底其良結果を不可期と存候に付、此上は我に於ても朝鮮に対する政略を一変して之を放任して自然の成行を傍観するの外致方無之」
北京公使館員「で、外務卿は何と仰って来たんすか?」
榎本「ようするにさ、李鴻章は体裁にこだわって世の中が見えてなくて、日本がアジア全体の平和を保とうとする誠意で言っているのに、李鴻章のように見識が狭くて猜疑心の深い人間とは日本はもう共にはやってらんない。この上は日本は朝鮮に対する政策を変えて、もう放任して自然の成り行きに任せるしかないってさ」
公使館員「ハハハ、ぼろくそっすねえ」
榎本「うん。井上さんが怒るのも無理ないよなあ。けど、要するに清は宗主国として朝鮮のことは他から口出しされたくないのさ」
ところが李鴻章がこの後に執った政策は、井上外務卿の指導案に沿ったものであり、ただ日本と緊密に協議するという部分だけを外したものであった。
それも、朝鮮との宗属関係を強化することのみに力を注ぎ、国王周辺から内官を排除するだけでなく、国王の首をすげ替えようと画策するなど、およそ乱暴を極めた。
(つづく)
- 328 名前:や 投稿日:2008/10/18(土) 03:22:50 ID:2XJ/RsD2
- 【番外編】(作者さんと、ハン板住人との会話)
174 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/30(火) 15:06:18 ID:LtYHUPXS
乙です。
榎本武揚は、毀誉褒貶にばらつきがありすぎて
人物像がいまいち見えてこないなぁ。
177 名前:Venom ◆vr7wMBGNJ2 [sage] 投稿日:2008/10/06(月) 04:09:08 ID:Ja51RX7Z
>>325(原文では167ですが、ここのスレの番号に修正しました by やた)
>ちなみに日清戦争の講和談判は全て英語でなされている。
「坂の上の雲」だっけ?
下関会談で大久保利通が清国側の条件案文を、通訳も待たずに
スラスラ読んで、周囲はその漢文の素養に驚いた、という
話があったやうに思いますが。実際は漢文?英文?
180 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/10/18(土) 00:04:34 ID:oBklr5uB
>>174
人物像がよく見えるような言動にまだ触れていないのですが、これまでの印象としては、なん
だかやんちゃな人だなあ、という感じw。彼がかつて五稜郭まで行ったのも戦を楽しんでいたか
らかもしれませんw。
>>177
伊藤博文は普通に漢文の読み書きが出来ます。英語も。
下関での日清戦争の講和談判は全て英語です。アジ歴にはその時の英文記録と日本語訳文があ
ります。なお日本語訳文は若干編集してある部分があり、そこの所は英文記録の方が面白い発
言があったりします。
- 329 名前:や 投稿日:2008/10/18(土) 03:26:35 ID:2XJ/RsD2
- さて、明治18年7月、日清両国は天津条約に基づき朝鮮から兵を引き揚げた。この頃、京城公使館では近藤真鋤に代わって高平小五郎が代理公使を勤めた。
高平「ひとこと言っておきたい」
金允植外務督弁「なにニカ?」
高平 「今度撤兵するのは済物浦条約に照らして今は護衛兵を置く必要がないと認めるので撤兵するの」
天津条約は日清間のものであり、日朝間では済物浦条約に基づく撤兵ということになる。
金 「確かにそうニダ。ウリたちで護衛は出来るニダ」
高平 「けどこの条約を廃棄したわけではないからね」
金 「そうニカ。分かったニダ。記録しておくニダ」
高平「ところで、ここの京城公使館の護衛兵はいかほど?」
金 「10人ニダ」
高平「10人・・・で大丈夫なのかねえ」
金 「何かあったらそれに40人を加えるつもりニダ」
高平「ま、いいでしょ。よろしく頼みますよ」
金 「任せるニダ」
もっとも陸軍は撤兵しても、釜山、元山、仁川にある居留区の日本人保護のための軍艦駐留は従来どおりであった。
さて、この年6月、清仏戦争は終結してベトナムはフランスの手に落ち、清はその主権を喪失した。日本政府は7月に清仏間の条約を閲覧した。
三条 「ついに安南(ベトナム)も西洋人のものになったでおじゃるか。しかし清政府は賠償金を支払うことは免れたようだが」
