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韓国の歴史をものすごくわかりやすく書いてみた

[327:(2008/10/02(木) 00:07:20 ID:UOnPUxtw)]
李 「3条と7条のことアル。これは結局は我が政府で人を選んでも、もし井上外務卿と意見が合わないなら実際には行えないアル。また1条にあるように井上外務卿と協議せねばならないとするなら、予は井上君の指揮を仰がねばならない地位となるアル。これでは自分が格下となるも同然アル」

榎本「はあ? 何を言っておられる。そら誤解だよう。だから日本側とよく話し合って相応しい人選をすればいいではないか。指揮を仰ぐとか格下とかいう問題ではなかろう」

李 「とにかく全体の主旨は賛同するが、これだけは出来ないことアル。お断りするアル」

榎本「何とそんな狭い了見でどうするのか。よく考えられよ!」
 榎本は言葉を尽して説得したが、李鴻章は決して意思を翻すことはなかった。それで榎
本は仕方なく、前回の報告とは反対のものを送らざるを得なかった。

井上 「これを見られよ。一旦了承しておきながら、やっぱりだめだとさ」

伊藤 「これは北京総署の大臣たちが反対したのだろうか」

井上 「いや、あの連中は李鴻章の言いなりだお。李鴻章を師匠として仰いでいるぐらいだから」

三条 「やはり李鴻章殿が後から考えを変えられたのであろう。まあ、仕方ないでごじゃるよ。それでも井上さんの論旨は充分伝わったようでおじゃるから、巨文島のことも含めて英国と露国に対すべき方途も理解したと思うが」

井上 「しかしこれほど管見の人物とは知らなかったお。ちょっと驚いた」

伊藤 「会って話してみると分かるが、実に猜疑心の深い人でもあるよ。まあ大国のプライドが許さなかったのだろうよ」

三条 「とにかく、今は朝鮮のことは清政府に任せるほかないでおじゃる」

 後日、井上外務卿は榎本公使に書簡を送ったが、中で李鴻章のことを次のように述べた。

「貴官御電報の趣に依れば、李氏に於ては全体の利害に暗く、梢々たる体裁曲節に拘泥し、本官が主眼とする亜細亜全州の平和を保持せんと欲する誠意を了解せざるものの如し。今日迄多少の匠意も為に徒為に属し候は実に遺憾と存候」「彼の如き管見を持し疑念を抱き候ては縦令共同事を謀るも到底其良結果を不可期と存候に付、此上は我に於ても朝鮮に対する政略を一変して之を放任して自然の成行を傍観するの外致方無之」

北京公使館員「で、外務卿は何と仰って来たんすか?」

榎本「ようするにさ、李鴻章は体裁にこだわって世の中が見えてなくて、日本がアジア全体の平和を保とうとする誠意で言っているのに、李鴻章のように見識が狭くて猜疑心の深い人間とは日本はもう共にはやってらんない。この上は日本は朝鮮に対する政策を変えて、もう放任して自然の成り行きに任せるしかないってさ」

公使館員「ハハハ、ぼろくそっすねえ」

榎本「うん。井上さんが怒るのも無理ないよなあ。けど、要するに清は宗主国として朝鮮のことは他から口出しされたくないのさ」

 ところが李鴻章がこの後に執った政策は、井上外務卿の指導案に沿ったものであり、ただ日本と緊密に協議するという部分だけを外したものであった。
 それも、朝鮮との宗属関係を強化することのみに力を注ぎ、国王周辺から内官を排除するだけでなく、国王の首をすげ替えようと画策するなど、およそ乱暴を極めた。

(つづく)


[328:(2008/10/18(土) 03:22:50 ID:2XJ/RsD2)]
【番外編】(作者さんと、ハン板住人との会話)

174 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/09/30(火) 15:06:18 ID:LtYHUPXS
乙です。

榎本武揚は、毀誉褒貶にばらつきがありすぎて
人物像がいまいち見えてこないなぁ。

177 名前:Venom ◆vr7wMBGNJ2 [sage] 投稿日:2008/10/06(月) 04:09:08 ID:Ja51RX7Z
>>325(原文では167ですが、ここのスレの番号に修正しました by やた)
>ちなみに日清戦争の講和談判は全て英語でなされている。

「坂の上の雲」だっけ?
下関会談で大久保利通が清国側の条件案文を、通訳も待たずに
スラスラ読んで、周囲はその漢文の素養に驚いた、という
話があったやうに思いますが。実際は漢文?英文?