伊藤 「李鴻章はなかなかしたたかな御仁じゃからなあ」
井上 「いや、李鴻章というよりも北京総署に曽紀澤という、元仏英の公使をしていた実に弁舌の立つ人物がおって、これがフランスに対して賠償金の支払いなしに講和にこぎつけさせたということだお」
伊藤 「ほう、そのような人物が清政府内にもいたかのう」
井上 「この男がビスマルク親父と会った時に、ビスマルクが言うたことに、『清国のために言うが、将来は日本と結んだ方がよい』とのことだお。おそらく彼もそういう考えと思うお」
西郷 「ビスマルクの言うことなどあてになりもはんぞ。何に考えているか分からん親父でごわす。第一、ドイツでは清政府が注文した巨大戦艦2隻は、とうに出来上がっとるのに、これを引き渡そうとせんかった。これがあったら清は海戦ではフランス海軍に負けんかったかもしれんぞ」
井上 「いやそれは出来んお。それをやったら仏独で戦争になるかもしれんことだお。ただでさえ仲が悪いんじゃから」
伊藤 「いずれにしろ、清は安南の宗主権を失のうたんじゃ。戦にまで至らぬような外交を怠ったと言う外はないのう」
井上 「清は自分たちがいつまでも大国じゃと思いこんどるから、外国を見下しすぎるお」
西郷 「いや力でごんす。何というても国力がないなら話にならん。我が国も海軍をもっと充実させねばなりもはん」
大山 「陸軍もでごんすぞ」
三条 「朝鮮のことでおじゃるが、おそらく清はますます朝鮮を名実共に属国とすることに力を尽すでおじゃろうなあ」
井上 「それによって朝鮮が露国になびくのを防ぐことにはなりましょうから・・・今はしかたがありませんお。清も朝鮮をそれなりに指導はすると思いますから」
伊藤 「何というても朝鮮の国内が安定せねばならん。清のそのための干渉なら多少のことは黙認するほかなかろう」
- 330 名前:や 投稿日:2008/10/18(土) 03:32:51 ID:2XJ/RsD2
- 山縣 「ところで我が国に逃げてきた金玉均のことはどうする? 朴泳孝は米国に行ったが」
井上 「朝鮮政府は何度も引渡しを求めているが」
伊藤 「引渡し条約もないし、国事犯は渡さないのが西洋各国普通の通例じゃから無視するしかなかろう」
山縣 「国内では朝鮮維新の志士ということで皆のえらい人気者っちゃ。しかし彼を利用してよからん事を企てようとする者らもおるからのう、油断はならんぞ」
井上 「ふふん。あれが維新のう。いろいろ調べたがよう分からん男ぞ、あれは」
日本では、金玉均は朝鮮独立を求める志士であると見られていた。しかし井上は既に明治15年の朝鮮事変、すなわち大院君の乱の時に、大院君が軍乱に導いた兵士たちとの密約書の中に、金玉均や徐洪範など当時は開化派と称して日本公使に接近したはずの者たちの名があったことをつかんでいた。つまり守旧派のドンである大院君と金玉均らはひそかに繋がっていたということになる。
井上 「それにこの前まで朝鮮に居った近藤が、金玉均が送った者が大院君の妻に会ったという報告をしてきたお」
それは以下のようなものであった。
大院君の妻「お前ニカ? 日本にいる金玉均の使いの者というのは」
張殷奎 「恐れ入りますニダー。その通りでありますニダー。大院君様には以前懇意にさせて頂いていた商人の張殷奎ですニダー」
大院君の妻「おお、お前が張ニカ。名前は聞いているニダ。で、玉均は何とニカ」
張 「昨年の企て(明治17年朝鮮事変)は、朝鮮を独立させて大院君様を清国からお迎えいたすための企てであったのでありますとのことニダー。それがこのように失敗に帰して残念でありますとのことニダー」
大院君の妻「おお、おお、そうニカ。そうであったニカ。大院君様がご帰国なされるためなら家財を売っても惜しくはないニダ。どれほどでも経費は出すつもりニダよ」
張 「恐れ入りますニダー」
大院君の妻「しかしおまえの伝言だけでは信用し難いニダ。朴泳孝の手紙も持って来るニダ。そうすればどれだけでも費用は出そう。もっとも、当座の費用として韓銭10貫文目をここで贈ろう」
張 「もったいないことですニダー」
その後、張は日本に戻り、その通りに朴泳孝らの書簡を持ち帰ったという。
山縣 「よう分からんなあ。どういうことなんじゃ」
井上 「つまり、金玉均が考えておる朝鮮国の独立とは、わしらが思うているのと違うのよ」
伊藤 「たしかに大院君はそういう意味では独立派じゃなあ」
井上 「俊輔、その通りお」
山縣 「さっぱり分からんっちゃ。大院君は守旧派の中心人物じゃろう?」
井上 「つまり今の清国のことは大院君はオランケ(満州族の蔑称)と言うて蔑んどるんお。あの親父は前の明国こそが正当な中国で、更に朝鮮人がその継承者であり、明なき今は朝鮮こそがその唯一聖教賢伝の国であるとね」
伊藤 「その属国扱いする清から独立したいということで、朴泳孝ら開明の独立派とも結ぶわけじゃ」
井上 「うん。金玉均が開明的な考えを持っとるとは限らん。あれは大院君の考えに近いんじゃないか」
山縣 「朝鮮が清から完全に独立したところで大院君が帰って政権をとるなら、元の古代の朝鮮に戻るだけぞ」
伊藤 「戻りたいんじゃないの?」
- 331 名前:や 投稿日:2008/10/18(土) 03:38:24 ID:2XJ/RsD2
- 山縣 「馬鹿馬鹿しい。俺らがこれまでして来た、朝鮮を開明させて富強国にするという方策は何のためじゃい!」
井上 「我が国のためであり朝鮮のためでもあるお。その上、東洋平和のためでもある」
山縣 「大院君が政権を執るなどということになれば、また王妃一族の閔氏らと闘争となって必ず内乱となるっちゃ」
井上 「そうなれば清が鎮圧の兵を送ることになろう。それでまた我が国も護衛兵を送らねばならんようになるお」
山縣 「おいおい、そしたらもう必ず兵が衝突するような事件が起きて、ついには戦争となるっちゃ」
井上 「だから、ここは清政府にがんばってもらわにゃならんおw しっかり属国として押さえてもらわんとw」
伊藤 「まあ当面は朝鮮のことは清に任せて、我が国は我が国で国力を充実させていかねばならん」
山縣 「金玉均をよく監視しとかにゃならんなあ」
井上 「その他、天津の波多野領事からもいろいろ言ってきとるお。李鴻章が言うのに、金玉均が日本の者らと組んで暗殺者を朝鮮に送ろうとしているとか、仁川で日本水兵が戦闘をしたとかの風説があるとか。英国領事まで心配して訪ねてきたとか」
伊藤 「仁川の領事に確認させているがまだ連絡が届かん。おそらくデマじゃろ」
山縣 「釜山までの電信は敷設出来たが、釜山から仁川までは船で連絡せねばならんから時間がかかって仕方がないっちゃ」
井上 「そういえば、今度、石井電信局長から釜山仁川間に海底線を架設したいとの上申があったじゃろ?」
佐々木工部卿「それはあっとる」
一同 「おお、それで」
松方正義大蔵卿「お金がなーーーい!」
一同 「orz 」
さて、その大院君であるが、清政府はこの年9月、格別の計らいとして恩情を以って朝鮮帰国を許し、新たに朝鮮駐在官に任じた袁世凱に送らせた。大院君は、清での幽閉とは名ばかりの厚遇w に感謝し、また帰国を許されたことで清への忠誠を誓ったという。日本政府は大院君の帰国を危険と見ていたが、清政府は攘夷が大好きな大院君が帰国すれば、閔族の中に王妃や国王を擁して露国に頼らせようとする動きがあるのを抑えられると考えたらしい。
(つづく)
- 332 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/11/08(土) 09:53:45 ID:MYZNmMZc
- 196 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/11/07(金) 23:36:22 ID:eCF0wVjl
併合前の日朝(続き)
明治18年12月、内閣制度が設けられて伊藤内閣が発足。
この頃、日朝漁業協定協議中。しかし日本漁民が朝鮮領海での漁獲量に応じて支払う漁業税額などの
ことでなかなか妥結しない。明治19年になってもまだまだ。
高平代理公使「これではまた協議は次回に持ち越しだな」
金允植 「仕方ないニダ。政府大臣たちがどうしても承諾しないニダ」
高平代理公使「やれやれ、どうにかならんのかねえ。漁業のことも含む貿易規則を結んだのはもう3年前だよ」
実はこれより更に4年近い歳月を経てやっと通漁章程が定まったりする。何事も埒が明かないのが
朝鮮という国である。
金 「ところで長崎の事件はどうなったニカ?」
明治19年8月に長崎に上陸した清兵が暴動を起こし、取り締まりの巡査との間の争闘で、市街はまるで