180 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2008/10/18(土) 00:04:34 ID:oBklr5uB

>>174
人物像がよく見えるような言動にまだ触れていないのですが、これまでの印象としては、なん
だかやんちゃな人だなあ、という感じw。彼がかつて五稜郭まで行ったのも戦を楽しんでいたか
らかもしれませんw。

>>177
伊藤博文は普通に漢文の読み書きが出来ます。英語も。
下関での日清戦争の講和談判は全て英語です。アジ歴にはその時の英文記録と日本語訳文があ
ります。なお日本語訳文は若干編集してある部分があり、そこの所は英文記録の方が面白い発
言があったりします。


[329:(2008/10/18(土) 03:26:35 ID:2XJ/RsD2)]
さて、明治18年7月、日清両国は天津条約に基づき朝鮮から兵を引き揚げた。この頃、京城公使館では近藤真鋤に代わって高平小五郎が代理公使を勤めた。

高平「ひとこと言っておきたい」

金允植外務督弁「なにニカ?」

高平 「今度撤兵するのは済物浦条約に照らして今は護衛兵を置く必要がないと認めるので撤兵するの」

天津条約は日清間のものであり、日朝間では済物浦条約に基づく撤兵ということになる。

金 「確かにそうニダ。ウリたちで護衛は出来るニダ」

高平 「けどこの条約を廃棄したわけではないからね」

金 「そうニカ。分かったニダ。記録しておくニダ」

高平「ところで、ここの京城公使館の護衛兵はいかほど?」

金 「10人ニダ」

高平「10人・・・で大丈夫なのかねえ」

金 「何かあったらそれに40人を加えるつもりニダ」

高平「ま、いいでしょ。よろしく頼みますよ」

金 「任せるニダ」

もっとも陸軍は撤兵しても、釜山、元山、仁川にある居留区の日本人保護のための軍艦駐留は従来どおりであった。

さて、この年6月、清仏戦争は終結してベトナムはフランスの手に落ち、清はその主権を喪失した。日本政府は7月に清仏間の条約を閲覧した。

三条 「ついに安南(ベトナム)も西洋人のものになったでおじゃるか。しかし清政府は賠償金を支払うことは免れたようだが」

伊藤 「李鴻章はなかなかしたたかな御仁じゃからなあ」

井上 「いや、李鴻章というよりも北京総署に曽紀澤という、元仏英の公使をしていた実に弁舌の立つ人物がおって、これがフランスに対して賠償金の支払いなしに講和にこぎつけさせたということだお」

伊藤 「ほう、そのような人物が清政府内にもいたかのう」

井上 「この男がビスマルク親父と会った時に、ビスマルクが言うたことに、『清国のために言うが、将来は日本と結んだ方がよい』とのことだお。おそらく彼もそういう考えと思うお」

西郷 「ビスマルクの言うことなどあてになりもはんぞ。何に考えているか分からん親父でごわす。第一、ドイツでは清政府が注文した巨大戦艦2隻は、とうに出来上がっとるのに、これを引き渡そうとせんかった。これがあったら清は海戦ではフランス海軍に負けんかったかもしれんぞ」

井上 「いやそれは出来んお。それをやったら仏独で戦争になるかもしれんことだお。ただでさえ仲が悪いんじゃから」

伊藤 「いずれにしろ、清は安南の宗主権を失のうたんじゃ。戦にまで至らぬような外交を怠ったと言う外はないのう」

井上 「清は自分たちがいつまでも大国じゃと思いこんどるから、外国を見下しすぎるお」

西郷 「いや力でごんす。何というても国力がないなら話にならん。我が国も海軍をもっと充実させねばなりもはん」

大山 「陸軍もでごんすぞ」

三条 「朝鮮のことでおじゃるが、おそらく清はますます朝鮮を名実共に属国とすることに力を尽すでおじゃろうなあ」

井上 「それによって朝鮮が露国になびくのを防ぐことにはなりましょうから・・・今はしかたがありませんお。清も朝鮮をそれなりに指導はすると思いますから」

伊藤 「何というても朝鮮の国内が安定せねばならん。清のそのための干渉なら多少のことは黙認するほかなかろう」


[330:(2008/10/18(土) 03:32:51 ID:2XJ/RsD2)]
山縣 「ところで我が国に逃げてきた金玉均のことはどうする? 朴泳孝は米国に行ったが」

井上 「朝鮮政府は何度も引渡しを求めているが」

伊藤 「引渡し条約もないし、国事犯は渡さないのが西洋各国普通の通例じゃから無視するしかなかろう」

山縣 「国内では朝鮮維新の志士ということで皆のえらい人気者っちゃ。しかし彼を利用してよからん事を企てようとする者らもおるからのう、油断はならんぞ」

井上 「ふふん。あれが維新のう。いろいろ調べたがよう分からん男ぞ、あれは」

日本では、金玉均は朝鮮独立を求める志士であると見られていた。しかし井上は既に明治15年の朝鮮事変、すなわち大院君の乱の時に、大院君が軍乱に導いた兵士たちとの密約書の中に、金玉均や徐洪範など当時は開化派と称して日本公使に接近したはずの者たちの名があったことをつかんでいた。つまり守旧派のドンである大院君と金玉均らはひそかに繋がっていたということになる。