戦地のような姿となる大事件が発生していた。事件処理をめぐって日清両政府で談判中であった。
高平 「こちらも協議妥結せず。政府も困ってんだよねえ」
金 「清兵もイルボンの巡査も何人か死んだと聞いているニダ」
197 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/11/07(金) 23:38:10 ID:eCF0wVjl
(続き)
高平 「うん。清兵の方が死者が多かったが」
金 「暴れた清兵は何人ぐらいだったニカ?」
高平「清兵は200人余り。で、取締りの日本巡査は30人ばかりだったが」
金 「わずか30人の巡査で清兵200人を鎮圧したニカ!!?」
高平 「いや、一般市民が加勢したから。それで清兵は長崎の清国領事館に逃げ込んだというわけ」
金 「イルボンにはついこの前までサムライという戦士がたくさんいたと聞いてるニダ」
高平「うん。今は士族と言うんだがそれらも加勢したのさ」
金 「それで納得したニダ。で、イルボンは清国に賠償を求めたニカ?」
高平「それが難しいのよ。なにせ李鴻章が清兵の非を認めないからねえ」
金 「清兵がイルボンの領土で暴れたのだから清兵が悪いに決まっているニダ」
高平「それがそう簡単に結論が出ないところが国と国との交際の難しささ」
金 「だいたいイルボンと清との間の条約ではどうなってるニカ?」
高平 「条約でも互いの領地で相手国の者が暴れた場合はその領地の地方官が厳しく取り締まることに
なっている」
金 「それならやはりイルボンの巡査が清兵を取り締まったのは正当ニダ!」
高平 「もちろん正当だよ! ついでに言うと武器を使って抵抗した者は殺してもよいとまで
条約に書いてあるぐらいだから」
金 「それなら清兵に死者が出たのは当たり前ニダ。巡査に死傷者があった分は賠償金を要求するニダよ。
暴れて市街を壊した分も」
高平 「それを相手が認めない限り、条約はあってなしが如しでねえ」
- 333 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/11/08(土) 09:56:37 ID:MYZNmMZc
- 198 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/11/07(金) 23:39:46 ID:eCF0wVjl
(続き)
金 「そもそも、清兵を乗せた軍艦は長崎に何しに来たニカ?」
高平 「ま、表向きは軍艦の修理と水兵の休養ってことらしい」
金 「随分と大きな軍艦だったと聞くニダ」
高平 「うん。30センチ砲という巨大な大砲を4門も装備している世界最大級の巨大戦艦が2隻と
甲鉄巡洋艦と練習砲艦の計4隻ね。戦艦は7000トンを超えるクラス」
金 「なにか想像もつかんニダ。それがわざわざ長崎に修理に来たニカ」
高平 「ま、ようするに脅しに来たのさ。今度、清は海軍を創設して、このドイツ製の戦艦を中心に艦隊を
編成したからねえ。これを見せて、『小国日本よ、大国中国にひれ伏すアルよーっ』てねw」
金 「李中堂の考えそうなことニダ」
高平 「ところが、上陸した清兵が巡査らにやっつけられて大勢の死傷者を出したもんだから、
もう面目丸つぶれさw」
金 「コルコルコルw」
高平 「まあ、笑ってばかりもいられないのが、条約があっても解決しないってところがねえ」
金 「それはどうしてニカ?」
高平 「実力の前には条約も関係なくネ? 実際、清は条約を無視してるし。それで我が政府が依頼して
日本と北京にいるドイツ公使に調停に立ってもらって政治的に解決するつもりらしい」
金 「どのように解決されるニカ?」
高平 「まあ、ねえ、どうやら喧嘩両成敗でいくらしい」
199 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/11/07(金) 23:42:57 ID:eCF0wVjl
(続き)
金 「清兵が暴力を働いたのを巡査が取り締まるのは喧嘩ではないニダよ」
高平 「んなこたあ分かりきったことだよ! 実にけしからんことだっ! 怒怒怒!」
金 「公使も火病になられるニカ?ww まあ貴国政府は平和を望んでおられるニダよ」
高平 「確かに平和的に解決することは大切なことだ。しかし同時に公正でなければならん!
でなければ必ず憤懣が残る。これが重なればやがては大衝突をもたらすような圧力になろう」
金 「確かにイルボンは清国に憤懣が強いニダね」
高平 「今度の事件でいよいよ国民の怒りは抑え難いものになっている。非常に危険だ」
金 「イルボンはウリの国にも憤懣があるニダよ」
高平 「憤懣というよりは、歯がゆいのだよ。富国強兵は国の要だよ。力ある独立国かつ中立国として
堂々と一国を構えてもらいたいのが日本が朝鮮に望んでいることだよ」
金 「ウリの国は中国の属国ニダ。政府も袁世凱の言うままニダ。日本党の者は政府から皆追い出されたニダ。
これも日本が我が国をお見捨てになったからニダ」
高平 「見捨てたんじゃなーい! それにちったあ自助努力ということはせんのかね」
金 「ウリの国は根本から難しいことになっているニダよ(ぽつり)」
- 334 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/11/08(土) 10:00:43 ID:MYZNmMZc
- 200 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/11/07(金) 23:45:36 ID:eCF0wVjl
(続き)
朝鮮は明治8年に日本と条約を結び、明治15年には開国して欧米各国とも条約を締結し、貿易の港も
3港となったが、貿易はあまり振るわず、何より国内生産が貧弱で貿易に供するものが乏しく、
明治20年度では輸出は金などの貴金属が約140万ドル、ソラマメ約34万ドル、牛皮30万ドル、米9万ドルなど
計220万ドルであり、それに対して輸入は木綿(西洋高級木綿が主)が188万ドル、薬種・顔料17万ドル、
絹17万ドルなど、計約281万ドルと赤字であった。(「内閣統計局 海外各国要覧」)
ちなみに、日本の場合、明治19年度で輸出額は約3760万ドル 輸入額約2890万ドル(当時の相場である
1ドル、約1.3円で換算)と大幅黒字であり、ついでに言えば、日本から朝鮮への輸出額は約64万ドル
輸入額は約43万ドルであった。(「日本帝国統計摘要[第1冊]第2回」)
人口は約1050万人であったが、日本の3960万人とほぼ4分の1であり、1人当たりの生産量が
極端に低いことが窺われる。国家歳入にいたっては日本の40分の1にも満たない約147万ドルであった。
朝鮮は貧国弱兵の国であった。その原因は何より国庫にまともに租税が入らないことにあった。
まず地方官の権力が強大であり、あらゆる手段で租税を免れ、それにより中央政府の租税地面積は
年々減少し、明治27年までにはかつての4分の1となった。
またその地方官も含む官職というものは、県令から小間使いに至るまで全てが競売の対象であった。
例えば慶尚道監司の官職はおよそ当時の日本円にして10万円位であり、落札者は地方に赴任した後に
人民から酷税を徴収してその官職代金を支払った。
また地方で集めた租税は中央政府に送る際に時に横取りされた。
201 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/11/07(金) 23:48:08 ID:eCF0wVjl
(続き)
地方官 「収穫の租税が集まったから運搬を頼むニダ」
請負商人「ニダ。県令様、請負賃金はこれぐらいでいかがニカ?」
地方官 「高いニダ! どうせむにゃむにゃするつもりだろうニダよ。もっと安くするニダ!」
請負商人 「え、なんのことニカ? ニヤニヤ」
地方官 「ま、その時の報告書類の手続き料を高くするだけニダよ!」
請負商人「さすが県令様にはかないませんニダ。これぐらいのお安さではいかがニカ」
地方官 「それならいいニダ」
で、租税の運搬を請け負った商人は運搬の船を求めた。
請負商人 「おーい、漁師。この船売るニダ」
漁師 「あれま、これはもう修理もきかないボロ船ニダよ」
請負商人 「それでいいニダ。うんと安くするニダ」
漁師 「こんな船買ってくれてカムサハムニダよ」
で、商人は穀物などの租税を積み込んで船を出したが、すぐ近くの船着場に止まって全部の荷を降ろした。
請負商人 「ようし、皆で船を壊すニダ!」
ボロ船はあっというまに沈没した。