井上 「それにこの前まで朝鮮に居った近藤が、金玉均が送った者が大院君の妻に会ったという報告をしてきたお」


それは以下のようなものであった。

大院君の妻「お前ニカ? 日本にいる金玉均の使いの者というのは」

張殷奎 「恐れ入りますニダー。その通りでありますニダー。大院君様には以前懇意にさせて頂いていた商人の張殷奎ですニダー」

大院君の妻「おお、お前が張ニカ。名前は聞いているニダ。で、玉均は何とニカ」

張 「昨年の企て(明治17年朝鮮事変)は、朝鮮を独立させて大院君様を清国からお迎えいたすための企てであったのでありますとのことニダー。それがこのように失敗に帰して残念でありますとのことニダー」

大院君の妻「おお、おお、そうニカ。そうであったニカ。大院君様がご帰国なされるためなら家財を売っても惜しくはないニダ。どれほどでも経費は出すつもりニダよ」

張 「恐れ入りますニダー」

大院君の妻「しかしおまえの伝言だけでは信用し難いニダ。朴泳孝の手紙も持って来るニダ。そうすればどれだけでも費用は出そう。もっとも、当座の費用として韓銭10貫文目をここで贈ろう」

張 「もったいないことですニダー」

その後、張は日本に戻り、その通りに朴泳孝らの書簡を持ち帰ったという。


山縣 「よう分からんなあ。どういうことなんじゃ」

井上 「つまり、金玉均が考えておる朝鮮国の独立とは、わしらが思うているのと違うのよ」

伊藤 「たしかに大院君はそういう意味では独立派じゃなあ」

井上 「俊輔、その通りお」

山縣 「さっぱり分からんっちゃ。大院君は守旧派の中心人物じゃろう?」

井上 「つまり今の清国のことは大院君はオランケ(満州族の蔑称)と言うて蔑んどるんお。あの親父は前の明国こそが正当な中国で、更に朝鮮人がその継承者であり、明なき今は朝鮮こそがその唯一聖教賢伝の国であるとね」

伊藤 「その属国扱いする清から独立したいということで、朴泳孝ら開明の独立派とも結ぶわけじゃ」

井上 「うん。金玉均が開明的な考えを持っとるとは限らん。あれは大院君の考えに近いんじゃないか」

山縣 「朝鮮が清から完全に独立したところで大院君が帰って政権をとるなら、元の古代の朝鮮に戻るだけぞ」

伊藤 「戻りたいんじゃないの?」


[331:(2008/10/18(土) 03:38:24 ID:2XJ/RsD2)]
山縣 「馬鹿馬鹿しい。俺らがこれまでして来た、朝鮮を開明させて富強国にするという方策は何のためじゃい!」

井上 「我が国のためであり朝鮮のためでもあるお。その上、東洋平和のためでもある」

山縣 「大院君が政権を執るなどということになれば、また王妃一族の閔氏らと闘争となって必ず内乱となるっちゃ」

井上 「そうなれば清が鎮圧の兵を送ることになろう。それでまた我が国も護衛兵を送らねばならんようになるお」

山縣 「おいおい、そしたらもう必ず兵が衝突するような事件が起きて、ついには戦争となるっちゃ」

井上 「だから、ここは清政府にがんばってもらわにゃならんおw しっかり属国として押さえてもらわんとw」

伊藤 「まあ当面は朝鮮のことは清に任せて、我が国は我が国で国力を充実させていかねばならん」

山縣 「金玉均をよく監視しとかにゃならんなあ」

井上 「その他、天津の波多野領事からもいろいろ言ってきとるお。李鴻章が言うのに、金玉均が日本の者らと組んで暗殺者を朝鮮に送ろうとしているとか、仁川で日本水兵が戦闘をしたとかの風説があるとか。英国領事まで心配して訪ねてきたとか」

伊藤 「仁川の領事に確認させているがまだ連絡が届かん。おそらくデマじゃろ」

山縣 「釜山までの電信は敷設出来たが、釜山から仁川までは船で連絡せねばならんから時間がかかって仕方がないっちゃ」

井上 「そういえば、今度、石井電信局長から釜山仁川間に海底線を架設したいとの上申があったじゃろ?」

佐々木工部卿「それはあっとる」

一同 「おお、それで」

松方正義大蔵卿「お金がなーーーい!」

一同 「orz 」

さて、その大院君であるが、清政府はこの年9月、格別の計らいとして恩情を以って朝鮮帰国を許し、新たに朝鮮駐在官に任じた袁世凱に送らせた。大院君は、清での幽閉とは名ばかりの厚遇w に感謝し、また帰国を許されたことで清への忠誠を誓ったという。日本政府は大院君の帰国を危険と見ていたが、清政府は攘夷が大好きな大院君が帰国すれば、閔族の中に王妃や国王を擁して露国に頼らせようとする動きがあるのを抑えられると考えたらしい。

(つづく)


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