- 335 名前:sweeper ◆HBa/NeetAA 投稿日:2008/11/08(土) 10:01:26 ID:MYZNmMZc
- 202 名前:マンセー名無しさん[] 投稿日:2008/11/07(金) 23:51:18 ID:eCF0wVjl
(続き)
請負商人 「県令様ー。たいへんニダー。租税を積んだ船が嵐にあって沈没したニダー(棒)」
地方官 「何、それはたいへんニダー(棒)」
請負商人 「政府に、嵐のために租税と共に船が沈没したと報告して欲しいニダー(棒)」
地方官 「そうか。それでは検査をするニダー(棒)」
請負商人 「ついては県令様への贈り物はこれこれを先ほど蔵に収めたニダ♪」
地方官 「ニダ♪ よし半分以上だな♪」
請負商人 「そうですニダ。請負賃金共々大サービスニダ」
地方官 「そうニカ♪ あー、これは仕方のない天災であり、そう報告するニダー(棒)・・・・
しかし、お前もワルニダよのう♪」
請負商人 「県令様にはかないませんニダ♪」
という具合であり、しかもこれはほんの一例であった。
(つづく)
- 336 名前:や 投稿日:2008/11/14(金) 00:29:22 ID:wtgWmw8o
- 併合前の日朝(続き)
地方官は米の相場も左右にした。それが元で日本が損害賠償を求める事件が発生したことがある。
後に「防穀令事件」と言われるものである。朝鮮は、米の貿易に関しては地方官の判断で凶作の年には禁輸する「防穀令」を発することが出来、その時は実施1ヵ月前にそれを日朝両商人に知らせることになっていた。
しかし防穀令事件となった明治22年は朝鮮では稀に見る大豊作の年であった。
朝鮮商人「今年は大豊作ニダ。しっかり商売できるニダ」
農民「ホルホルホル、うれしいニダよ」
元山の日本人商人「ほっ。前金を払ったのが無駄にならずによかった」
普通の朝鮮人にとって主食でない米は、日本商人が前金を払うことを条件に農民に耕作を依頼する作物であった。そのことは地方令によって定められ、その額も作物の何割と決められていた。
咸鏡道地方官「今年の穀物の出来高はどうだったニカ?」
官吏「全体として大豊作です」
地方官「ほう。それはよかったニダ。で、米はどうニカ?」
官吏「米も大豊作ですニダ」
地方官「・・・そうニカ? ウリが見回った所は凶作だったぞ」
官吏「・・・?」
地方官「米は凶作ニダ! これは禁輸せねばならんニダ。防穀令を公布するニダ♪」
官吏「ニダ!」
官吏「皆よく聞けー!! 防穀令が発令されたニダー!! 農民は米を外国に輸出する商人に売ってはならんぞー!!」
農民「なぜニカー?! この通り豊作ニダよーっ!」
朝鮮商人「お役人さまーっ! どうしてニカー!困るニダー!」
官吏「うるさいニダ! とにかく防穀令が出たニダ! 違反した者は厳罰にするニダ!!」
日本人商人「待てよ! 豊作ではないか! それに防穀令を出す時には実施の1ヵ月前に日朝両商人に知らせることになってるはずだ! 何も聞いてないぞ!」
朝鮮商人「ウリも聞いてないニダ!」
官吏「ウリはそんなこと知らんニダよ。とにかく県令監司様からのご命令ニダよ」
日本人商人「こちらはもう前金払ってるんだぞ!どうしてくれるんだ!」
官吏「あーん? ここはイルボンではないニダ!朝鮮には朝鮮の法というものがあるニダ!その法令を実施しているだけニダ!」
日本人商人「これは我が領事館に訴えでなければらん!」
官吏「ふん、勝手にするニダ!!」
ということで、訴えを受けた日本領事は朝鮮政府に抗議。しかしいつもの通りのらりくらりの返事で埒が明かない。で、その間。
農民「困ったニダ。米を買う者はイルボン以外に殆どいないニダよ。作ったのが無駄になったニダ」
当然米価の相場は下落する。
地方官「米価はどれぐらいなったニカ?」
官吏「それはもうこれ以上はないほど充分下がってますニダ」
地方官「ニカ?農民どもが困っているだろう。よし、ウリがこれだけ買ってやるニダ」
官吏「そんなにたくさんですニカ?」
地方官「そうニダ。まとめて買うのだからう〜〜んと安く売るように言え!」
で、売れないよりはましと農民も安く売ったが、その後また情況が一変した。
地方官「よし。もう防穀令はいらんな。防穀令は解くニダ。そう公布してこい!」
官吏「皆よく聞けー!!防穀令は解かれたニダー!!もう、米を輸出商人に売ってもいいぞーっ!!」
農民「今さら防穀令を解いても前に売ったから少ししか残ってないニダ!!」
朝鮮商人「米が足らんニダ!足らんニダ!高く買うから残っているものも皆売るニダ!」
ってことで米価は今度は高騰する。
- 337 名前:や 投稿日:2008/11/14(金) 00:34:19 ID:wtgWmw8o
- 地方官「よしよし。随分高くなったニダな♪それ!前買ったやつ全部売ってこい!」
官吏「ニダー!♪」
地方官「ホルホルホル♪大儲けニダー♪」
日本人商人は前金分も農民から得られないわ、朝鮮商人から高い米を買わされるわで、もう踏んだり蹴ったりの被害を被ることになった。
で、元山の大勢の日本人商人が朝鮮政府に損害賠償を求めて日本政府に請願。よって日本政府が交渉すること1年2ヶ月。ついに賠償金11万円を朝鮮政府に支払わせた。
これが防穀事件である。
「朝鮮では狡智に長けている者を器量人と言う」とは、かつて釜山草梁公館時代の森山茂理事官が朝鮮官吏を評して言った言葉である。
また地方官は、領民の生殺与奪の権を握り、勝手に地方税も作ることが出来た。出張するにも臨時に税を設けてその費用を集め、時に二重徴税も行った。
そもそも朝鮮では国民を疲弊させるに十分過ぎるほどの税の仕組みがあり、租税や公用金などを徴集する公署が7、8ヶ所もあって統一しておらず、各部署は勝手に税を徴収した。
中で最も奇怪なものが「春坊」「明礼宮」という臨時税の許可証であった。これは王宮に金を納めると手に入れることが出来た。
両班「ここらで人通りが多くて荷物が一番多く通過するところと言えば南大門通りニカ? 東大門の鐘路の方ニカ?」
家来「人が多いのは鐘路ですが、南大門通りの方が通過する荷物が多いですニダ」
両班「ニダ。そうニダ。では南大門通りで税金取るニダ」
家来「あ、遂に手に入れられましたニカ?」
両班「ニダ♪ 随分高くついたダ!」
と言って取り出して広げたのは、パパパパッパパーン♪
「誰でもどこでもいつでもお金が貰える荷物税カード!!」
両班「これさえあれば、河川でも通りでも関を設けて通行する荷物に課税して徴収することが出来るニダ♪」
家来 「南大門通りはお店が沢山ありますから荷物がたくさん通りますニダ!♪ だんな様は賢いニダ!」
両班 「ニダ!♪ 期日が決められているニダ。早く行って大金稼いでくるニダ!♪」
家来 「ニダー!!」
これがその臨時税の許可証であった。荷物の多い商人などはたまったものではない代物である。
- 338 名前:や 投稿日:2008/11/14(金) 00:39:14 ID:wtgWmw8o
- とにかくこの国では生産することよりも、いかにして人の物を取るかということに最も努力が払われた。だから何をするにも賄賂が必要であり、税金を納めることにすら賄賂を払って納めねばならなかった。農民は、収税官吏や雑役人等が様々に難題を持ち出すのを防ぐための賄賂として使うのに、税の5割増しの量を運び込まなければならなかった。
農民は疲弊し、その無気力さと哀れさは見るに堪えないものがあった。農地は改良されず開墾も殆どされなかった。収穫を増やしてもまた奪い取られるだけだったからである。
そして、飢饉ともなれば累々たる餓死者が出る惨状となったが、政府はそれも天命であるとして、殆ど救済処置をとることなく放置した。
昔は「活人署」と言うものがあって貧民のうち病気になった者を集めて治療していた時代もあったが、もうそれは名のみのものとなっていた。
また、かつては救済の穀物を貸すという制度もあったが、いつのまにか地方官の新任時に人々に屑米などの粗悪なものを強制的に貸し付け、法外な利息と共に上等の穀物で返却させるという狡猾な搾取手段に変貌していた。
また少しばかりの財産を持つ者があるを知ると、すぐに官吏が奪い取った。適当に罪を被せて収監して財産を没収するのである。財産ある者は努めて貧を装い、金品は床下などの土中に埋めて隠した。官吏や警吏の前で指輪など金品を持つ姿を見せることは、直ぐにその場で盗られることを意味していた。
この国の貧国弱兵の原因は、腐敗の一語に尽きる。
(つづく)
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